一般的な健康診断の項目と所要時間、発見できる病気・症状
- 2016年05月17日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
長らくお付き合い頂きました健康診断の話題ですが、とうとう今週で一区切りとなります。
「会社から強制されているから」とつい当たり前になりがちな健康診断ですが、会社の規模や雇用形態によっては受けたくても受けられない労働者も少なくありません。
「自己負担なく健康診断が受けられる」って実はとても恵まれたことなんですよ!
そこで最終回の今日は健康診断の必要性についてお話します。
健康診断の診断項目と所要時間
健康診断の項目は、担当する医師によって多少異なりますが、会社などを介して受ける健康診断の場合は、以下に記した「労働安全衛生規則 第 44条」で定められている項目がベースになっている場合がほとんどです。
この中から、担当医師が不必要と判断した場合のみ、省略される項目もあります。
さらに、会社で受診する場合は、工場勤務や航空関係など、職種ごとに、体に影響が心配される項目の受診が義務化されている場合もあるため、職種や職場環境によっても、受診する項目が異なります。
「定期健康診断(労働安全衛生規則 第 44条)」
1年以内ごとに1回、定期的に次の項目の健康診断を行わなければなりません。
《検査項目》
1.既往歴・喫煙歴・服薬歴・業務歴の調査
2.自覚症状および他覚症状の有無の検査
3.身長、体重、視力、腹囲、および聴力の検査(1000Hz・30dB)(4000Hz・40dB)
4.胸部X線検査、および喀痰検査
5.血圧の測定
6.尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
7.貧血検査(赤血球数、血色素量)
8.肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)
9.血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)
10.血糖検査(空腹時血糖またはヘモグロビンA1c)
11.心電図検査
これらの項目を基本に、あとは担当医師によって省略・追加されることが一般的です。
健康診断の料金や時間は病院や診療所等により異なりますが、上記のような一般的な健康診断については約1時間で終了する場合が多く、「人間ドッグ」はさらに詳しく体を調べるため、項目が多いことがほとんどです。
病院によっては3時間ほどかかるところもあります。
項目をはじめ、料金や時間は医師の判断により異なるため、受診する病院へ問い合わせてみてください。
健康診断で発見できる病気や症状
健康診断で、発見される多くの病気は、がんや心臓病、高血圧、糖尿病などの生活習慣病です。
このほか、低血圧、慢性胃炎などの病気や、胃潰瘍、貧血、高脂血症、子宮筋腫、胆のうポリープなどが発見されることもあります。
これらは全て、数値が異常だった場合に詳しく検査を受けて発覚する場合が多いですが、再検査に至らない標準値だった場合でも、基準値から多い・少ないなどの細かな数値を確認して、自分の体の状態を知ることもできます。
医師からのアドバイスを毎日の生活に取り入れることで、重い病気の発症を防ぐこともできるかもしれません。
結果表の見方をしっかりと把握して知識を深め、自分がかかりやすい病気を知っておくことが大切です。
それではまた来週~!
【参考】
658名のドクターが所属するヘルスケア情報サイト ヘルスケア大学
http://www.skincare-univ.com/healthcare/