基準値緩和??
- 2014年06月03日
- 健康管理(宮本)
保健師 宮本です。
今年4月、日本人間ドック学会などが発表した「新基準値」をご存知ですか?
最近週刊誌やテレビで「基準値緩和」「高血圧なんて気にしなくて良い」などと騒がれているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
血圧を例に挙げると、高血圧は140/90㎜Hg以上から147/94㎜Hg以上に変更されました。
たしかに解釈の仕方によっては、今まで高血圧だと言われていた140~146/90~93㎜Hgの方も正常範囲内とみなされ、基準が緩和したように思えます。
で す が !! だからといって安心はできません。
新基準値は「健康な人の分布範囲」を示したもので、健康な人の中に147/94㎜Hg未満の人が多かったというだけ。
従来使用されてきた140/90㎜Hg以下を正常値とする考えは、多くの臨床試験で「もともと高血圧だった人の血圧を140/90㎜Hgに引き下げると脳や心臓疾患のリスクが減った」というところからきています。
また、基準値引き上げの背景には「欧米での基準値」との差を埋めるというものもあるようです。
(私の父もよく「日本は厳しすぎる!アメリカならこんな数値じゃ異常とは言われん!」と屁理屈を言います・・・)
ゾウの血圧は上が250㎜Hg前後、ネズミの血圧は60㎜Hg前後であるように、体の大きさによって身体活動に必要な血圧は異なります。
食や生活の欧米化が進み、昔と比べると日本人の体形も随分変わってきましたが、現段階では欧米人と日本人の体格が同等であるとはいえません。
あなたは本当に心臓に147/94㎜Hg分も働いてもらわないといけない身体ですか?