健診結果、見てますか?「総タンパク質(TP)」
- 2015年06月23日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
気が付けばまだまだ先だと思っていた7月がすぐそこまで来ていますね。
先週末帰省すると、愛犬が丸刈りにされていました。
これで少しは暑さが和らいでくれると良いのですが、少しおかしなことになっています。
さて、今週は久しぶりに健診シリーズから「総タンパク質(TP)」のお話です。
ご存知肉や魚、大豆製品に含まれる「タンパク質」ですが、私達人間の体の中にも存在しています。
その中でも血液中のタンパク質量を確認することで、健康状態や栄養状態を見ることができるんです。
総タンパク質の基準値(成人)
基準値(男性) 6.3~8.1 g/dl
基準値(女性) 6.3~8.1 g/dl
Q.1 総タンパク質(TP)って何?
総タンパク質とは、血液中に含まれる様々な種類(100以上!)のタンパク質の総量を指します。
中でもアルブミンや免疫グロブリンの2台巨塔がその大部分を占め、肝機能や腎機能の検査に用いられるのが一般的です。
・アルブミン(血清アルブミン):血液の浸透圧調整や体外物質の保持・運搬機能を担う
・免疫グロブリン:免疫の中で大きな役割を担っており、それぞれの分子量や機能によって名称が異なる(IgG、IgA、IgM、IgD、IgE)
Q.2 総タンパク質(TP)値が異常だと病気ですか?
総タンパク質(TP)は体内で常に一定の状態が保たれていますが、製造機関である肝臓や腎臓などに異常が生じたり、消費・排出のバランスが崩れることがあります。
~低値の原因~
(1)合成の低下(肝硬変、炎症性疾患など)
(2)尿、大便、分泌液などへの漏出(ネフローゼ症候群、吸収不良症候群、火傷など)
(3)代謝亢進(甲状腺機能亢進症、炎症性疾患、重度感染症、がんなど)
(4)タンパク摂取不足(過度のダイエット、低栄養、吸収不良など) など
~高値の原因~
(1)脱水により血液が濃縮されるため(=見かけ上高値)
(2)免疫グロブリンが増加する病態(慢性肝炎、多発性骨髄腫など)
(3)防御反応としての抗体産生(感染症、自己免疫疾患など) など
Q.3 今年は総タンパク質(TP)がガクッと下がっていました。
どこも痛くもないし特別キツイ訳でもないから、タンパク質が多いものをたくさん食べれば大丈夫ですよね?
食生活が不規則でタンパク質をあまり多く摂っていないようでしたら、栄養のバランスを考えた食生活を心がけてみてください。
それだけで改善するようであれば問題ないのですが、血清アルブミンの量が極端に少ないと血液の浸透圧が保てずにむくみが発生します。
むくみがある場合(靴下やパンツのゴム跡がなかなか消えない、起床から何時間も経っているのにまぶたが腫れぼったいなど)は、Q2いずれかの疾患に該当している可能性があります。
必ず検査を受けるようにしてください。
Q.4 この前の健診では総タンパク質(TP)が低かったから気になる・・・
でも病院に行くまではないかな?
総タンパク質(TP)を始めアルブミン(Alb)、アルブミン対免疫グロブリン比(A/G)も献血(成分献血・400ml献血)でチェックできます。
お出かけついでに献血ルームに寄ってみてはいかがですか?
それではまた来週!