服部産業医事務所の活動

今更ながらに健康診断について語る①

こんにちは、保健師の山本です。
今週は少し寒い日が多いみたいなので、体調管理に気を付けたいですね。

春になると健康診断を受けるという方も多いのではないでしょうか。
皆さんは「健康診断」を活用されていますか?
中には受けっぱなしという強者もいらっしゃるかもしれませんが、きちんと見直すことで体の異常や、自分の生活習慣のどこが悪いのかが分かってきます。
今月は健康診断について、今更ながらお話ししたいと思います。

1.そもそも健康診断とは
社員の健康状態を把握し、適切な健康管理を行っていくために、事業者には「※常時使用する労働者」に対して、健康診断を実施することが義務づけられています。
※パート・アルバイトであっても、正社員の労働時間数の3/4以上勤務していれば健診を受ける必要があります。

2.健康診断の種類
【一般健康診断】
・雇い入れ時健康診断
・定期健康診断
・特定業務従事者の健康診断 
・海外派遣労働者に対する健康診断
【特殊健康診断】
 一定の有害業務に従事している労働者に対して実施する。
 ※有機溶剤、鉛、じん肺etc…

○一般健康診断は、その結果に基づく健康診断個人票の作成と5年間の保存義務があります。
また、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、「定期健康診断結果報告書」を所轄労働基準監督署長に報告する必要があります。(定期健康診断と特定業務従事者健康診断)

3.法律で義務付けられている健診項目
【13項目】
①既往歴および業務歴の調査
②自覚症状および他覚症状の有無の検査
③身長、体重(40歳以上は腹囲も計測)
④視力検査
⑤聴力検査
⑥胸部エックス線検査:肺がんや肺結核、喫煙に伴う肺疾患などを知ることができます。
⑦血圧の測定:塩分、肥満、加齢、喫煙、遺伝などが原因で高くなります。
血圧が高いと、心臓病・脳卒中・腎臓病などが起こりやすくなります。
⑧貧血検査:赤血球やヘモグロビンが少ないと鉄欠乏性貧血が疑われます。
また鉄欠乏性貧血だけでなく、血液の病気や胃潰瘍・十二指腸潰瘍・大腸癌・子宮筋腫からの持続的な出血により貧血を起こしている場合もあります。
⑨肝機能検査:肝臓や肝臓の近くにある胆のう・胆管の異常、脂肪肝・アルコール性肝障害の可能性を知ることが出来ます。
肝臓は、「沈黙の臓器」と言われ自覚症状が出にくい臓器です。
血液検査の値で肝臓の異常を早期発見することが大切です。
⑩血中脂質検査:HDLコレステロールが低く、LDLコレステロールが高いと心臓病、脳卒中などが起こりやすくなります。
中性脂肪は、食生活の影響を受けやすい項目です。
⑪血糖検査:空腹時血糖は、血液中に含まれるブドウ糖の量を調べる検査です。
ヘモグロビンA1cは、長時間にわたる血糖のコントロール状態を調べることができます。
⑫尿検査:尿蛋白検査では、腎臓の機能を調べることか出来ます。尿蛋白が陽性の場合には、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、尿路感染症、腎硬化症などの病気が疑われます。
尿糖検査は、尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病の指標のひとつになります。
⑬心電図検査:心臓のリズムの異常や狭心症、心筋梗塞の可能性がないかなどを知ることができます。
心電図の項目で異常が見られても、自覚症状のない方もたくさんいますが、大きな病気の早期発見につながることもあります。

※これ以外の項目は、皆さんの会社が設定している健診項目になります。

4.受診にあたって注意すること
☆前日の夜から絶食
 健診が行われる時刻の10時間前からは絶食が必要です。
 当日は朝食を食べずに受診しましょう。
 胃、腹部超音波の検査を受ける予定がなければ水は飲んでも大丈夫
 です。
 例)午前10時に健診を受ける場合は、前日の夜12時以降は絶食!
☆健診の前日と当日は飲酒・喫煙・脂っこい食事は避ける
 前日の飲酒は中性脂肪値や血糖値に影響がでてしまいます。
 また、前日に脂っこい食事を摂ると血液検査に影響が。
 喫煙は血管を収縮させるので、血圧が高くなってしまいます。

それでは次回は、健診結果が返ってきたらについてお話ししたいと思います。

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