健診結果、見てますか?「白血球」
- 2015年03月10日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
先週の赤血球(RBC)から始まった血球シリーズ第2弾、今週は「白血球(WBC)」です。
白血球(WBC)は、ばい菌やウイルスから体を守る「免疫」の主役。
炎症や感染症など「体にとって良くないこと」が起きると増加します。
【白血球数の基準値(成人)】
基準値(男性) 3500~9200 (μl)
基準値(女性) 3500~9200 (μl)
※血液検査の基準値については、診察を行う病院等によって異なります。
また、施設によって機器や試薬などの違いから検査値が多少変動することがあります。
Q.1 白血球数(WBC)から何が分かるの?
白血球と一口に言っても
▶リンパ球・・・ウイルスの感染などによって増加
▶好酸球・・・アレルギーや寄生虫などの感染によって増加
▶隙塩基球・・・慢性骨髄性白血病などで増加
▶単球・・・感染症などの回復期に増加
というように様々な種類があります。
一般的に全白血球数におけるこれらの割合(内訳)は大体固定されているので、「どれが多いか/少ないか」で「今起こっている良くないこと」は何なのか考察できます。
例えば急性炎症(盲腸や手術など)の場合、白血球数は2万くらいにまで上昇することもありますし、白血球数が5万を超えるようなら白血病の疑いも出てきます。
Q.2 白血球数(WBC)異常は病気なの?
喫煙や風邪なども「体にとって良くないこと」の一種といえますので、極端な数字で無い限りは過剰に反応する必要はありません。
風邪など比較的軽い病気による白血球数の変動は、回復と共に正常値に戻ります。
健診結果に受診や再検査を勧めるような文言が書かれている場合は、このような要因を取り除いた状況での検査が望ましいです。
※ただし、中には重篤な病気による影響という場合もあります。
以下に示した病気はあくまでも一例です。
他の要因と連動して初めて病気として診断されるケースもありますので、ご注意ください。
~白血球数(WBC)の数値が基準値より高い場合~
▶扁桃腺の炎症
▶肺炎
▶虫垂炎
▶白血病
~白血球数(WBC)の数値が基準値より低い場合~
▶膠原病
▶再生不良性の貧血
▶ウイルス感染
▶HIV(エイズ)
▶悪性貧血
▶敗血症
Q3. 健診の日は風邪気味だったし、わざわざ再検査しなくても良いですよね?
Q2のように、白血球数(WBC)は風邪や喫煙など「わざわざ再検査しなくても良いんじゃないの?」と感じてしまうような要因にも影響されます。
もしかしたら、「要再検査」「要受診」という言葉に血相を変えて病院に行っても「お金の無駄だったな」と思うこともあるかもしれません。
実は献血(成分献血・400ml献血)でも白血球数の診断ができるんです。
安心のために確認だけしておきたい!病院が嫌い!検査費が勿体ない!という方はとりあえず献血で調べてみてはいかがでしょうか。
献血でも「病院に行った方が良いですよ」と言われたり書かれていた方は、今度こそ病院に行くことをお勧めします。
来週は少し寄り道をして、健診結果以外の話題を検討中です。
せっかくの健康診断、受けっぱなしにせずに結果を有効に使いましょう!