服部産業医事務所の活動

薬の「食べ合わせ」

おはようございます、保健師の山本です。 29日からGWに突入ですね。 今年は5月2日と6日に休みを取れば最大10連休と言われていますが、皆さんのご予定はどのような感じですか? さて、今回で薬シリーズ最後となります。 タイトルに「食べ合わせ」とあるように、飲んでいる薬によっては食べられない食品があるのはご存知ですか? これは、食べ物によっては薬の作用が通常よりも弱まったり強くなったりするためです。 そこで今回は、薬の「食べ合わせ」についてお話ししたいと思います。 1.ワーファリンと「食べ合わせ」がよくない食べ物 ワーファリンは、ビタミンKの作用を阻害することによって血を固まりにくくする薬で、心筋梗塞や静脈血栓症などの血栓塞栓症の予防のために飲んでいる方がいらっしゃいます。 反対に、ビタミンKは「抗出血性因子」とも呼ばれ、血液が固まる反応に関わっています。 つまり、ワーファリンとビタミンKは、相反する作用をもっているため、お互いの作用を弱くしてしまうのです ワーファリンの添付文書中に「作用を減弱する事がある食品」として記載されているのは、「アルコール、納豆、クロレラ含有食品、青汁、セント・ジョーンズ・ワート」です。 (但し、アルコールとセント・ジョーンズ・ワートは別の機序でワーファリンの作用を妨げます。) 従って、ワーファリン服用中は、上記の食品は避けるべきですが、他のビタミンK含有食品については、一度にたくさん食べないことをおすすめします。 サプリメントについては含有量が問題になって参りますので、お医者さんと相談してから飲むようにしましょう。 2.カルシウム拮抗薬と「食べ合わせ」がよくない食べ物 高血圧や狭心症の治療によく使われるカルシウム拮抗薬という薬剤の一部は、肝臓にある酵素で代謝されます。 一方で、グレープフルーツジュースに含まれる物質には、この代謝酵素を阻害する働きがあるため、同時に飲むと薬の代謝が阻害され、薬が長く体内にとどまり、必要以上に強い効果が出てしまう可能性があります。 なお、グレープフルーツジュースと薬の相互作用は、同時に飲んだ場合だけとは限りません。 個人差がありますが、グレープフルーツジュースによる影響は十数時間持続することが確認されています。 そのため、薬を飲む前にはグレープフルーツジュースを飲まないように気を付けましょう。 また、ジュースだけでなく、グレープフルーツの果実にも同じ物質が含まれていますから注意が必要です。 その他、グレープフルーツと同様の理由で一般に食べてはいけないとされているもの(場合よっては大量摂取を控えるもの)は、晩白柚、土佐ブンタン、平戸ブンタン、スウィーティー、サワーオレンジ(ダイダイ)、夏みかん、ポンカン、いよかん、絹皮、金柑、八朔 などです。 一方、柑橘類でもみかんやオレンジ、レモン、カボスには代謝を阻害する物質が含まれていないので、薬の服用前後に食べても大丈夫です。 グレープフルーツジュースによる薬の代謝阻害作用はカルシウム拮抗薬だけでなく、抗血小板薬や高脂血症治療薬などの一部でも報告されています。 今回は2種類のお薬について紹介をしましたが、このような薬を使用する際には必ず医師や薬剤師からの注意があります。 これらの指導をきちんと守って薬を服用しましょう。

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