保健師の宮本です。
早いもので12月も半ばになりました。
そろそろ年末の大掃除を見越して、気が付いたところから少しずつ綺麗にしていきたいところですね。
私個人としては大量のCD・DVD類をどうにかコンパクトにできないものかと思案しています・・
さて、今日は「椎間板ヘルニア」最終回。
予防方法に焦点を当てていきます。
前々回(冬の大敵!椎間板ヘルニア②)椎間板ヘルニアの原因をいくつか挙げましたが、やはり慢性的な「姿勢の悪さ」が原因で発症する人が多い現状にあるようです。
「日常生活において正しい姿勢をとり、いかに腰に負担をかけないようにするか」
椎間板ヘルニアを含む多くの腰痛の治療や予防対策、再発防止の第一歩は「正しい姿勢」にあります。
姿勢が悪いと、いくら治療してもまたすぐに腰が痛くなる・・という負のループに陥ることにもなりますよね。
しかも!正しい姿勢が出来ている人は、スラッとして見える!若く見える!
是非この機会に正しい姿勢を身に付けていただき、椎間板ヘルニアの予防・対策に役立てほしいと思います。
≪「正しい姿勢」のポイント≫
① 意識しすぎて「極端な形にならない」こと
② 基本は「頭のてっぺんから糸で吊られている感覚」
③ 「同じ姿勢を長時間とらない」こと
●立位
頭の真上から、体が糸で吊られている感覚で軽く顎を引き、背筋、膝をまっすぐ伸ばします。
真横から見た場合、耳から肩・股関節・膝・くるぶしを結んだ線が直線で描かれていることが理想です。
▷ 壁を利用したチェック方法
背中を壁に当てたときに後頭部・背中・お尻・かかとが壁についていればOK
●椅子に座る時
お尻が背もたれに密着するよう深く腰掛け、軽く顎を引き背筋を伸ばします。
膝がお尻よりもほんの少し高く、足の裏がぴったりつくのが理想です。
※椅子が高すぎる場合・・足を台にのせるか、膝を組んで膝の位置を調節します。
●座敷・床に座る時
正座で座りましょう。あぐらや足を投げ出して座ることは腰に負担をかけます。
正座が出来ないときは柱に寄りかかるなどして、腰にかかる力を柱に逃がしましょう。
●お風呂の椅子に座る時
小さく低い椅子が多いですが、これは腰に良くありません。
シャンプー時などで前かがみになる場合は、片膝をつきもう一方の膝を立てるようにしましょう。
●車の運転をする時
基本的には、椅子の時と同じです。
膝が股関節(足の付け根)より少し高くなるように車の座席を前に進め、ハンドルと体が離れすぎないように調節します。
座席に着くときは横向きでお尻から入り、それから足を入れ前向きにします。
降りる時は横向きで足から外に出し、立ち上がります。
●重いものを持つ時
一度しゃがみこみ、腰を曲げず体全体で持ち上げるようにします。
荷物を出来るだけ体に引き付けて持ち上げ足の力で立ち上がると◎。
荷物を運ぶときは荷物を体に密着させて運ぶようにしましょう。
●寝る時
十分リラックスできる姿勢が基本ですが、うつぶせの状態で寝る事は避けましょう。
痛みがある時の寝方は横向きでやや前かがみ(横向きエビ型)の姿勢で寝るのが最善と言われています。
仰向けの場合、膝の下に枕などを置いて寝ると良いでしょう。
また、柔らかすぎる布団やベッドは背中とお尻が落ち込み、寝返りもうまく出来ません。
背中・お尻が落ち込みすぎない適度な硬さを持ったものが理想です。
もしかして・・?と思われた方は、試しに畳の上に敷布団だけ敷いて寝てみてください。
ベッドの方は、マットレスの下に硬い板を敷くのも良いでしょう。
●料理・洗い物をする時
なるべく調理台に近づき、まっすぐに立ちます。
足元に15㎝~20㎝の台をおいて、片足ずつ交互にのせて行うと楽です。
●お掃除をする時
掃除機の柄を出来るだけ長く伸ばし、前かがみの姿勢にならないよう注意します。
掃除機は細かく前後に動かし、大きな動作は避けましょう。
片方の足を前に出して、体重を支えると◎。
正しい姿勢について簡単に説明してみましたが、椎間板ヘルニアのリハビリや予防・再発防止にはウォーキングもお勧めです。
ウォーキングは他の激しい運動に比べ腰への負担が少なく、腹筋・背筋の強化・足腰の筋肉を鍛えるのに効果的な運動です。
お金がかからないばかりか、自分の都合にあわせマイペースで出来る点も魅力の1つですよね。
毎日30分からで良いので、長く続けることが大切です。
日常生活においても
▶電車の乗り継ぎに一駅分歩いてみる
▶エスカレーターなどを使わずになるべく階段を使う・・・など
普段の生活に「歩くこと」を意識的に取り入れると良いですね。
なお、痛みが激しい時、急性期には無理したらダメです!
持病・現在療養中の方は、医師の指示にしたがって行って下さい。
最後の最後に長くなってしまいましたが、椎間板ヘルニアの予防・再発防止は日々の積み重ねが大切です。
日頃から「正しい姿勢」「発症しにくい体づくり」を心がけてください!