続:約8割の人がかかってる!?歯周病
- 2016年07月05日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
毎日暑い日が続きますね。
この1週間で、熱中症を疑われる方に2人も遭遇して、気温の高さを実感しています。
さて、先週に引き続き「歯周病」のお話です。
今週は「歯周病に影響を及ぼす病気」について!
歯周病で怖いのは、全身に影響が及ぶ可能性があること
歯周病は口の中だけの病気と軽く考えてはいけません。
炎症が続いていると歯周病菌や菌の出す毒素が血流に乗って心臓に運ばれたり、肺に入ったりして、全身疾患を引き起こす恐れがあることが分かってきました。
初期のうちは痛みなどの自覚症状が出ないため気付きにくい病気ですが、常に歯と歯ぐきの状態に着目し、赤くなっている・歯を磨くと出血するなどのサインを見逃さないようにしましょう。
できるだけ軽いうちに治すことが大切です。
- 歯周病が影響を及ぼすといわれている主な疾患
疾患 |
歯周病との関連 |
糖尿病 |
糖尿病を患っている人は「健康な人より歯周病にかかるリスクが高い」こと、また「歯周病による炎症で生じる物質がインスリン(血糖値をコントロールする物質)の機能を低下させて糖尿病を悪化させる場合がある」ことがわかってきています。 |
冠動脈心疾患 |
歯周病による炎症が「動脈硬化を進ませる」場合があることがわかってきています。また、歯周病菌が心臓に運ばれ「細菌性心内膜炎の原因になる」場合もあります。 |
誤嚥性肺炎 |
食べ物や飲み物を飲み込むときに、誤って食道ではなく気管から肺に入ってしまうことがあります。このとき歯周病菌がいっしょに肺に入り込み感染することで「肺炎を起こす」こともあります。 |
早期低体重児出産 |
血液中に入った歯周病菌が胎盤を刺激し、「胎児の成長に影響を与える」ことが要因の一つではないかといわれています。 |
歯周病って意外に怖いんですね!
では、どうすれば予防することができるのでしょうか?
①正しく歯磨きをする
毎日何気なく行っている歯みがきですが、自己流の磨き方ではきちんと磨けていないことも多いものです。
磨き残しがあると歯垢が残ったままになり、歯周病菌の温床に。
正しい歯みがき方法を覚えましょう。
- 磨き方のコツ
歯ブラシが歯と歯ぐきの間に届くように気をつけながら、細かく動かして歯垢を落とします。
強く当てる必要はありません。
自分の歯に合わせてブラシの先やわきなども使いながら、すみずみまで毛先を当ててブラッシングしましょう。
- 歯ブラシの選び方
すみずみまで毛先が当たるようヘッドが小さめのもの、毛先は歯垢を落としやすいようある程度の固さがあるもの(歯ぐきを傷付けない程度)のものを選ぶとよいでしょう。
毛先が開いてきた歯ブラシは歯垢を落とす能力が劣るので交換しましょう。
見た目に変化がなくてもブラシの弾力が劣ってきますので、1ヶ月に1度は交換することをおすすめします。
- 補助ツールの併用
歯ブラシの届きにくい部分の歯垢をしっかり落とすためにデンタルフロスや歯間ブラシなどを併用するとよいでしょう。
- 歯科医によるチェック
定期的に歯科医院でのチェックを受けましょう。
歯石ができていたら除去してもらったり、ブラッシング指導をお願いすることもできます。
②生活習慣を見直す
疲れやストレスがたまっていたり、喫煙などの習慣があると、免疫機能が落ちて細菌に感染しやすくなります。
- 栄養バランスのとれた食事
歯周病菌に負けないからだ作りのため、バランスのとれた食事をすることが大切です。
抗酸化作用のあるビタミンCや血行をよくするビタミンEを含む食品を積極的にとりましょう。
- アルコールやたばこは、ほどほどに
特にビタミンCを破壊するといわれているたばこは禁煙するのが望ましいでしょう。
- 免疫力をアップさせる
規則正しい生活や十分な睡眠、疲れやストレスをためない生活を心がけましょう。
今日から、いつもよりも丁寧に歯磨きする方が1人でも増えてくれることを願っています!
来週は、「歯周病になってしまったら?」に焦点を当てたお話です。
お楽しみに~!
【引用】第一三共ヘルスケア http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/