言葉の力
- 2012年11月22日
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北九州市立大学基盤教育センターの中島俊介教授がフリーペーパーに寄稿されている中で「交話」という言葉を紹介されていました。
何かを伝えたり、生産的な会話でもなく、ただことばを交わしている状態のことを「交話」というそうです。
ただことばを交わしていると心地よく、心地よい理由は、相手との関係が強まるからだそうです。
「交話」の代表的な例は幼児とお母さんの会話や恋人同士の言葉だそうです。
二人の親密な密接な時間をことばで紡いでいく作業が「交話」なのかなと感じました。
寄稿の中で印象に残った詩がありますのでここで紹介します。
君が好きだというかわりに 朝の雲がきれいだと言った
君が好きだというかわりに 風がさわやかだと言った
君が好きだというかわりに パンがうまいと言った
君が好きだというかわりに テーブルクロスがいいなと言った
君が好きだというかわりに ・・・ (金田一秀穂「新しい日本語の予習法」角川書店)
「交話」する二人の間には既に暖かいものが流れていて、「交話」を聞いているとこちらまで暖かい空気に包まれていく気がします。
「交話」ができる人間関係を持っているということはとても幸せなことだと感じます。
家族との会話を大切にしてみよう、と思う寄稿文でした。(N・H)