服部産業医事務所の活動

そろそろ始め時、紫外線対策①

おはようございます、保健師の山本です。
GWも終わり、そろそろ紫外線が気になる季節になってきましたね。
私は日光アレルギーなので、毎年GWあたりから油断すると手の甲やら顔やら首やらに発疹がでてかゆくて大変なことに・・・。

そこで今月は、紫外線対策についてお話ししたいと思います。
今回は紫外線の基礎知識として、紫外線の種類と紫外線によっておこる健康障害についてお話しします。

1.紫外線の種類
太陽の光には、目に見える光と、目に見えない赤外線、紫外線が存在しています。
紫外線は、その中でも波長が短くエネルギーの高い光で、波長によってUV-A、UV-B、UV-Cに分けられます。

●UV-A  
・地上に届く紫外線の約95%を占める。  
・物質を透過しやすいため、雲やガラスをすり抜ける。   
 ⇒天候や場所にかかわらず対策が必要。  
・UV-Bほど有害ではないが、真皮層にまで達する浸透力をもつことから、しわやたるみなど肌老化の大きな原因となっている。

●UV-B  
・地上に届く紫外線の約5%。  
・大気層で一部吸収されるが、一部は地表に到達する。  
・皮膚を火傷のように赤くしたり、シミ・そばかすを作るため、屋外での日焼けの主な原因とされている。   
 ⇒この光線の防御効果はSPFとして商品に明記されている。

●UV-C  
 ※通常オゾン層で吸収されるため地表には到達しないが、近年オゾン層の破壊が進んでいることから、その危険性が危惧されている。

2.紫外線による健康障害
紫外線による健康障害は、主に皮膚と目にあらわれます。

●急性のもの
①日焼け(サンバーン、サンタン)
 ※サンバーン:日差しを浴びて数時間後に皮膚が赤くなる日焼け。痛みがある。
 ※サンタン:赤みが引いた後の、黒くなった状態。痛みはない。
②紫外線角膜炎(雪目)  
 強い紫外線にばく露したときに見られる急性の角膜炎症で、結膜(白目)の充血、異物感、流涙がみられ、ひどくなると強い眼痛を生じます。雪面など特に紫外線の反射が強い場所で起きる“雪目(ゆきめ)”が有名です。昼間に紫外線にばく露した場合、夜から深夜あるいは翌朝にかけて発症し、大部分は24 〜48 時間で自然治癒します。
③免疫機能低下

●慢性のもの
①シワ( 菱形皮膚)
②シミ、日光黒子
③良性腫瘍
④前がん症(日光角化症、悪性黒子)
⑤皮膚がん
⑥白内障
 白内障は80以上のタイプがあるといわれていますが、日本人で最も多く見られる皮質白内障というタイプでは、紫外線との関係が知られています。
⑦翼状片  
 眼球結膜(白目)が翼状に角膜(黒目)に侵入する線維性の増殖組織で、瞳孔近くまで進展すると視力障害をきたします。通常は30 歳代以降に発症し、進行は早くありません。農業、漁業従事者など戸外での活動時間が長い人に多発し、紫外線ばく露を含めた外的刺激がその発症に関係すると考えられています。

紫外線というと、日焼けやシミ・シワと考えがちですが、他にも白内障等の病気とも関連があることは知らなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
次回は日焼け止め等日焼け対策についてお話ししたいと思います。

病院職員のストレスチェックは少々やりにくいかも

病院も職員数が50人を超えていれば、当然ストレスチェックを実施する義務がありますが、院長やその病院の医師が産業医を兼ねているような病院も多く、病院のストレスチェックは少々やりにくい状況にあるといえます。そもそも院長は実施者になれませんし、またいつも一緒に仕事をしている医師が病院の産業医として実施者や面接指導を行うとなると、自分のストレスチェックの結果を病院に提出することを躊躇する職員も多く、ましてや面接指導を希望する職員は少ないのではないかと思います。となりますと病院のストレスチェックについては面接指導も含め、利害関係のない外部に全面委託する方が良いのかもしれません。実際に以前にいくつかの病院から弊社に対し、ストレスチェックの実施について問い合わせ、打診がありました。

ストレスチェック後の医師による面接指導を承ります

ストレスチェック後の医師による面接指導は基本的にその事業所の産業医が実施するよう求められていますが、実際には名ばかり産業医であったりとか、産業医がストレスチェックに前向きでないとかいったことで、産業医に面接指導を依頼できない事業所もあります。こうした場合、事業所としては外部の医師に面接指導をお願いぜざるを得ない状況になります。こうしたニーズに応えるべく、弊社は4月以降精神科医師の増強を行い、産業医契約のない事業所からの面接指導も承ることにしましたので、お困りの事業所についてはご連絡ください。鋭意ご相談に応じたいと思いますので、よろしくお願いします。

現場のラインからスタッフへの転換は鬼門になる!

工場などの現場のラインからスタッフに転換された方がうつ病などのメンタルヘルス不全に陥るケースは結構あります。同じ職場でありながらも職務内容や仕事の進め方、業務目標などが変化することにより戸惑いやストレスを感じ、それに伴い発症するパターンが多いようです。特にスタッフへの転換は昇進に伴う責任の増大を伴うケースも多く、それも悪い方向に作用する要因になっています。こうしたケースでは可能であればもとのポジションに戻すことが特効薬になるようです。

ストレスチェック後の面接指導を行いました

先日、法施行後初めてストレスチェック後の面接指導を行いました。正味1時間弱でしたが、比較的スムーズに面接指導が行えたのではないかと思います。本人の希望により行う面接ですので、しっかりとご自分の思いや考えをお話してもらえる分、比較的ストレス要因が把握しやすいのではないかと思いました。さらに面接指導を行う側としては、日頃の職場巡視によりご本人の仕事内容や職場環境を把握していましたので、その分スムーズに面接指導が出来たのではないかと思います。やはりストレスチェック後の面接指導については職場を知らない外部機関の医師にお願いするのではなく、産業医にお願いするべきでしょうね。

ストレスチェックはどの時期に行うべきか

ストレスチェックは1年に1回行うこととされていますが、どの時期に行うかは事業所の判断に任されています。一般の健康診断と同時に行うのも1つの方法ですが、必ずしも同時に行う必要はありません。ちなみに1年間で仕事が落ち着いている時期がストレスチェックを実施しやすいとは思いますが、逆に社員のストレス度が高まりやすい繁忙期に実施するというのも1つの考え方かもしれません。ストレスチェックの本来の目的である一次予防の考え方からすると、繁忙期での実施を検討してよいかもしれませんね。

ストレスチェックの実施事務従事者について

ストレスチェックの法施行を目前にして、契約先の企業とその打ち合わせをすることが次第に増えてきました。ストレスチェックを全く外部機関に丸投げするという企業は少なく、自社の社員を実施事務従事者に選定して、実際のストレスチェックに関わる事務的な仕事を行わせるというところが多いようですし、その方がうまく運用できると思います。ここで注意しなければならないのは、ストレスチェックの実施事務従事者は社員が回答、記入した質問票の中身を見ることができる立場にあるということです。したがって実施事務従事者は個人情報を取り扱うことになりますので、法的にはわれわれドクターと同様に守秘義務を負い、違反した場合は罰則規定があります。それからもう1つ、人事権のある人は実施事務従事者になれないということも念頭に入れておく必要があります。企業としては以上のことをふまえ、実施事務従事者を慎重に決めていただきたいと思います。

メンタルヘルス不調者にとって休日明けは良くない?

メンタルヘルス不調の方がゴールデンウィークやシルバーウィーク、あるいは3連休などでいつもより長期に休んだ後に調子を崩してしまうケースが結構あります。仕事から離れストレスから解放され調子が良くなるのではないかと考えがちですが、メンタルヘルス不調の方に長期の休みは必ずしも良い方に作用するとは限らないようです。生活リズムが狂ったり、休み中に余計なことを考えてしまったりすることもその一因と思われます。ちなみに小中学生の自殺は夏休みが終わり2学期が始まる頃に増加する傾向があるようですが、産業医としてもメンタルヘルス不調者の休み明けには充分に注意する必要がありそうです。

ストレスチェック制度における医師による面接指導について

今年12月よりストレスチェック制度が法施行されますが、ストレスが高いと判定された労働者が希望する場合は医師が面接指導を行うことになります。面接指導の究極の目的は医師が事業者に対し対象者の就業措置に関して意見を述べることにあります。当然のことながら意見を述べる医師は対象者の業務内容や事業所の状況について充分に把握していることが必要であり、もしそうでなければ就業措置の内容が実態とかけ離れた意味のないものになりかねません。こうして考えますと、医師の面接指導は産業医が行うべきであり、門外漢の医師にとっては荷が重く、かつリスクを伴うといわざるを得ません。ストレスチェック制度の施行により、これからますます産業医の責務は増すことになりそうですが、日頃事業所に顔を出すことのない名ばかり産業医は今後淘汰されていくことになるのかもしれませんね。

うつ病と睡眠時無呼吸症候群の深い関係

精神保健系の学会に参加してきましたが、うつ病と睡眠時無呼吸症候群は互いに合併しやすいという話がありました。うつ病は高率に睡眠障害を伴いますが、特に肥満を伴ううつ病の方で睡眠障害がなかなか改善されない方については、睡眠時無呼吸症候群を疑い、精査を行う必要があるようです。

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