有機溶剤に防じんマスクは無効です
- 2016年06月30日
- 安全衛生
防じんマスクを着用して有機溶剤作業を行っていて、一時的に意識を失ったという事例。当然のことですが、有機溶剤に対しては吸収缶付き防毒マスクが有効であり、防じんマスクは用をなしません。しかしながら現場の巡視を行うと、作業者が誤って防毒マスクでなく防じんマスクを着用して作業を行っていることがよくあります。どんなマスクでも着けていれば問題ないと思い込んでいるのでしょうが、労働衛生教育の重要性を痛感いたします。
防じんマスクを着用して有機溶剤作業を行っていて、一時的に意識を失ったという事例。当然のことですが、有機溶剤に対しては吸収缶付き防毒マスクが有効であり、防じんマスクは用をなしません。しかしながら現場の巡視を行うと、作業者が誤って防毒マスクでなく防じんマスクを着用して作業を行っていることがよくあります。どんなマスクでも着けていれば問題ないと思い込んでいるのでしょうが、労働衛生教育の重要性を痛感いたします。
食中毒の季節になりましたが、ペットボトル飲料にも充分に注意する必要がありそうです。ある実験の結果によりますと、最も細菌数が増殖したのはカフェオーレで、飲んだ直後の細菌数が1mlあたり1000個であったのが、24時間後には2000万個に増殖していたそうです。2番目に細菌の増殖が多かったのはスポーツドリンクだったようですが、これらの飲料には糖分が入っているため、細菌が増殖しやすいようです。一方、ミネラルウォーターや緑茶は糖分が入っていないため細菌の増殖率も低く、特に緑茶には細菌の増殖を抑えるカテキンが入っていますので、ミネラルウォーターよりもさらに細菌が増殖しにくいようです。いずれにせよペットボトル飲料については、開栓後1度口をつけた後は出来るだけ速やかに飲んでしまう必要があるようですね。
今月は過重労働面談の依頼がいつもの月より少ない状況です。5月はゴールデンウィークの休みがありましたので、その期間休む分、時間外労働が長時間に及ぶ方が少なかったと思われます。毎月このようであれば良いのですが。
保健師の宮本です。
今日はダイエットの話題です!
「 食欲の暴走を抑える3つのコツ 」をテーマとした興味深い記事がありましたので、ご紹介します。
■止まらない食欲…過剰な食欲は、実はホルモンの影響かも
ダイエットや体重管理のために極端に食事を制限する方法は、栄養バランスが悪くなったり、リバウンドの原因になることもあるので注意が必要。
そもそも我慢や無理のあるダイエットはなかなか長続きしません。
例えば、ストレスが溜まると甘いものや美味しい焼肉を食べたくなったり、女性なら生理前に食欲が盛んになったりするものです。
私たちの食欲や行動は、脳から分泌されるホルモンに少なからず影響を受けています。
それならば、「食欲を抑える」ように働くホルモンのメカニズムを知り、食欲が暴走しない方法を知らない手はありません。
なるべく小さな負担で、上手に食事量をコントロールするコツをつかみましょう。
■食欲の要はレプチンとグレリン
食欲をコントロールするホルモンは主に2つあります。
現在、食欲と体重調節などにおいての研究は、主にレプチンとグレリンが中心となり、この2つのホルモンが大きく関わっていると考えられています。
脂肪細胞から分泌されるレプチンは、視床下部にある満腹中枢を刺激することで、満腹感を感じ、食欲を抑えるように働きます。
また、褐色脂肪組織でのエネルギー代謝を亢進することにより、体重増加を抑制すると考えられています。
一方、グレリンは胃から分泌され、脳の視床下部にある食欲中枢が刺激されて食欲が増します。
レプチンやグレリンだけでなくインスリンやエストロゲンなどのホルモン、また神経伝達物質のセロトニンやヒスタミン、ドーパミン、他にもペプチドなども食欲に関わっていたり、お高いに影響しあっていることが明らかになりつつあります。
近年の研究で、脂肪細胞から分泌されるとはいえレプチンは、体脂肪が多いと、分泌されてもその受容体が鈍くなって食欲を抑えにくくなることや、特にヒスタミンはレプチンにより調節されていることがわかってきました。
しかしまだまだ明らかではない面もあり、これらの研究には、肥満からの生活習慣病を予防するためにも期待が寄せられています。
それでは以上のことを押さえた上で、3つのコツをご紹介します。
■食欲を抑える方法1:出汁の旨みを活用する
かつおだしに含まれるイノシン酸などの旨み成分には満足感を高める作用があり、また出汁とともに食事をすると食べ物は長く胃にとどまり、満腹感や腹持ちが良いという研究報告があります。
出汁の原料となるカツオやマグロ、サバなどにはアミノ酸の一種ヒスチジンが含まれます。
こうした魚や出汁などを摂取し体内のヒスチジン量が増えると、脳内で酵素によりヒスタミンに変わり、食欲を抑えるのではないかと考えられています。
また、ヒスタミンは食欲を抑えるだけでなく、交感神経を刺激して代謝が高まり、脂肪分解作用、エネルギー消費作用があるそうです。
これは出汁だけでなく、ヒスチジン含有量が多いタンパク質を摂取するほどエネルギー摂取量は少ない傾向が見られるという食事調査(日本や海外において)でも報告されています。
なお、ヒスタミンが有効だからといってヒスタミンを投与しても、ダメ。
ヒスタミンそのものではなくヒスチジンを摂取することが有用だそうです。
■食欲を抑える方法2:飲むように食べず、よく噛む
もう一つヒスタミンを活用するためには、噛むことも有効とされています。
噛む刺激で脳内に神経ヒスタミンが活性化します。
また脂肪細胞からレプチンが分泌され、ヒスタミンの作用を活性化すると考えられています。
しかしレプチンが分泌され満腹中枢を刺激するまでに20分ほど時間がかかるので、できるだけゆっくり食べてよく噛むことがポイント。
たくさん食べすぎてしまうと、意味がありません。
よく噛むためには、食物繊維の多い野菜や、海藻、マメ類、きのこなど、また弾力のあるコンニャクなども、お献立にとりいれると良いでしょう。
また、わざと少し大きめに食材を切ったり、やや固めに調理するなどして「よく噛むような工夫を」してみましょう。
そう思ってもなかなかよく噛むのは難しいという方は、カレーやチャーハンなどスプーンやレンゲなどで食べる料理や、麺類などの飲み込む料理にも注意してください。
1回に口に入れる量がお箸で食べるよりも多くなりがちです。
同じ料理を食べるにしても「お箸で少しずつ口に入れて、飲み込んでからまた食べる」を意識してみてはいかがでしょうか。
食欲を抑える方法3. 腹持ちの良いものを食べる
例えばおにぎりやおかゆ、トーストだけといった食事は「糖質が主体」。
そして消化が良いものはすぐにお腹が空いてしまいます。
逆に、水溶性食物繊維を含むものは、水分を吸って膨らみ、満腹感を得やすくなります。
しかも、血糖値の上昇を穏やかにするという効果も。
この水溶性食物繊維は、未精製の穀類やきのこ、ゴボウ、豆類、海藻類などに多く含まれます。
ご飯などの主食に雑国を混ぜたりするのも、量的にとりやすいでしょう。
また、ダイエット中ですとカロリーを控えるために植物性の食品ばかり食べる人もいますが、これも間違い!
肉や魚などからタンパク質や脂質も適度に食べることは栄養バランスを図るためには必要であり、消化に時間がかかるので満腹感が持続しますよ。
しかしこうしてみると、ダイエットには「我慢」ではなく「バランス」と「規則正しい生活」が大切であることが分かります。
これは食欲のコントロールや体重管理だけでなく、美肌や健康にも役立ちますね!
それではまた来週~!
【参考】
All About http://allabout.co.jp/
夏場の熱中症対策として、コーヒーやお茶などカフェイン入りの飲料は利尿作用があり望ましくないですが、それにもかかわらず現場に置かれている自販機のラインナップを拝見しますと、暑くなってきたにも関わらずコーヒー飲料がずらっと並んでいるのをよく見かけます。おそらくそうした現場は業種に関わらず交替勤務や深夜業があり、眠気覚ましにコーヒーを飲む方が多いので、そうしたラインナップにしているのではないかと思います。しかし夏場は現場の方々への教育啓蒙の意味からも、自販機のラインナップはコーヒー、お茶系からスポーツドリンク、水主体に替えていただきたいと思います。
うつ病が仕事上のストレスなど何かの誘因により発症することは多いですが、再発を繰り返しているケースを観察していますと、会社が充分にストレスを軽減すべく配慮しているにもかかわらず、またプライベート上のストレスも特にないにもかかわらず症状が再発するケースが多い気がしますし、特に再発の回数が多いほど、その傾向が顕著になるようです。当然こうしたケースについては産業医としても対応に苦慮しますし、予後も良くないといわざるを得ません。
保健師の宮本です。
ワイドショーや新聞では北斗晶さんに引き続き、小林麻央さんの乳がんの話題で持ち切りですね。
30代も前半とお若いため、進行が早いのでしょうか・・・
お子さんもまだ小さいですし、治療が上手くいくことを願っています。
(有名人相手にここまでハラハラするのは初めてかもしれません 笑)
さて、今日は「乳がんのセルフチェック」について。
乳がんは自分で発見できる数少ないがんです。
年に1度の検診の補助として、月1回のセルフチェックを習慣づけましょう。
なお、「乳がんそのもの」と「乳がん検診」については2015年10月6日・13日の2週に亘って触れています。
この機会に覗いてみて下さいね!
月に1回の自己チェック
自己診断を続けることで、普段とは違う乳房の変化に気づくことができます。
月経前~中は乳房が張り、痛みを感じることがありますので、乳がん検診・セルフチェック共に月経後4~5日がお勧め。
閉経後の人は、毎月、日を決めて行ってください。
それでは、実際のやり方についてご紹介します。
① 両腕の力を抜いた状態で
②両腕を上げた状態で
・左右の乳房の形や大きさに変化がないか。
・乳首のどこかに皮膚のへこみやひきつれはないか。
・乳首がへこんだり、ただれができていないか。
(しこりがあるとへこみができたり、ひきつれができたりすることがあります。)
2.仰向け:しこりチェック(その1)
①仰向けに寝て、あまり高くない枕、あるいはタオルを折り、背中の下に入れる
②右手を上に上げ、頭の下に入れる
③左手の指を揃えて伸ばし、右乳房の内側を調べる
左手を右乳房の内側(乳首よりも内側) に乗せ、胸の中央部に向かってしこりの有無を調べます。
3. 仰向け:しこりチェック(その2)
①仰向けのまま、右手を降ろす
②左手の指を揃えて伸ばし、右乳房の外側を調べる
左手を右乳房の外側(乳首よりも外側)に乗せ、外から内に指を滑らせて調べます。
4. 左乳房も同様の方法で調べます。
5. 立ち上がって:ワキの下のリンパ節をチェック
左手の指を揃えて伸ばし、右ワキの下に入れてしこりがあるかどうか指先で確かめます。
6. 左のワキの下についても同様の方法で調べます。
7. 立ち上がって:乳首をチェック
左右の乳首を軽くつまみ、血液の混じった分泌物が出ないかどうかを確かめます。
(監修:東北大学教授 大内憲明 先生)
男性だからといって他人事ではありません。
奥さんや彼女、娘さんなど身近な女性にセルフチェックや検診を勧めてみましょう。
そして何より、男性でも乳がんの発症例もあるんです!
普段から自分の体に関心を持ち、「いつもと違う」という目を大切にしてくださいね。
それではまた来週~!
【参考・引用】
乳がん nyugan.jp
https://www.nyugan.jp/aware/index.html
乳がんから女性を守るために ピンクリボンライフ
http://www.pink-ribon.jp/check.html
平成27年度は労働災害による死亡数がついに1000人をきったようです。つい10年前は2000人台でしたので、半分以下になったということです。もちろんこれからも死亡災害を減少させていく必要はありますが、行政がメンタルヘルスや健康管理に力を入れているのは必然の動きといえるでしょうね。
次第に気温が上がり、蒸し暑い日が増えてきましたが、今年はすでに私が担当している3つの事業所で業務中にムカデにさされるという労働災害が発生しました。そのすべての事例が作業で使うゴム手袋の中にいつの間にかムカデが入り込み、それを知らずに手袋をはめた途端、指に激痛が走るというものでした。考えるだけで恐ろしい災害ですが、以前より結構な数発生しているところを見ると、単に運が悪かったというだけでは済まされないような気がします。予防策としては、手袋をはめる前に中を覗いてムカデがいないことを確かめるということになるのでしょうが、その前に手袋の中にムカデがいるかもしれないという意識を持つことが必要なのでしょうね。ちなみにそのうちの1つの事例ですが、ムカデの長さが15センチもあったそうです。
保健師の宮本です。
今月から事務員として来てくださっている佐知子さんですが、本日はお子さんの体調不良によりお休みです。
その体調不良の原因だと診断されたのが、子どもにはつきもののアデノウイルス!
そこで今週はアデノウイルスの話題です。
子ども特有の病気と言えば何を思い浮かべますか?
水ぼうそう?プール熱?りんご病?流行り目?
水ぼうそうなんかは「大人になってからかかると重篤化しやすいから、幼稚園で他の子から貰っておいた方が良い!」なんて言いますよね。
上に挙げた「プール熱」と「流行り目」ですが、この2つ実はどちらも原因は「アデノウイルス」というウイルスの感染によるものです。
幼い子供の多いプールだと、どうしてもプールの中で催してしまう子がいます(苦笑)
これが感染源となり、塩素消毒が甘かったり、免疫力が落ちているときに感染してしまうようです。
一般に「子どもの病気」として捉えられているのは、
・子どもの遊び場が主な感染ルートになっていること
・子どもは大人に比べて免疫力が弱いこと
の2つが原因のようですね。
とは言っても同じ家で暮らし同じお風呂やトイレを使い、同じタオルを使いまわしなんかしていると親兄弟も感染してしまう・・・というのも有名な話。
加えてこのアデノウイルス、空気感染もできてしまうものですから油断大敵です><
さて、同じ「アデノウイルス」感染症の仲間である「プール熱」と「流行り目」。
どのような違いがあるのでしょうか?
プール熱
正式名称
咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)
感染源
主にアデノウイルス3・4型(不衛生なプールなどで感染することが多い)
潜伏期間
約3日~4日
出席停止期間
発熱や眼球結膜の充血、喉の痛みなどの主要症状が無くなってから2日間
症状
・発熱
37度~38度前後の微熱が4日~5日継続。急激に40度前後まで上がってしまうことも!
(熱が上がったり下がったりを繰り返すのが特徴)
・目がショボショボしたり、異常にまぶしく感じる(眼の炎症)
・喉のイガイガ、痛み(扁桃腺の炎症)
・風邪やインフルエンザ同様、頭痛や腹痛が現れることもあります。
流行り目
正式名称
流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)
感染源
主にアデノウイルス8型
潜伏期間
5日~2週間
出席停止期間
医師が出席を認めるまで
症状
・サラサラした目ヤニ
・目がまぶしくて見えにくい
・まぶたが腫れあがって充血する
・目以外に耳前リンパ節が腫れることも
プール熱との違い
・高熱になることはない
・喉は痛くない
アデノウイルスは結膜炎、鼻咽頭炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎、膀胱炎と何でも起こすのでとても厄介。
しかも抗生物質が効かないのでしっかりと水分とって自然治癒を待つのみ!
辛いですが、対処療法を施しながら症状が落ち着くまでは耐えるしかないのです・・・><
今回のように、普段の出来事に合わせたお話もできたら良いですね。
それではまた来週~!
【参考】
All About健康・医療 http://allabout.co.jp/gm/gc/302554/
小児科Dr.TERUのブツブツ診察室 http://teltel.jugem.jp/?eid=194