「多血症」知っていますか?
- 2016年11月24日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
まだ11月だというのに、関東ではもう初雪が降ったようですね。
ここ北九州はまだ少し我慢できる程度の寒さですが、あと数日もすれば一気に冬になってしまうのでしょうか><?
さて、今回はあまり聞き慣れない病気「多血症」についてお話します。
読んで字の如く、「血が多すぎる」つまり「血の気が多い」という状態を指します。
あなたの周りには、いつも顔が真っ赤で怒ったような顔の人はいませんか?
もしかしたら、その人は多血症気味かもしれません。
多血症の症状
多血症(赤血球増多症)とは、貧血とは逆に赤血球数が異常に多くなる病気です。
頭痛や皮膚のかゆみ、顔面紅潮、結膜の充血などのほかに、血栓ができやすくなり、血管をふさいで、脳梗塞や心筋梗塞を起こすこともあります。
多血症の数値的な定義
性別\検査 | 赤血球数 | Hb(ヘモグロビン) | Ht(ヘマトクリット) |
男性 | 600万/μl | 18g/dl | 51% |
女性 | 550万/μl | 16g/dl | 48% |
以上の数値のいずれかが、表示値を超えた場合に多血症と診断されます。
多血症にはいくつかの種類があり、
真性多血症(骨髄増殖性疾患)
血液の腫瘍性(がんのように細胞が増え続けること)の病気。
赤血球だけではなく、白血球や血小板も増加します。
それに加えて脾臓が腫れる事が多いのが特徴です。
この疾患の確定診断には、骨髄検査などが必要となります。
二次性多血症
慢性の肺の病気や先天性の心臓疾患などの原因となる病気があり、そのために赤血球が増えてしまった状態。
肺疾患、心疾患などにより慢性的に酸素が不足すると、それを補うために赤血球が異常に作られてしまいます。
これらの状態は、原因となる病気を治療する事が出来れば改善する事がほとんどです。
相対的多血症(ストレス性多血症)
本当は赤血球が増えていないのに増えているように見える状態。
ストレスが原因と考えられていますが、メカニズムの詳細は分かっていません。
発症する対象者は、肥満、高血圧症、高尿酸血症などを有し、且つ喫煙習慣のある中年男性に多くみられます。
この疾患を改善するためには、生活習慣の改善により危険因子を1つでも減らす事が重要となります。
の3タイプに分けられます。
そのため、「多血症」は血液に含まれる赤血球量が絶対的/相対的に増加する血液の状態であり、赤血球量が増えるさまざまな疾患・状態を含む概念をいいます。
多血症の症状
多血症の症状は、赤血球の増加が著しいケースでは、頭痛・赤面・耳鳴り・めまい等が起こる事があります。
また、真性多血症では、更に高血圧・皮膚のかゆみ・胃潰瘍・鼻血・内出血といった出血傾向が高まります。
多血症のリスク
多血症により、赤血球数の増加だけではなく、血小板も増加するため血液の粘度が増します。
そのため、治療を行わず放置することで、脳梗塞や心筋梗塞といった血栓が原因として発症する疾患のリスクが高くなります。
また、真性多血症の場合は、他の血液の病気を引き起こす場合があるため、しっかり定期的な経過観察が必要となります。
次回は多血症の3分類、「真性多血症(骨髄増殖性疾患) 」「二次性多血症」「相対的多血症(ストレス性多血症)」について、もう少し深くご説明します!
お楽しみに~!
【参考・引用】
職と健康の総合サイト e8400.net http://e840.ne