服部産業医事務所の活動

その腹痛、胃が痛いわけではないかもしれません②

こんにちは、保健師山本です。
本来ですと火曜日は宮本保健師の担当日ですが、諸事情により今週は水曜と火曜を入れ替えてブログをアップします。
それでは前回の続きです。

3.肥満の人が胆石になりやすい理由
 コレステロールが原因となる結石は、胆石のなかでもっとも多いといわれます。コレステロールは水に溶けないので、一部が胆汁に溶け込み肝臓外に排出されますが、胆汁の中のコレステロールと胆汁酸のバランスが崩れると、コレステロールが結晶化して胆石になりやすくなります。

 コペンハーゲン大学の研究チームは、7万7,679人を対象に34年間追跡して調査。期間中に胆石の症状があらわれたのは4,106人でした。解析した結果、胆石の危険因子は「加齢」「肥満」「運動不足」「過度の飲酒」であることが判明しました。

 特に肥満に関しては、BMIが1増えるごとに胆石のリスクは7%上昇することが分かりました。さらに、肥満と判定された人の胆石の発症リスクは男性で1.51倍、女性で3.36倍に上昇。女性のほうが男性よりも胆石を発症するリスクが高いことが判明しました。

 高脂肪、高カロリーの食事、動物性の脂質の取りすぎは、胆石の原因となる血中コレステロールを高くする原因に。胆石を予防するために、バランスのよい食事を心がけることが重要です。ウォーキングなどの運動を毎日続けることも、肥満を解消するために必要になります。

4.胆石の治療法事情
 胆石は痛みを引き起こすやっかいな存在ですが、それだけでなく、命の危険を引き起こす場合もあります。胆石が胆管に転がり出て詰まってしまうと、胆汁が流れなくなり、そこに細菌が繁殖し「急性胆のう炎」を発症しやすくなるのです。
 発症すると、発熱、嘔吐などが起こるだけでなく、炎症で胆汁がうまく流れなくなり、血液に入って黄疸になることも。この時に細菌が一緒に血液中に流れこむと、全身で炎症が起きる敗血症になります。腹痛に加えて発熱がある場合は、体内で炎症が起きている兆候なので、すぐに医療機関を受診しましょう。

 治療は手術が中心。基本は胆のう摘出で、腹腔鏡によるものが主流となっています。体の負担の少ない胆のうの腹腔鏡手術が進歩し、胆のう炎などのリスクが高い患者では、胆のうを切除する治療を選択しやすくなっている。
※私もこの手術をしました。

 コレステロールが主成分の胆石の場合、大きさによって、胆石を溶解させる薬(胆汁制酸剤)による治療や、体外から衝撃波を当てて胆石を細かく砕く体外衝撃波破砕術で治療することも可能。ただし、手術以外の治療では胆石が再発することがあるため、繰り返す場合は、手術をするほうが望ましいとされています。

 症状がない胆のう結石の場合は、生活改善を行いながら経過観察が続けられることも多いですが、胆石発作をくり返す人、胃もたれなどの不調で生活の質(QOL)が低下している人は、手術を受けた方が良い場合があります。胆のうの機能が低下していると、細菌感染が起きやすいためです。

 健康診断や人間ドックで胆石が発見された場合には、治療について医師とよく相談しましょう。

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