服部産業医事務所の活動

栄養ドリンクに入ってるアレ「タウリン」

 保健師の宮本です。

先週の宣言通り、今日は「健診結果項目シリーズ」からちょっと脇道に逸れてみようと思います。

今週は、先日面談中に質問のあった「タウリン」についてお話します。

 

健康食品や栄養ドリンクのCM・パッケージなどで見かけることの多い「タウリン」ですが、何がどう「体に良い」のでしょうか。

私もよく知らなかったので、今回調べてみました!

 

 

▶タウリンはアミノ酸の一種

 私たち人間の体はほとんど(60〜70%)水分でできているという話は有名ですが、その次に多い(約20%)のがアミノ酸(タンパク質)です。

アミノ酸(タンパク質)は主に筋肉や内臓、血中のヘモグロビン(3/3『健診結果、見てますか?「赤血球」』参照)、髪や皮膚のコラーゲンなど体の重要な組織をつくっています。

タウリンはこの「アミノ酸」の一種で、体に起こった「変化」を正常な状態に戻そうとする作用を持っています。

 

▶タウリンの健康効果

 現段階でタウリンの効能として

・肝機能を高める/解毒・アルコール分解作用のサポート

・コレステロール値を下げる

・インスリンの分泌を促進して血糖値を下げる

・動脈硬化を予防する

・高血圧を予防する

・視機能を改善する/黄斑変性を予防する

・むくみを予防・改善する

・便秘を解消する

・脂肪分解を促す

などが挙げられています。

 特に血圧が高い方、お酒がお好きな方はタウリン摂取の効果を感じやすいそうです。

 

▶タウリンの摂取方法

 牛肉・豚肉・卵・牛乳にも含まれていますが、カキ・サザエ・ホタテ・アサリ・イカ・タコ・マグロの血合い・サバの血合いといった魚介類全般に多く含まれています。

食べ過ぎても排泄物として体外に出て行くためほとんど副作用がなく安全な成分ですが、1日1,500mgが適正量とされています。

 

▶タウリンによる悪影響

 今までの説明では万能選手のようなタウリンですが、

  1. 副作用として吐き気や下痢など消化器症状が少数件報告されていること
  2. タウリンを多く含む食品の中にはコレステロール値、尿酸値などを上昇させるものが少なくないこと
  3. 胃潰瘍のリスクを高める(胃酸の過剰分泌)・・・ (これを防ぐためには、他の食品や牛乳と一緒にタウリンを摂ることも手です)

ことが知られています。

上記3点から、過剰な摂取は控えた方が良さそうです。

 また、タウリンは解熱・鎮痛剤としてよく用いられるアスピリンの効能を必要以上に増強してしまう恐れがあります。

アスピリンはバイ〇ルアスピリンやバファ〇ンなど私達にとって身近なお薬にも含まれていますので、何か薬を飲む必要のある時は成分表をしっかり見るか、購入の際薬剤師さんに「タウリンのサプリメントを飲んでいる」という事実を伝えてください。

 

▶タウリンのサプリメント

 D〇Cやディ〇ナチュラなど、ドラッグストアだけでなく今やコンビニでも購入できるサプリメントシリーズの中にもタウリン含有のものがあります。

「タウリン」と銘打っていなくても、「アミノ酸」や「肝臓エキス」と表記されているものも多いようなので、ドラッグストアで薬剤師さんや店員さんに尋ねると安心です。

 また、サプリメントの場合は簡単に摂取できるため、知らず知らずのうちに過剰摂取になるリスクを孕んでいます。

用法用量をしっかり守り、食事からの過剰なたんぱく質摂取は避けましょう。

 

来週は健診項目シリーズに戻って「血小板(Pt/Plt)」についてお話します。

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