めまいのアレコレ④
- 2016年11月01日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
前々々回から引き続き、めまい第4弾。
「脳を原因としためまい」の続きです!
まずは、前回のおさらい
年配の方の回転性めまいは脳への血流が悪くなって起こる場合が多く、脳梗塞の前ぶれの可能性があります!
脳梗塞(のうこうそく)の前ぶれである可能性が高い症状
・目の前が急に暗くなる(立ちくらみ)
・一瞬気が遠くなる
・回転性のめまい
脳梗塞は動脈硬化を原因に血液の流れる内腔の部分が狭くなり、ついには詰まってしまうことで起こります。
動脈の狭くなった部分がいよいよ詰まりかけてくると、血圧の変動によって一時的に脳梗塞のような症状を繰り返すようになります。
こうした発作のことを一過性脳虚血発作と呼びます。
めまいの原因は様々ですが、そのうち最近増えているのが、この脳の一過性脳虚血発作です。
朝起きた時のめまい
…脳梗塞や脳への血流不足が原因の可能性があるので、要注意!
汗をかきながらも水を飲むことのできない睡眠中には、血液中の水分が不足して血液がドロドロとした状態になりがちです。
それに加えて、血圧というものは昼間(活動中)に高く、夜間(睡眠中)には低くなるという特性を持っています。
これらの事柄が重なり、血液の流れが悪くなるような病気は「夜間~朝起床時にかけての時間帯」に起こることが多いとされています。
実際、血圧が上がって起こる脳出血の発作は血圧の上がりやすい昼間に多く、一方、血管が詰まる脳梗塞の発作は夜間に起こりやすいようです。
夜中睡眠中に血圧が下がり脳の中の血液の流れが悪くなったりしても、寝ている間は気が付きません。
そして朝目覚めた途端に、あるいは夜中に目が覚めたそのときに症状に気付く、と言うようなことが起こるのです。
つまりこのような症状は、脳梗塞、そうでなくとも脳への血液の流れが悪くなったせいで起こっている可能性があります。
一時的に脳への血液の流れが悪くなったことで起こってしまった場合では、しばらくすれば症状は治まります。
しかし、すぐに良くなったと言って安心ばかりはしていられません。
なぜなら、このような症状は「脳梗塞の前ぶれ」であることもあるからです。
特に年配の方で、回転性のめまい(特に朝)、失神、フーッとなるような発作が起こった時には、手遅れにならぬうちに精密検査を受けておくと安心です。
また、頭部に血液を送る椎骨動脈は頚椎の骨の真横を通っていますが、頚椎は老化により椎骨動脈を圧迫することがあります。
その場合、しばしば首を回したりした時に、その圧迫が強くなり、そのせいで血液の流れが悪くなってめまいが起きる場合もあります。
脳幹部の血液の流れが悪くなると、めまいと同時に目の前が暗くなったり、口の回りがしびれることがある
脳幹部を通り越した椎骨動脈の1番先には、視覚中枢(見た物を感じる部分)があります。
そのため脳幹部への血液の流れが悪くなると、めまいがする他に「目の前が真っ暗に見える(眼前暗黒感)」といった症状が出現します。
という話は先週しました。
前庭神経核の回りには口の回りの感覚を司る部分もあるので、血液の流れが悪くなった時には「口の回りのしびれ感」が起こることもあります。
さらに血液の流れが悪くなると、意識の中枢がやられて意識をなくしてしまう事態にも。。
しつこいようですが、「直ぐに治ったから気にしない~☻」と軽く受け流していると、特に年配の方などでは取り返しのつかないことになることもあります。
なお、このようなめまい発作の後では「血圧を高くして脳へ血液の流れを良くしよう」という体の反応が起こります。
そのせいで医療機関を受診した時などには、かえって血圧が上がっていることが多いようです。
それではまた来週~!
【参考・引用】
脳神経外科 山本クリニック http://www.yamamotoclinic.jp/
次週も脳を原因としためまいについてお話します!お楽しみに~!