服部産業医事務所の活動

今年の話題は花粉症よりPM2.5が主役

今年の九州地区は花粉の飛散量が少ないという話を聞いていましたが、確かに花粉症の症状を訴えられる方は例年より少ない印象があり、また安全衛生委員会のなかで話題として取り上げられることも少ない気がします。一方でここ数年はPM2.5が話題に上げられることが増えてきています。以前娘の小学校の運動会で、朝のラジオ体操が終わるやいなや北九州市からPM2.5の警報が出て、運動会が即刻中止になりがっかりしたことは記憶に新しく、PM2.5は日常生活においても決して看過できない状況になってきているようです。

安倍首相が八幡製鉄所構内に視察に

比較的最近半年以内の話で、安倍首相が八幡製鉄所に来られたという噂があったようですが、どうも本当の話だったようです。八幡製鉄所の旧本事務所、鍛冶工場が世界遺産候補になっているのはご存知かと思いますが、現在その為に北九州市が一般公開用の展望台と遊歩道を建造しています。先日その工事現場へパトロールに行った際に、関係者から安倍首相が八幡製鉄所にお忍びで視察に来られたという話をお聞きしました。知る人ぞ知る話ではあったようですが、私自身は全く知りませんでした。八幡製鉄所は官営製鉄所時代以来の伝統のある製鉄所ですので、今までにも多くの国内外のVIPが訪れた歴史があり、こうした話は決して珍しくはありません。もし世界遺産に登録されますと、もっと多くのVIPが訪れるようになると思われますし、観光客も増え、今は静かなこのあたりもガラッと変わっていくのかもしれませんが、果たしてどうなることやら。

今更ながらに健康診断について語る①

こんにちは、保健師の山本です。
今週は少し寒い日が多いみたいなので、体調管理に気を付けたいですね。

春になると健康診断を受けるという方も多いのではないでしょうか。
皆さんは「健康診断」を活用されていますか?
中には受けっぱなしという強者もいらっしゃるかもしれませんが、きちんと見直すことで体の異常や、自分の生活習慣のどこが悪いのかが分かってきます。
今月は健康診断について、今更ながらお話ししたいと思います。

1.そもそも健康診断とは
社員の健康状態を把握し、適切な健康管理を行っていくために、事業者には「※常時使用する労働者」に対して、健康診断を実施することが義務づけられています。
※パート・アルバイトであっても、正社員の労働時間数の3/4以上勤務していれば健診を受ける必要があります。

2.健康診断の種類
【一般健康診断】
・雇い入れ時健康診断
・定期健康診断
・特定業務従事者の健康診断 
・海外派遣労働者に対する健康診断
【特殊健康診断】
 一定の有害業務に従事している労働者に対して実施する。
 ※有機溶剤、鉛、じん肺etc…

○一般健康診断は、その結果に基づく健康診断個人票の作成と5年間の保存義務があります。
また、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、「定期健康診断結果報告書」を所轄労働基準監督署長に報告する必要があります。(定期健康診断と特定業務従事者健康診断)

3.法律で義務付けられている健診項目
【13項目】
①既往歴および業務歴の調査
②自覚症状および他覚症状の有無の検査
③身長、体重(40歳以上は腹囲も計測)
④視力検査
⑤聴力検査
⑥胸部エックス線検査:肺がんや肺結核、喫煙に伴う肺疾患などを知ることができます。
⑦血圧の測定:塩分、肥満、加齢、喫煙、遺伝などが原因で高くなります。
血圧が高いと、心臓病・脳卒中・腎臓病などが起こりやすくなります。
⑧貧血検査:赤血球やヘモグロビンが少ないと鉄欠乏性貧血が疑われます。
また鉄欠乏性貧血だけでなく、血液の病気や胃潰瘍・十二指腸潰瘍・大腸癌・子宮筋腫からの持続的な出血により貧血を起こしている場合もあります。
⑨肝機能検査:肝臓や肝臓の近くにある胆のう・胆管の異常、脂肪肝・アルコール性肝障害の可能性を知ることが出来ます。
肝臓は、「沈黙の臓器」と言われ自覚症状が出にくい臓器です。
血液検査の値で肝臓の異常を早期発見することが大切です。
⑩血中脂質検査:HDLコレステロールが低く、LDLコレステロールが高いと心臓病、脳卒中などが起こりやすくなります。
中性脂肪は、食生活の影響を受けやすい項目です。
⑪血糖検査:空腹時血糖は、血液中に含まれるブドウ糖の量を調べる検査です。
ヘモグロビンA1cは、長時間にわたる血糖のコントロール状態を調べることができます。
⑫尿検査:尿蛋白検査では、腎臓の機能を調べることか出来ます。尿蛋白が陽性の場合には、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、尿路感染症、腎硬化症などの病気が疑われます。
尿糖検査は、尿の中に糖が出ているかを調べ、糖尿病の指標のひとつになります。
⑬心電図検査:心臓のリズムの異常や狭心症、心筋梗塞の可能性がないかなどを知ることができます。
心電図の項目で異常が見られても、自覚症状のない方もたくさんいますが、大きな病気の早期発見につながることもあります。

※これ以外の項目は、皆さんの会社が設定している健診項目になります。

4.受診にあたって注意すること
☆前日の夜から絶食
 健診が行われる時刻の10時間前からは絶食が必要です。
 当日は朝食を食べずに受診しましょう。
 胃、腹部超音波の検査を受ける予定がなければ水は飲んでも大丈夫
 です。
 例)午前10時に健診を受ける場合は、前日の夜12時以降は絶食!
☆健診の前日と当日は飲酒・喫煙・脂っこい食事は避ける
 前日の飲酒は中性脂肪値や血糖値に影響がでてしまいます。
 また、前日に脂っこい食事を摂ると血液検査に影響が。
 喫煙は血管を収縮させるので、血圧が高くなってしまいます。

それでは次回は、健診結果が返ってきたらについてお話ししたいと思います。

紫外線対策 「日焼け止めクリーム」

 保健師の宮本です。

前回お話した「花粉症疑惑」ですが、先週末のお休みを利用して耳鼻科に行ってきました。

2時間近く待ち、ようやく診て頂くこと5分足らず・・・

まさかの「喉風邪」との診断でした(><)

天気の良い日の体調をみて、悪くなるようであれば再度受診してみようと思っています。

 

 さて、先週からお伝えしています「紫外線」について。

今週は紫外線対策の代表格、「日焼け止めクリーム」を掘り下げます。

 

 一言に日焼け止めといってもお店にはたくさんの商品が並んでおり、一体どれを買えば良いのやら・・

「高いのは効果がありそう!」「どれも一緒だろうからとりあえず安いのにしよう!」などとよく考えずに購入してはいませんか?

日焼け止めを買うにあたって知っておかなければならないのが、パッケージに必ず記載されているPAとSPFという数値です。

 

PA(Protection Grade of UVA):

 UVAの防止効果を表す指標で、+~++++の4段階に分かれています。

自分が浴びるであろう紫外線量と同等、またはより強いPAの日焼け止めを使用すると光老化防止効果が期待できます。

SPF(Sun Protection Factor):

 UVBの遮断効果を示す指標で、その数値は紫外線を浴びることで起こる皮膚の赤みが出てくるまでの時間を何倍に長くできるかを示したものです。

例えば、赤くなるまで10分かかる人がSPF30の日焼け止めクリームを塗った場合、10分×30=300分=5時間程度の日焼け止め効果が期待できるということです。

測定方法の関係から、現在日本製商品でのSPFは50+が上限となっています。

 

 日常生活ではSPF20程度、PA++以上で十分ですが、海水浴や屋外作業などではSPF50、PA+++以上のものが必要になってきます。

 なにより日焼け止めは汗や湿気で流れてしまうものなので、こまめに塗りなおすことが重要です。

「ケチらない」「こまめに塗りなおす」だけは忘れずに!

 

 先週お伝えしたように、過度な日焼けは皮膚がんの発症リスクを高めます。

屋外作業の多い職場で働いていらっしゃる男性の方々も、帽子をかぶる・皮膚の露出を極力抑える・恥ずかしがらずに日焼け止めクリームを塗るなど、予防行動が大切です!

 

 それではまた来週!

毎月20日が転倒防止を総点検する日に定められました

労働災害のうち転倒によるものが全体の2割強を占めていることから、福岡労働局は毎月20日を県内の全ての事業場が転倒防止を総点検すると定めました。具体的には段差や凹凸がないか、整理整頓はできているか、水や油等により滑りやすい箇所はないか、照度の確保はできているか、手すりは設置されているかなどを現場の巡視により確認していくこととしています。特に専門的な知識を要するものではありませんので、手軽に実施していただきたいと思います。

そろそろ気になる「紫外線」

保健師の宮本です。

いつの間にか4月に入り、社会人、そして保健師となって1年が経過しました。

この1年間は目新しいことだらけで、文字通りあっという間に再び春がやってきてしまった印象です。

不慣れ故にご面倒をおかけしたこともございました。

今年度は、昨年度よりパワーアップした姿をお見せできるよう努めていきますので、よろしくお願い致します。

 

 そして春と言えば、山本保健師のブログにもあった「花粉症」ですね。

私は先週から鼻詰まりと喉の違和感に悩まされています。

去年風邪が長引き、まさかと思ってマスクをしてみると幾分マシという「怪しい」期間はあったのですが、何となく認めたら終わりのような気がして受診していなかったのが祟ったようです。

今年こそ病院できちんと「花粉症宣告」されてきます・・・(泣)

 

 そしてそして!

花粉症と同じく、そろそろ気になってくるのは紫外線です。

今週は(今週も?)健診項目シリーズをお休みして、紫外線についてお話します。

 

 紫外線は波長によって以下の3種類に分類されます。

  1. UVA(320~400㎚):皮膚の奥深くまで到達し、シワやたるみなどの肌の光老化や色素沈着を起こします。最近では皮膚がんの発症に関与しているという報告も。
  2. UVB(290~320㎚):主に皮膚の表面に作用する「日焼け」の原因。大量に浴びると皮膚がん、シミ、ソバカス、乾燥の原因となります。
  3. UVC(~290㎚):太陽光中のUVCはオゾン層に遮られ、私たちの元には届きません。殺菌灯などに用いられています。

 

 紫外線の皮膚への影響で最も怖いのは「皮膚がん」の発生です。

上記のように紫外線、特にUVBが皮膚細胞を癌化(変性)させる可能性があります。

ほとんどの場合は体(細胞)が勝手に修復してくれますが、変性細胞があまりに広範囲・大量だと修復作業が追い付かず・・・なんてことも。

体の中でも特に日の当たりやすい顔面、特に鼻周辺での発症が多いようです。

成人以降にできたホクロ(のようなもの)は要注意。

・墨がにじんだように輪郭がはっきりしないもの

・だんだん大きくなってきたもの

・かゆみがあったり汁が出るもの

などは皮膚がん(悪性黒色腫)の可能性があるので、該当する方は病院に行くことをお勧めします!

 

特に女性では、「皮膚がんになるほど直射日光に当たらないよ!そんなことよりもシミ・シワの方が気になる!」という方が大多数ですよね。

綺麗な肌は若々しく見せる最大の武器です。

では、一体いくつから肌を守っていけば良いのでしょうか。

日本よりも皮膚がんの発症率が高く研究実績もあるアメリカでは、早ければ早いほど!つまり赤ちゃんの頃から紫外線防御に努めるべき!としています。

具体的には

・つばの広い帽子をかぶったり、日傘を差す

 ・夏場は昼下がりの外出を控える

 ・顔や首、手足など日に当たる部分には日焼け止めを塗る

紫外線は3月頃から増え始め、6~8月に最も強くなりますので、これからの季節には紫外線対策が特に重要です。

ただし、冬場や曇り(晴れの日の約70%)・雨の日(晴れの日の約20%)には紫外線照射がないという訳ではありません。

 

 次回は今週の続きとして、日焼け止めについて掘り下げていきます!

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