服部産業医事務所の活動

めまいのアレコレ

保健師の宮本です。

朝晩の冷え込みで、いよいよ秋の到来ですね。

個人的には、今くらいの気温が最も過ごしやすいと感じます。

 

さて、今日から数回に分けて「めまい」についてお話します。

貧血や過労を連想する「めまい」ですが、他にも様々な病気の症状として現れることがあります

「ただの寝不足だから、ちょっと寝たら大丈夫!」ではいかないこともあるんです。

そこで、知っておくと安心なめまいの知識をご紹介します。

 

 

めまいの原因

「めまい」とは、見ている物が回る、あるいは自分自身が回っているような感じのする発作のことを言います。

経験者は「急に天井が回った」「窓や天井が流れて見えた」などと語りますが、この「回転性のめまい」の発作を起こしている人には、ある特有の現象が起きています。

 

それは眼振(がんしん)と言って、「目の玉」が実際に左右に小刻みに揺れる現象です。

つまり、発作の時には実際に目が回っている訳です。

そしてこの眼振から、どこの部分に病気があるかが分かります。

このことから、この目の動きは大切な症状と言えます。

 

なお、このような回転性のめまいを起こしている時には、身体がふらついてまともに立てないことが多いです。

私は学生時代集会中に貧血でめまい・卒倒してしまうタイプでしたが、さすがにテスト中椅子から転げ落ちたのは衝撃でした。

いかにめまい発作中に体を支えるのが難しいのかが分かります。

 

 

平衡感覚の経路に障害が起こるとめまいが起こる

体のバランス(平衡感覚に関する情報)は、主に耳の奥の前庭(ぜんてい)と言う部分にある三半規管が検出し、そこから脳に伝わります。

しかし、脳が必要とする体のバランス判断材料は三半規管だけではありません。

脳はこの三半規管からの信号以外にも、例えば目からの視覚情報、手足、首などの筋肉や関節からの位置に関する情報などを併せて判断しています。

 

ところが、そのうちのどこかに不具合が起こり、運動や姿勢に関する情報のアンバランス(不一致)があると、脳は一瞬「自分の体の運動や姿勢の状態がどうなっているのか」分からなくなってしまいます。

この際に、いわゆる「めまい」を自覚することになります。

つまり、めまいとは自分の体の位置や運動を誤って感じた際に起こる症状なのです。

 

 

めまいのタイプ

めまいには大きく分けて2つのタイプあります。

 

回転性めまい:目の前や自分自身がぐるぐる回っているように感じる

浮動性めまい:フラフラして真っ直ぐ歩けない、雲の上を歩いているように感じる

 

またこの中にも、平衡感覚を司る三半規管や前庭の病気で起こる「耳が原因」のタイプと、体のバランスを制御する「脳が原因」のタイプの2つがあります。

そのため、病気が耳にあるのか、脳にあるのかを十分に検査して調べる必要があります。

 

一般には「耳からのめまい」は回転性であることが多く、「脳からのめまい」は浮動性であることが多いと言われます。

しかし脳の病気でも、それが急激に起こった場合、それに伴って起こるめまいは回転性であることもしばしばです。

 

すなわち「回転性のめまい」は前庭(耳)を含め、前庭から脳に到るまでの神経の経路のどこかに急激な異常が起った場合に起こると考えられます。

つまり「回転性のめまい」は、耳の病気のみならず脳の病気でも起こる可能性があるのです。

 

 

あらゆる「めまい」の中でも心配なめまいとは?

もちろん脳が原因で起こる「めまい」です

めまいと同時に「手足に力が入らない」「手足がしびれる」「ろれつが回らない」「頭痛がする」「意識を失う」などの症状がある時は、脳卒中からくるめまい、中でも脳梗塞を疑う必要があります。

 

次回以降はめまいを症状とする病気についてお話します。

お楽しみに~!

 

【参考・引用】

脳神経外科 山本クリニック http://www.yamamotoclinic.jp/

安全運転管理者講習のお知らせ

安全運転管理者講習にて特別講演をします。安全運転のための健康管理について分かりやすく話をします。詳細は下記のとおりです。今回は中間での開催です。奮って参加ください。

日時:平成28年10月18日(火)15時~16時半

会場:なかまハーモニーホール(中間市蓮花寺 3-7-1)

テーマ:過重労働による健康障害防止について

主催:一般財団法人福岡県交通安全協会

インフルエンザHAワクチン

こんにちは、保健師の倉です。

今日はインフルエンザHAワクチンについてのお話しです。
少し難しいお話しになりますが、ご興味のある方は、お付き合いください。
症状等については、次回お話しします。

2か月前のブログでも、ワクチンについて少し触れましたが、
病院でも、10月よりインフルエンザHAワクチンの接種が始まりました。

ワクチンに「HA」という文字がありますが、
「HA」は、ウイルスの表面に存在するタンパク質「ヘムアグルチニン」の略です。

インフルエンザHAワクチンは、
ウイルス株を有精卵内へ注射し、卵ごと培養、
卵の中のウイルス培養液を取り出し、遠心機で濃縮・精製。
エーテル剤などの脂溶性薬剤を一旦加えて、
HA(ヘムアグルチニン)を含む、免疫に関する成分を取り出し、
さらにホルマリンで不活化(体内で増殖しないように)した液体です。

ワクチン接種前の問診票に、卵アレルギーの項目があるのは、
ワクチンを作る過程で、卵が使用されるからですね。

2016/2017シーズンの
インフルエンザHAワクチン製造株は以下の通りでした。
A型株
 A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
 A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)
B型株
 B/プーケット/3073/2013(山形系統)
 B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)

インフルエンザウイルスは
まず、内部のタンパク質の形によって、A型・B型・C型に分けられます。

さらに、ウイルスの表面から、
先ほど出てきたHAやNAというタンパク質が突き出ていて、
A型はこのHAとNAの形によって、さらに細かく分けられます。
HAとNAは、それぞれ形によって、番号がふられており、
A型株のH1N1型は、HAの1番とNAの1番の組み合わせ、
H3N2型は、HAの3番とNAの2番の組み合わせ、という意味です。

「A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09」の
・Aはウイルスの型
・カリフォルニアは検体からウイルスを取り出した場所
・7はウイルス株の整理番号
・2009は検体からウイルスを取り出した年
・X-179Aは製造株
・H1N1はさらに詳しいウイルスの型 を表しています。

まとめると、
「2009年にカリフォルニアの工場で取り出した、
整理番号7番のインフルエンザA型株を元株として増殖した、
製造番号X-179A番の株から、
HA1番とNA1番の組み合わせのタンパク質で作られたワクチンです。」という意味になるそうです。
「pdm09」は2009年にパンデミック(世界的大流行)になったウイルスですよ、という補足です。

インフルエンザの社内広報等に小ネタとしていかがでしょうか?

ワクチンの説明が長くなりましたので、続きは、来週に・・。

秋の花粉症(予防編)

保健師の宮本です。

 

現在北九州市では、部屋の中にいても風の音がするくらいの強風吹き荒れています。

暴風や停電対策を忘れず、不必要な外出は避けるようにしてくださいね!

 

今週は、秋の花粉症『予防編』です。

 

 

秋の花粉症の原因となるのは、イネ科の植物や、ヨモギ、ブタクサといったキク科の雑草類

春の花粉症と同様、花粉が鼻や口の中などの粘膜につくとアレルギー反応が起きて、くしゃみや鼻づまりの原因となります。

 

unit02_img01

季節の変わり目と重なることもあり、秋の花粉症を鼻風邪と勘違いしている人も多いようですが、見分け方は鼻水の色やねばりけ。

風邪の鼻水は黄色くねばりけがありますが、花粉症の鼻水は透明でサラサラしていることがほとんどです

 

第一予防策は、「原因となる植物に近づかないこと」!

通勤・通学や散歩などで通る場所に原因物質があるのなら、ルートを変えましょう。

秋の花粉症を起こす植物の花粉はスギ花粉のように遠くへは飛ばないため、それだけでもかなりの効果があります。

 

 

日常生活(普段)

・室内では窓を閉め、花粉の侵入を防ぐ

・洗濯物や布団は部屋干しに

・規則正しい生活を心がける

・バランスの良い食事(洋食より和食の方が良いとか?)

外出時(屋外)

・マスク、サングラスを装備

帰宅後(屋内)

・家に入る前に衣服をよく払い、花粉を落とす

・うがい、手洗いをする

・部屋着に着替える

unit02_img02

薬物療法は飛散のピークが予測される前(9月下旬~10月上旬)に始めておいた方が良いそうですよ!

 

それではまた来週~!

 

 

【参考・図】

コンタック http://contac.jp/

もうインフルエンザ

先月北九州市内の中学校では早くもインフルエンザによる学級閉鎖が発生したとのこと。本当に早いですね。飛び火しなければ良いですが。

産業医に関するご契約・ご相談は、メールまたはお電話にてお気軽に新規契約をご検討の方下さい。服部産業医SOSコールTEL:093-742-2204 受付時間 9:00~18:00 ≫新規契約をご検討の方フォームはこちら メールは、日・祝日を除き、24時間以内にご返信致します。
お問い合わせフォーム
TEL:093-742-2204 受付時間:9:00~18:00
電話をかける