リボン運動、いくつ知ってますか?①
- 2014年10月23日
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おはようございます、保健師の山本です。
もうすっかり秋らしくなりましたね。
秋はよく「○○の秋」なんて言われますが、皆さんは何の秋を楽しんでいらっしゃいますか?
私は今のところ芸術の秋を楽しんでいる感じです。
太宰府の九州国立博物館で先日より行われている台湾の故宮博物院展にはすでに足を運んで目玉の「肉形石」を見てきましたが、来月になってから今度はもう一つの目玉である「人と熊」も見に行く予定です。
この故宮博物院展は、東京国立博物館で9月まで行われていたものと九州国立博物館の国内2か所でしか実施されない特別展示ですので、興味のある方はぜひ足を運んで見られてください。
※ちなみに私は以前台湾に旅行に行った際に、東京の目玉だった「白菜」は偶然にも見学していました。
さて前置きが長くなりましたが、10月は「乳がん月間」ということで、各地でピンクリボンに関連するイベントが行われています。
ピンクリボンとは、乳がん啓発活動を表す世界共通のシンボルです。
「乳がんで悲しむ人を一人でも減らしたい」との想いから1980年代にアメリカで発祥し、2000年ごろから日本でも盛んになってきました。
乳がん検診の早期受診を呼びかけるために、行政、市民団体、企業などが独自のピンクリボンマークを掲げ、様々な活動を行っています。
こうしたリボンをアウェアネスリボン(Awareness ribbon)とよびます。
活動によって、形が変わることもありますが、短いリボンを輪にして折り、ピンで留めるのが基本スタイル。
訴える問題によってリボンの色が変わり、その色それぞれにメッセージを持っています。
そこで今回と次回の2回に分けて、いろんな色のアウェアネスリボンについてご紹介したいと思います。
①レッドリボン
“レッドリボン”は、もともとヨーロッパに古くから伝承される風習のひとつで、病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものです。
この“レッドリボン”がエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題となってきた1980年代の終わりごろ。
このころ、演劇や音楽などで活動するニューヨークのアーティスト達にもエイズがひろがり、エイズに倒れて死亡するアーティスト達が増えていきました。
そうした仲間達に対する追悼の気持ちとエイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため、“赤いリボン”をシンボルにした運動が始まりました。
この運動は、その考えに共感した人々によって国境を越えた世界的な運動として発展し、UNAIDS(国連合同エイズ計画)のシンボルマークにも採用されています。
②パープルリボン
”パープルリボン”は女性への暴力の根絶や、膵臓がんの啓発と撲滅をはじめとする、社会や医療の各分野で用いられています。
ここでは2種類のパープルリボンを取り上げます。
●女性への暴力の根絶を訴える”パープルリボン”
パープルリボンは1994年2月、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州のベルリンで、大人のレイプや虐待のサバイバー、医療専門家、セラピスト、法律関係者、関心を持つ市民らによって結成された、インターナショナル・パープルリボン・プロジェクト (IPRP)から始まりました。
現在、40か国以上の国際的な草の根運動のネットワークになっています。
日本では、NPO法人全国女性シェルターネットが中心となり、パープルリボン活動を展開しています。
●すい臓がんの啓発と撲滅を訴える”パープルリボン”
1999年アメリカ・ロスアンゼルスにおいてすい臓がん患者遺族によって立ち上げられたすい臓がん患者支援団体、すい臓がんアクションネットワークは、すい臓がん撲滅を目指しパープルリボン活動を続けている。
パープルリボンは、すい臓がんを「治るがん」にするための、がん研究支援、早期発見ツール、進行がんでも根治する治療開発の大切さを訴えるシンボルマークである。
日本では2006年にパンキャンジャパン支部が設立され、2009年からNPO法人パンキャンジャパン、NPO法人キャンサーネットジャパン、日本イーライリリー株式会社の三団体が中心となり、「すい臓がんに光をあてる」のキャッチフレーズのもと、シンポジウムを中心とする、パープルリボンキャラバンを展開している。