服部産業医事務所の活動

ノーベル医学生理学賞

おはようございます、保健師の山本です。 昨夜発表になった北里大特別栄誉教授の大村智氏のノーベル医学・生理学賞の受賞、おめでとうございます。 大村氏(および米のウィリアム・キャンベル博士)の受賞理由は、「寄生虫によって引き起こされる感染症の治療の開発」。 70年代から各地で土を採取して微生物を分離・培養していた大村氏は、静岡県のゴルフ場周辺の土壌にいた新種の菌から、寄生虫に効果のある抗生物質「エバーメクチン」を発見した功績が評価されたとのことです。 このエバーメクチンをもとに開発されたのが、「オンコセルカ症(河川盲目症)」や「リンパ系フィラリア症(象皮病)」などを引き起こす寄生虫の駆除薬として普及した「イベルメクチン」。 実はこれ、犬を飼っている人には大切な薬です。 実は毎年お世話になっている(であろう)犬のフィラリア予防薬に含まれている成分が、何をかくそうこのイベルメクチンです。 ※調べたところ9種の薬にイベルメクチンが含まれていました。 私たちの身近な薬が普段何気なく歩いている土の中にいる微生物から生まれたと思うと、微生物の世界も奥が深いなと思います。 ちなみに、1グラムの土のなかには、約1億の微生物が存在するといわれており、その種類にも細菌(バクテリア)やカビなどさまざまなものがあります。 ちなみに、大村氏が発見した「エバーメクチン」を生産していたのは放線菌といわれる微生物です。 こうした土の中の微生物のおもな働きは、さまざまな生物の死骸や枯葉などを分解し、二酸化炭素などのガスや水、植物の成長に必要な養分に変えることであり、自然界はこうした微生物なしでは成り立ちません。 そして微生物の働きを利用して、化学肥料のかわりに、環境を汚さない有機物を利用する農法や、化学物質で汚染された土壌を再生する研究も進められています。 他にも、最近では腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを改善する微生物が「プロバイオティクス」として注目を集めています。 心身の健康のためには、体の中や土の中で活躍してくれている微生物にも時には感謝しないといけないなと昨夜はニュースを見ながら思った私でした。

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