服部産業医事務所の活動

今年は屋内でも熱中症予防

こんにちは、保健師の山本です。
なんと6月11日に沖縄地方は梅雨明けしたとのこと。
例年より12日、昨年より15日早いとの事で、ちなみに北陸や東北はまだ梅雨入りもしていません。
九州北部の梅雨明けは例年7月20日前後ですので、まだまだジメジメした時期が続くかと思うと、ちょっと憂鬱になります…。

さて、健康診断ネタも飽きてきたかと思いますので、今回は「熱中症」をテーマにお送りします。
私が取り上げたのは、屋内での主に睡眠時におこす熱中症についてです。

1.熱中症による搬送者の割合は
炎天下や運動中にかかるイメージが強い熱中症ですが、実は屋内や家の中でも熱中症は起きやすくなっています。
発生しやすいのは7〜8月、梅雨明けや急に気温が上がった日で、調理や掃除といった家事の最中だけでなく、テレビを見ている時など何もしていない時にもリスクがあるからこそ、注意が必要です。
屋内における熱中症は、「部屋の中だから大丈夫」という認識のもと、特別な暑さ対策をしていないことに起因するケースが多いとされています。
炎天下に置かれている車を思い浮かべるとわかりやすいのですが、屋内は状況によっては熱がこもって屋外よりも気温が高くなるケースがあります。
近年は住宅における高齢者の熱中症が増えており、国立環境研究所によると高齢者は住宅での発生が半数を超えているという。
そして熱中症の脅威は、私たちが活動してない睡眠時にも迫ってくるといい、その理由は寝汗による脱水にあると言われています。

仮に6~7時間の睡眠を取るとなれば、その間水分を一切摂取していないということになるため、寝ている間は脱水状態につながりやすいといいます。
また、湿度が高い状況も脱水につながりやすいので、注意が必要とされています。

2.起きている時の屋内での熱中症対策
➀喉が渇く前からこまめな水分補給
喉が渇いた後や、具合が悪くなってから水分補給しても手遅れになって熱中症の症状が現れてしまうことがあります。喉が渇いてから水分を補給しても、必要な部位に水分が届くまでには時間を要するからこそ、喉が乾く前からこまめに水分を摂ることが大切です。

②通気性の良い服を着る
湿度が高いと、体内に熱がこもって体温が下がらず、熱中症にかかりやすくなってしまいます。汗をかきやすい時期は熱中症予防のためにも、通気性の良い服を着たり、エアコンの除湿をかけたりして、風通しの良い状態で居ることを心がけましょう。

③暑さ指数(WBGT)、アラートメールの活用
熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案されたWBGT(湿球黒球温度)も熱中症予防を意識するにあたって有効です。暑さ指数は気温と同じ℃単位で示されますが、暑さ指数(WBGT)が28℃(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加する様子が分かりますので、環境省が運営している熱中症予防情報メールなどを上手に使って、その日ごとの熱中症のリスクを理解しておくと良いでしょう。

3.寝ている時の屋内での熱中症対策
➀エアコンや扇風機をうまく活用する
暑い夏場は、冷房をうまく利用して質の良い眠りを確保することが大切です。環境省も「我慢せずに冷房を入れる」ことが重要と、熱中症マニュアルで注意喚起をしています。エアコンのタイマー設定を活用してもいいですし、冷気を部屋全体に行きわたらせるため、扇風機を組み合わせるという選択肢もあります。また、場合によっては設定温度が高めの状態でもいいので、エアコンをつけっぱなしにして寝るのもいいでしょう。

②就寝前にコップ1杯分の水を飲む
睡眠中の脱水状態を防ぐため、就寝前に冷たい水をコップ1杯分飲むといいです。夜中にふと目が覚めたときや起床時にもサッと水分補給できるよう、枕元近辺に水筒などに入れた冷たい水を置いておくのもおすすめです。ただ、水分補給としてビールを飲むのは危険。アルコールは脱水を促し、利尿作用もあるため体から水分を奪っていく。就寝時間が迫ってきたら、アルコールは控えるようにしましょう。

③ゆったりした衣服を着用する
気温や湿度が高いため、汗がうまく蒸発できずに体内に熱がこもることが熱中症の引き金となります。そのため、衣服をうまく活用して体から出る熱と汗を上手に逃がしてやることが肝要です。吸汗・速乾に優れた素材や、ゆったりして通気性がよい衣類を着用して寝るようにしよう。

屋外や工場内のような場所では気を付けていても、自宅などでは意外と熱中症に関して意識していないと思います。
今年はどこにいても頭の片隅に「熱中症予防」の文字を置いていただき、元気に暑い季節を乗り切りましょう。

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