服部産業医事務所の活動

勢いのある会社


経済低迷といわれる世の中でも、業績を着実に伸ばしている会社はあるわけで、同じ産業や業種でも会社間で業績に格差があるのが現代の経済の特徴ではないかと思います。最近よく勝ち組、負け組という言い方がされますが、やはり勝ち組の会社では概して社員の表情も明るく、皆いきいきと仕事をされていますし、全体的に活気を感じます。こういう会社が勢いのある会社といえますが、改めてその会社がぐんぐん業績を伸ばしているというような新聞記事を読みますと、なるほどと納得してしまいますし、自分もその会社に関わっていると思うと少しうれしくなってしまいます。

女性の重症貧血


女性の方で特に血液疾患等はないにもかかわらず、ヘモグロビンが4~5mg/dl くらいの重症の貧血の方を時々見かけます。元々女性は貧血が多いですが、さすがにこのくらいの重症の貧血になるとそんなにはいらっしゃいません。よくこれで生きているなといつも思うのですが、面談してみると確かに顔色は悪いですが、意外に自覚症状のない方が多いようです。そしてこういう方ほど毎年貧血を指摘されているのもかかわらず、放置しておられます。急激にこれだけの貧血がきますと、息切れなどの症状が現われるのですが、長年じわじわと貧血が進行した場合は、体が慣れてしまっていて症状を訴えないことが多いようです。当然本人には精査、治療をするよう促しますが、デスクワークのみを行っているような方については、特に業務に支障がないだけに、就業制限まではかけにくい状況です。

 

安全衛生委員会の議題


安全衛生委員会で取り上げられる議題を拝見することで、その事業場が何に重点を置いて安全衛生管理を進めているのかが読み取れます。当初は安全に関することがほとんどを占め、衛生や健康に関することがほとんど取りあげられないということはよくありますが、産業医としては安全に関する議題でもその事業場を理解するうえで有益な情報を得ることができますので、特に気にしないことにしています。しかしそのような事業場でもやがては衛生や健康に関することも議題に取り上げていただけるよう努めていく必要があります。そのために毎月少しずつでも衛生や健康に関する有益な情報や話題を提供し、意見を述べるよう心がけています。結局はその積み重ねが安全衛生委員会の風向きを変えることになり、ひいてはその事業場の衛生、健康管理のレベルアップを促すことにつながります。産業医としてその変化を見ることは楽しいものです。

脚立からの転落災害


脚立は建設業だけでなく、小売業その他の業種でも日常的に使用されていますが、脚立からの転落には充分に気をつけたいものです。そんなに高いところから落ちるわけではないですが、最近骨折などの災害の報告をよく耳にします。元々天板には乗らないのが原則だそうですが、天板から足を踏み外したり、作業に夢中になるばかり誤って転落したりすることが多いようです。対策の1つとしては脚立を使う必要のある高さのところに物を置かないことがあります。職場巡視において棚の天板の上に物を置いている場合は注意するようにしています。これにより地震で物が落下するリスクも回避できます。

軽作業とは何か


疾病やけがにより長期にわたり欠勤されていた方を復職させる際、会社からその主治医に就業上の配慮事項について尋ねますと、主治医から「軽作業ならよい」という回答がよく返ってきます。会社の関係者はその回答を受けて、復職後の仕事内容について検討することになりますが、今度は産業医が担当者から「主治医がいう軽作業というのはうちの会社では具体的にどういう作業ですか」と聞かれることになります。主治医としては肉体的、あるいは精神的に負荷の軽い仕事という意味で軽作業という言葉を使われているのでしょうが、会社の関係者にとっては、軽作業といわれてもあまりにも漠然としていてよくわからないということになります。やはりこうしたときは産業医の腕の見せ所です。産業医はご本人の作業環境や作業内容を把握していますので、主治医がいう軽作業が具体的にはどんな作業を指しているのかを担当者に示すことができます。こうした就業上の細かな判断や指示ができることは産業医の強み、専門性といえるのではないでしょうか。そのために産業医は日頃から少しでも多く現場に足を運び、作業環境や作業内容を把握しておかなければなりません。こうした意味においても職場巡視は重要ですね。

時間外労働が正確に把握されていないことの危うさ


過重労働面談を行っていて、勤務記録にあがってきている時間外労働の時間数が実際よりも少なく記載されているのではないかと思うことがしばしばあります。平日に何時くらいまで会社で仕事をしていたか、休日出勤をどれくらいしていたかを聞くことにより、およその時間外の労働時間数は計算できますので、その計算上の数字と実際の勤務記録の数字を比較すれば、記録が正確なのかどうかは比較的簡単にわかります。記録が実態とかけ離れている理由として、休日労働をカウントしていなかったり、残業を実際より少なくカウントしていたりすることなどがあげられますが、いずれにしてもこうしたことは問題です。時間外労働が少なく記録されていれば、面談する医師はリスクを過小評価してしまいますし、そもそも長時間労働をしているにもかかわらず面談の対象にあがってこないことにつながりますので、非常に危ういことになります。時間外労働は正確に把握するよう日頃から心がけたいものです。

うつ病の再発要因


うつ病で長欠後に復職させる場合、会社は再発を防止するために本人の業務上の負荷を軽減するとともに、回りもいろいろな面で気を使うことになりますが、それにもかかわらず、また治療を継続しているにもかかわらず、はっきりした要因もなくうつ症状が再発して再休業を余儀なくされる方がいます。初回の発症時には誘因があった方でも、再発時にはその要因がはっきりしないこともしばしばあります。こうしたなかには再発の要因が把握できていないケースがあるのかもしれませんが、本人も回りも思い当たらないということは結構あります。そしてこういう方はその後も再発を繰り返すことが多いようです。はっきりした要因がないにもかかわらず再発を繰り返すうつ病は予後があまり良くないという印象を持っています。

わが社の広告塔 松田聖子


わが社の松田保健師の下の名前は聖子、まさにわが青春時代のアイドル、松田聖子です。氏名の読みはマツダサトコですが、ほとんどの方は彼女の名刺を見た瞬間、感嘆の声をあげます。松田聖子、中森明菜、小泉今日子といえば、私のような50台の者にとっては青春時代のアイドルですから、昨年の求人の際に彼女が応募してきた時は、一瞬びっくりしたのを覚えています。ちなみに年齢的に松田保健師は自分の娘といってもよい世代ですので、娘の世代と一緒に仕事をしていると思うと、自分が年齢を重ねたことを思い知らされます。松田保健師は契約先の担当者にすぐ名前を覚えてもらえますので、彼女自身得をしていますが、弊社としてもアイドルと同じ名前の保健師がいるということで契約先の担当者と話が盛り上がりますので、弊社の広告塔にもなっています。松田保健師はこれからさらに仕事の面でも目立つ存在になってくれそうです。本当にこれから楽しみです。

日本産業衛生学会の研修施設に認定されました


このたび私の事務所が日本産業衛生学会の研修施設に認定され、事務局より登録証が送られてきました。弊社のように産業医として独立開業している事務所はまだほとんど登録されていませんでしたので、認定されるかどうか少し不安がありましたが、思い切って申請してよかったと思います。これから私の事務所で研修してくれるドクターが現れるかどうか不明ですが、研修医を受け入れた際にはしっかり指導をしたいですね。いろいろな業種、規模の事業場の産業医活動をつうじ勉強のできるところがうちの事務所の利点といえるかもしれません。ちなみに私は記念すべき第1回の専門医試験の合格組の1人ですが、今思い起こせば当時は怖いもの知らずでよく受験したと思います。学会が公表している最近の専門医の試験問題を拝見することがありますが、とても難しい問題ばかりで、今試験を受けたら不合格になるのではないでしょうか。試験を受けた当時の自分はすごかったと思います。あれから年月がたちましたが、今の自分が昔の自分に勝ることは産業医として少しばかり経験を積んだこと、少しばかり度胸ができたこと、そして少しばかり視野が広がったことでしょうか。まあその分、年も取りましたからね。

女性の適性を生かした仕事


製造業の現場の職場巡視をしていますと、ほとんどが男性の工場のなかで突然女性ばかりが働いている現場に出くわすことがあります。そこで行われているのは大抵が細かく、しかもそれを反復しなければならない非常に根気が要る作業です。例を出していいますと、鏡面仕上げをしたシリコンウェハーの両面に光を当てながら、ウェハーの表面についている非常に細かい傷(素人にはわかりません)を長時間にわたり目視検査するような作業です。1日に1人あたり数百枚のウェハーを次々と検査しておられますが、こうした作業を男性にさせると、根気が続かず途中で投げ出してしまう方が多いそうです。やはり女性は男性に比べ、細かく根気が必要な作業に対しては適性があるのだと思います。私の仕事のパートナーにも約1名そういう女性がいます。家内には産業カウンセラーとして契約企業のメンタルヘルスを担当してもらっていますが、そこでは女性の根気強さを充分に発揮してくれています。カウンセリングではメンタル不全の方の話を聞くことになりますが、1時間はざら、長い時は3時間ぶっ続けで話を聞くこともあるようです。私にはとてもそんなこと耐えられません。