服部産業医事務所の活動

野菜と野菜ジュースの違い

こんにちは、保健師の山本です。
いよいよ花粉症シーズンに入りましたね。
花粉の多い日はだるさと瞼の重さが違うので、朝から憂鬱です。
早くも花粉症シーズンが終わることを心待ちにしている今日この頃です。

さて、今回は野菜と野菜ジュースの違いについてお話ししたいと思います。
野菜不足を感じた時に手に取りやすいのが野菜ジュースですが、どのような違いがあるのでしょうか?

1.野菜に含まれる栄養素
野菜に含まれる主な栄養素は、「食物繊維」とエネルギーを作り出すときの潤滑油となる「ビタミン」です。
食物繊維は、植物自体の茎や葉などを支える骨のようなものです。
かさがあって食べ応えがあるにもかかわらず、野菜には炭水化物やたんぱく質、脂質といったエネルギーを作り出すことのできる栄養素はそれほど含まれていません。
そのため、野菜は「低エネルギーで、たくさん食べても太りにくい」と言われているのです。

2.野菜ジュースに含まれるもの
野菜ジュースを作る場合、ただ野菜をミキサーで粉砕しただけでは、食物繊維が歯に当たってしまい、口当たりが悪い野菜ジュースになってしまいます。
※この状態のものがいわゆるスムージーになります。
そのため、濾したり絞ったりして口当たりのなめらかなジュースをつくり、砂糖や果汁などで味を整えて商品化されています。
この工程で「ビタミン」と「食物繊維」がどうなるのかが重要なポイントです。
ビタミンは「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」があり、前者はジュースの中に溶け出すので、かんたんに摂取できそうですが…。

実は水溶性ビタミンは酸素・光・熱によって分解されやすいという特徴があります。
野菜をカットした段階から分解が始まるのに、ジュースにするためにミキサーで粉砕して、絞って味を整えて……という様々な工程を経ることで、かなりのビタミンが分解されていると考えられます。
また、ビタミンだけでなく、食物繊維に関しても「水溶性食物繊維」と「水不溶性食物繊維」があります。
後者は搾りかすとして廃棄されてしまうため、製品の中には含まれていません。
これらの2点が野菜と野菜ジュースを分ける最大のポイントとなります。

3.野菜と野菜ジュースの使い分け方
メタボやダイエット希望の人、また糖尿病の患者の方には、野菜代わりに野菜ジュースを飲むことがおすすめとは言えません。
なぜなら、野菜ジュースでは捨てられてしまう水不溶性食物繊維のおかげで、食事量を変えずにエネルギーカットをすることが可能だからです。
食物繊維は固さがあるのでよく噛む必要があり、そのおかげで脳が「食べ物を食べた」ということを認識し、満腹感が生まれます。
さらに血糖値の上昇を緩やかにするため、糖尿病のリスクが下がり、将来的に健康維持・増進することができます。
野菜ジュースは噛む必要がないので、なかなか満足感を得ることができませんし、血糖値などへの効果もあまり見込めません。

ただし、実は農林水産省から出されている「食事バランスガイド」では「野菜ジュース」と「果実100%のジュース」は、200ml=1SV(1つ)を副菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理)として計算してよいこととなっています。
その理由として、会社員などの場合は忙しさから野菜不足になりやすいため、手軽に持ち運びができるパック入りの野菜ジュースでもよいので飲んでほしい、という意図があります。
どうしても野菜代わりとして選ぶ必要があるときは、食塩や果物、砂糖などを添加していない商品を選びましょう。

このように「野菜」と「野菜ジュース」は似て非なるもの。
可能な限り「野菜」を選ぶようにし、「野菜ジュース」はどうしても野菜不足になってしまうときの奥の手として考えるのがよいと思います。

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