有機溶剤健診の尿中代謝物検査
- 2013年09月30日
- 活動報告
有機溶剤特殊健診において、特定の有機溶剤については尿中代謝物の検査が義務づけられています。例えばトルエンについては尿中馬尿酸を測定する必要があります。しかしながらその採尿時期が適切でないばかりに、意味のないことをやってしまっていることが結構見受けられます。すなわち有機溶剤健診での採尿は有機溶剤に関する作業を行った後なるべく早い時間に行う必要があります。尿中代謝物の測定は作業者が該当の有機溶剤にどれくらい曝露されていたかをモニタリングするのが目的ですので、全く作業を行わずに採尿をしても意味がないことになります。さらに有機溶剤は人体に吸入されてから体外にその半分量が排泄されるまでの時間、すなわち半減期が数時間と短いですので、作業後速やかに採尿する必要があります。一般健診の採尿は朝一で行うことが多いですが、それと同時に有機溶剤健診の採尿を行っては意味がありません。せっかくお金と時間、労力をかけて検査をするのですから、意味のある検査になるよう心がけたいものです。