薄着の季節の前にダイエット講座~食物繊維はダイエットの味方編~
- 2015年03月31日
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こんにちは、保健師の山本です。
いよいよ桜も見ごろを迎えましたね。
夜桜見物と洒落込んで飲み会という方も多いのではないでしょうか?
あまり深酒しないように気を付けて下さいね。
さて今回のダイエット講座は、私たちと面談した方の多くが言われているであろう、「野菜(食物繊維)をしっかり取ってくださいね」の裏付けとなるデータの紹介をしたいと思います。
1.食物繊維を1日30g摂るだけでダイエット⁉
食物繊維を1日30g以上とるだけで、メタボリックシンドロームの人の体重を効果的に減らせることが明らかになりました。この研究は米国内科学会誌に発表されたものです。
米国心臓病学会(AHA)は、肥満やメタボを予防・改善するための食事ガイドイランを公表しており、「野菜と果物をとる」、「全量穀物をとる」、「低脂肪の食品をとる」、「糖分と塩分の多い食品を控える」、「魚介類を週2回以上とる」などの食事スタイルを勧めています。
しかし、AHAの食事ガイドイランは制約が多く、実行するのが難しいという人も多いの現実。そこで、米マサチューセッツ大学医学大学院の研究チームは、「食物繊維の摂取量」のみに焦点をあて食事をコントロールすると、体重をどれだけ減らせるかを調査しました。
研究に参加したのは、メタボリックシンドロームの米国人男女240人。研究チームは、参加者を(1)1日30g以上の食物繊維をとるだけのグループと、(2)AHAの食事ガイドイランの全てを実行するグループとに分けて、1年間追跡調査しました。
その結果、(1)食物繊維のみのグループでは、体重が平均して2.1kg減っていました。(2)のグループは平均2.7kgだったためこれには及ばなかったものの、食物繊維をとることで減量の効果があることが示されました。
参加者のほぼ全員は食物繊維をとることで、血圧値が下がり、血糖を下げるインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が改善し、空腹時血糖値も下がっていましたので、糖尿病を予防・改善することも期待できます。
2.食物繊維の実力
食物繊維とは、食べ物の中に含まれ、消化酵素で消化することのできない物質で、便通を整えて便秘を防ぐうえで欠かせないもの。また、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあるため、これらを摂り過ぎることによって引き起こされる2型糖尿病、高血圧、肥満、脂質異常症などの予防・改善の効果を期待できます。
しかし、現代人は食事で食物繊維を十分にとっていないのが現状です。米国の成人の1日の食物繊維の摂取量の平均は16g、日本人の食物繊維の摂取量は米国をさらに下回る男性は14.6g、女性は13.8gとなっています。
食物繊維の仲間は大きく分けて3種類。
○小腸で吸収されず大腸で働く食物繊維
①水溶性食物繊維
果物などに含まれるペクチン、昆布やワカメなど海藻類に豊富なアルギ ン酸、大麦に含まれるβグルカンなど。善玉菌を増やし腸内環境を改善しま す。小腸内の糖質の消化・吸収をゆるやかにし、急激な血糖値の上昇を抑 える働きや、血中コレステロール値を正常化し、動脈硬化を予防する効果 もあります。
②不溶性食物繊維
植物の細胞壁の構成成分であるセルロース、ヘミセルロースなどで、穀 類、野菜、いも、豆、果物、きのこなどに豊富に含まれます。腸で水を 吸って膨らみ、便の量を増やし、大腸を通過する時間が短縮され、便秘を 予防します。大腸がんの予防効果も期待できます。
○食物繊維と同じ働きをする成分
①難消化性でんぷん
玄米、雑穀米、全粒穀類などに含まれ、食物繊維と同様の働きをしま す。胃や小腸では消化されずに大腸にまで届き、大腸に住む善玉菌のエサ となり、便のかさ増しなど腸内の健康を促進します。
目安としては成人では1日に野菜を300g以上、果物を200g前後、いも類を100g程度、これらに加えて穀物や海藻、豆類もバランスよく摂取します。
野菜については、生の状態で両手一杯に乗る量が100gといわれており、1日3食として毎食両手に一杯分の野菜をとれば、300gとれることになります。
注意したいのは、野菜をとるというと、野菜サラダなどのように野菜を生で食べることをイメージしがちなことです。毎日毎食これだけの野菜を生でとるのはなかなか難しいものです。生だけでなく、煮る、ゆでるなど加熱するとでボリュームが減って食べやすくなります。
普段の食生活に上手に取り入れていきましょう。