服部産業医事務所の活動

今シーズンのインフルエンザの発生状況

産業医を担当しているある会社でのインフルエンザの発生状況を拝見したのですが、今シーズンは昨シーズンに比べ明らかに流行が遅く始まり、発生が後ろにずれ込んでいたことが分かります。昨シーズンは12月下旬より急増、1月にピークを迎え、2月に入ると終息に向かったのに対し、今年は2月に急増、ピークを迎え、3月下旬からようやく終息に向かったという状況です。したがって今シーズンは4月に入ってもまだインフルエンザが発生したようであり、GW明けまでは気を付ける必要がありそうです。ちなみに発生総数は昨シーズンとほとんど変わらない結果になりそうです。

薬の「食べ合わせ」

おはようございます、保健師の山本です。 29日からGWに突入ですね。 今年は5月2日と6日に休みを取れば最大10連休と言われていますが、皆さんのご予定はどのような感じですか? さて、今回で薬シリーズ最後となります。 タイトルに「食べ合わせ」とあるように、飲んでいる薬によっては食べられない食品があるのはご存知ですか? これは、食べ物によっては薬の作用が通常よりも弱まったり強くなったりするためです。 そこで今回は、薬の「食べ合わせ」についてお話ししたいと思います。 1.ワーファリンと「食べ合わせ」がよくない食べ物 ワーファリンは、ビタミンKの作用を阻害することによって血を固まりにくくする薬で、心筋梗塞や静脈血栓症などの血栓塞栓症の予防のために飲んでいる方がいらっしゃいます。 反対に、ビタミンKは「抗出血性因子」とも呼ばれ、血液が固まる反応に関わっています。 つまり、ワーファリンとビタミンKは、相反する作用をもっているため、お互いの作用を弱くしてしまうのです ワーファリンの添付文書中に「作用を減弱する事がある食品」として記載されているのは、「アルコール、納豆、クロレラ含有食品、青汁、セント・ジョーンズ・ワート」です。 (但し、アルコールとセント・ジョーンズ・ワートは別の機序でワーファリンの作用を妨げます。) 従って、ワーファリン服用中は、上記の食品は避けるべきですが、他のビタミンK含有食品については、一度にたくさん食べないことをおすすめします。 サプリメントについては含有量が問題になって参りますので、お医者さんと相談してから飲むようにしましょう。 2.カルシウム拮抗薬と「食べ合わせ」がよくない食べ物 高血圧や狭心症の治療によく使われるカルシウム拮抗薬という薬剤の一部は、肝臓にある酵素で代謝されます。 一方で、グレープフルーツジュースに含まれる物質には、この代謝酵素を阻害する働きがあるため、同時に飲むと薬の代謝が阻害され、薬が長く体内にとどまり、必要以上に強い効果が出てしまう可能性があります。 なお、グレープフルーツジュースと薬の相互作用は、同時に飲んだ場合だけとは限りません。 個人差がありますが、グレープフルーツジュースによる影響は十数時間持続することが確認されています。 そのため、薬を飲む前にはグレープフルーツジュースを飲まないように気を付けましょう。 また、ジュースだけでなく、グレープフルーツの果実にも同じ物質が含まれていますから注意が必要です。 その他、グレープフルーツと同様の理由で一般に食べてはいけないとされているもの(場合よっては大量摂取を控えるもの)は、晩白柚、土佐ブンタン、平戸ブンタン、スウィーティー、サワーオレンジ(ダイダイ)、夏みかん、ポンカン、いよかん、絹皮、金柑、八朔 などです。 一方、柑橘類でもみかんやオレンジ、レモン、カボスには代謝を阻害する物質が含まれていないので、薬の服用前後に食べても大丈夫です。 グレープフルーツジュースによる薬の代謝阻害作用はカルシウム拮抗薬だけでなく、抗血小板薬や高脂血症治療薬などの一部でも報告されています。 今回は2種類のお薬について紹介をしましたが、このような薬を使用する際には必ず医師や薬剤師からの注意があります。 これらの指導をきちんと守って薬を服用しましょう。

生理になったら健康診断は避けるべき?

保健師の宮本です。

5月も間近に迫り、やっと春らしい天気になってきましたね!

年度初めから勤め出された方や転職・転勤となった方などは特に、ゴールデンウィークを心待ちにしていらっしゃるのではないでしょうか?

ゴールデンウィーク明けは5月病をはじめ、メンタル不良に陥りやすい時期です。

くれぐれもハメを外し過ぎない程度に息抜きをしてください~!

 

さて、今週も健康診断の話題から1つ。

「健康診断の直前に生理になってしまった」

こればかりは、防ぎようがありません。

では、生理中も健康診断を受けることができるのでしょうか?

今週は健診時の生理の申告の大切さや尿検査への影響について見ていきます。

 

生理中でも、一部の検査を除いて受診可能

 生理中であっても、健康診断そのものは受けることができます

しかし、生理の経血が邪魔をして一部検査ができないものもあるので、検査前に「生理中であること」をしっかりと伝える必要があります。

 

検査することができない一般的な検査としては、尿検査です。

生理中に採尿をすると、尿に血液が混じり、尿潜血と尿蛋白の結果が陽性(+)に反応してしまう可能性があります。

尿潜血が陽性の場合は、慢性腎炎、尿路結石、尿路系腫瘍、尿路系感染症などの病気が、尿蛋白が陽性の場合は、慢性腎炎、ネフローゼ症候群などの病気が疑われます。

 

尿中に血液が混じってしまった場合、何らかの病気で混じったのか、経血によるものなのかは、検査結果で判断することが難しいため、生理中は基本的に尿検査を受けることができません。

 

尿検査のみ延期をしたり、健康診断のスケジュールを変更するなどして、生理中を避けて尿検査を受けましょう。

 

 また、便潜血にも影響が出ます。

自覚がなくても生理近く、生理終了後には血液が混入することがあるので、できる限り生理と生理の間くらいに健診日時を設定するといいでしょう。

 

事前の問診で生理中だと申告すること

 尿検査だけでなく、生理中だと便検査や婦人科検査、一部の血液検査など、受けらない検査がある場合あります。

これに関しては受診する医師に伝え、その判断に従いましょう。

 

 また、経血によって血液量が足りない生理中、そして生理直後もデータ上、貧血になる場合があります

経血量は個人差がありますが、自覚症状を伴う場合(明らかに経血量が多い、生理中から生理後に倦怠感、頭痛、立ちくらみ、むくみなど伴う)場合には婦人科受診をおすすめします。

 

 なお直前の問診で「生理中です」と伝えると、それらの変動が考えられる数値を「生理中の数値」として扱ってもらえる場合もあります。

そして中には後日の再検査や、尿検査のみの再提出などを受け入れる病院もあります。

経血の量にもよりますが、生理が始まってから10日後、目で経血を確認できなくなってから3日程経ってからであれば、尿検査をしても問題ないでしょう。

生理の終わりがけに受けてしまうと、目に見えなくても微量の血液が混ざることがあるので、注意が必要です。

 

再検査などがある場合は、時期や方法を、担当の医師や看護師に確認してみてください。

 

【参考】

658名のドクターが所属するヘルスケア情報サイト ヘルスケア大学

http://www.skincare-univ.com/healthcare/

ゴールデンウィークの休業のお知らせ

弊社今年のGWですが、5月2日と6日もお休みとしまして、4月29日(金)から5月8日(日)まで10連休とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

地震に伴う操業への影響

熊本にあるトヨタ系の会社の部品工場が地震により操業できなくなり、部品を供給できない状況になりましたので、トヨタ自動車は工場の操業を順次停止するとのことです。それに伴い被災していない北九州の部品系の工場も操業を停止せざるを得ない状況になってきています。先日伺った工場では全体のおよそ半分のラインの操業が停止していたのですが、お聞きしますと停止しているのはすべてトヨタ自動車向けのラインであり、その他のメーカー向けのラインはいつも通り稼働していました。早く正常に戻ることを祈るばかりです。

薬を飲む時間について

こんにちは、保健師の山本です。
桜は終わりましたが、今度はつつじが咲き始めていますね。
桜と違い、つつじは長く楽しめるのでGWあたりまではお花見できると思います。
さて今回は、薬を飲む時間についてお話ししたいと思います。

1.食前・食間・食後とはどのタイミングをさす?
薬を飲むタイミングといえば、「食前」、「食間」、「食後」の3つの食事に関する物と、「就寝前」など実は色々あります。
飲むタイミングで悩むことが多いのは食事に関する飲み方ではないでしょうか。

「食前」は、食事の30分前から60分前に薬を飲むという意味です。
例えば吐き気を止める薬は、食事の前には胃の中は空っぽなので、薬はすぐに溶けて吸収され、効き目も速く現れます。

「食後」は、食事の後約30分以内に薬を飲むことをいいます。
例えば、胃の粘膜を荒らしてしまうような薬では、食後に服用することで薬が食べ物と混じり合って胃に対する刺激が弱められます。
その他、消化酵素などは、食べた物の消化を助けることが目的ですので食後に飲みます。
※空腹の時に飲むと逆に胸焼けなどを起こすことがあるので要注意
加えて、食後に薬を飲むもう一つの大事な目的は、薬の飲み忘れを防止することです。
このような場合には食後30分も待たなくても、食直後に飲むこともできます。

「食間」は、食事と食事の間に薬を飲むことで、決して食事の最中に飲むことではありません。
時間的には食後約2時間ぐらいが目安です。
例えば、胃潰瘍の薬は、胃の粘膜のキズに直接作用して保護する必要があるわけですから空腹の時がよい、となります。

「就寝前」は、寝る前30分くらいまでの間に飲みます。
布団に入る前に飲むようにすると忘れにくいでしょう。

なお、薬の服用時間はいろいろありますが薬の袋に指示された服用時間がどうしてもその時間に飲むのが不都合があったり、忘れてしまう、などということがあれば、医師または薬剤師に相談して下さい。
もちろん、不便でも服用時間を守るものもありますが、他の時間に変えられることもあります。
無理にその薬にとって一番理想的な服用時間を求めるよりも、ともかく薬を飲むことが大切です。

2.薬を飲み忘れた時の対処法
薬を飲み忘れることもあると思いますが、その時はどのように対応していますか?
基本的には、飲み忘れの際の対応は主治医の指示に従うようにしましょう。
一般的な対応としては、気付いた時に服用します。
しかし、次回の服用時点までに時間間隔がない時には、スキップするあるいは下記のような時間間隔をあけて服用するようにします。  
●1日3回服用の薬剤 → 4時間以上間隔をあける  
●1日2回服用の薬剤 → 5~6時間以上間隔をあける  
●1日1回服用の薬剤 → 8時間以上間隔をあける

2回分を一度に服用することは絶対にしないでください。
保健指導の時にも薬をすぐ飲み忘れるという方が時々いらっしゃいます。
まずは飲み忘れないようにしていただくことが大切ですが、そのような方は医師や薬剤師に相談し、飲みやすいタイミングに変更できないか等工夫がないか確認してみてはいかがでしょうか?

ほんの少しでも飲んじゃダメ?健康診断前日の飲酒について

保健師の宮本です。

今日は数週間前からお付き合い頂いている「健康診断の受け方」の中から「前日の飲酒」に焦点を当てていきます。

 

一般的に「健康診断の前日は飲酒をしてはいけない」というのが常識です。

ですが、仕事終わりの晩酌を生きがいにしている方にとって、これはなかなか難しいようです。

お酒を飲んでしまった場合、どのような影響があるのでしょうか。

 

 

健康診断前日にお酒を飲むのは控えるべき

 アルコールを摂取すると、血液中のアルコール濃度が上昇します。

そして、数時間から長ければ半日ほどの時間をかけて、上昇したアルコール濃度が元に戻ります。

そのため、健康診断当日だけでなく、前日からアルコールを控えないと正しい数値が出ないことがあります。

 

特に尿検査や血液検査に悪影響を及ぼす場合があります。

その中でも影響を与える可能性があるのは、中性脂肪、肝機能、尿酸、血糖です。

ちなみに脂質の高い食事を前日にとっても中性脂肪の数値に影響が出やすいです。

数値に異常が出てしまうことを避けるため、目安としては、健康診断の時間から遡って10時間はあけように意識してください。

この10時間というのは、健康診断前日の夜から10時間以上絶食し、朝食をとる前に測定するという血糖値検査のルールに基づいているので、飲酒だけでなく食事も含まれます。

 

「少しくらいなら」「きっと大丈夫」と、いつも通りお酒を飲んでいても、体の中の数字は正直です。

正しい結果を知るためにも禁酒を心がけましょう。

そしてもちろん、当日の飲酒は禁止です。

 

お酒だけでなく、糖質、カフェインが含まれる飲料水や喫煙にも注意

 血液検査では、血液中に含まれる血糖値などを測定します。

血糖値は、砂糖や甘味料など、糖類を含むものを摂取した際にも上昇します。

そのため、清涼飲料水などの、糖類がたっぷり入った飲料は、診断結果に影響を与える場合もあります。

前日から控える必要はありませんが、過度な摂取は控え、当日朝などは摂取しないよう気をつけてください。

また、コーヒー、紅茶、緑茶など、カフェインを多く含む飲み物も、前日に過剰に摂取したり、当日朝に飲むことは控えましょう。

 

それから喫煙者は、飲酒と同様に前日からやめておくのが好ましいです。

タバコに含まれているニコチンは血管を収縮させてしまうので、血圧検査において悪い数値を出す可能性が高いのです。

 

来週は健康診断の中から、女性ならではの注意点についてお話します!

お楽しみに!

 

【参考】

658名のドクターが所属するヘルスケア情報サイト ヘルスケア大学

http://www.skincare-univ.com/healthcare/

あたりまえの日常の幸せ

熊本では本当に大変なことになっていますね。今日もこれからいつもと同じく仕事に出て行きますが、多少忙しくても毎日当たり前のように日常生活を送れることがいかに幸せなことかを実感させられます。熊本で被災された方に思いを馳せながら、今日も仕事をがんばりたいと思います。

無事に新事務所への引っ越しが終わりました

今週初めに折尾オフィスの引っ越しをしましたが、今ではすっかり片づけも終わり落ち着いて仕事が出来るようになりました。一昨日は以前に住んでいた地区にある日ノ峯神社に来ていただき、新事務所開設の神事も行いました。そこでいただいたおみくじでは大吉が出ましたので、これから少し良いめぐりになりそうです。あとは部屋多くがなった分、机や椅子を購入予定です。関係先にはメールにて移転のお知らせをお送りいたしましたので、よろしくお願いいたします。

薬を水で飲まないといけない理由

こんにちは、保健師の山本です。
ソメイヨシノは散ってしまいましたが、まだ枝垂れ桜や八重桜はソメイヨシノより少し遅れて見ごろがきます。
お花見をし損ねた方はいかがでしょうか?
さて、今回は薬を飲む際の飲み物についてお話ししたいと思います。
皆さんは何で薬を飲んでいますか?
飲んではいけないと言われている理由は、ちゃんとあるのです。

1.水やぬるま湯で飲む理由
私たちが飲む薬も、清涼飲料水なども、入っている成分すべてを理解して飲んでいることは少ないと思います。
知らない成分どうしが作用してしまうことで薬の効き目が半減したり、思わぬ効果が出てしまうことを防ぐために何も入っていない水かぬるま湯で飲むことが常識とされているのです。
効果が半減すれば薬が効かないと思って大量に摂取して副作用が起こったり、成分の重複作用で体調不良やショック状態が起こったりと恐ろしい事態にもなりかねません。
では、薬を飲む前後にどのくらい空ければ悪い飲み合わせを回避できるのでしょうか。
胃腸の中で薬と一緒にならないようにするには、2時間くらい空けるのが良いとされています。
投薬しているときには食後のコーヒーは我慢してカフェインレスの飲み物にしましょう。
抗生物質を飲んでいるときの乳製品やミネラルウォーターも我慢です。

2.飲み合わせの問題
たとえば、風邪薬や頭痛薬をコーヒー・紅茶・玉露茶などで飲むと、お互いに入っているカフェインが重複してしまいます。
カフェインには解熱鎮痛作用があるため風邪薬や頭痛薬に配合されていますが、過剰摂取になると逆に頭痛や胃痛を促進させるばかりか、緊張や不安感、イライラ、脱水を引き起こします。
特に缶コーヒーなどのコーヒー飲料はカフェインが多いので注意が必要です。
抗菌剤や抗生物質を牛乳で飲むと、薬の有効成分が牛乳のカルシウムと結合し、効果が弱まってしまいます。
牛乳以外でもマグネシウムや鉄分の入った栄養剤やミネラルウォーターも効果を下げてしまうため薬と一緒に飲んではいけません。
せっかく治療のために飲んでいる薬の効果が弱まるのは避けたいものです。
このほか、グレープフルーツ(ジュース)は薬剤の作用を強くする効果があるため、抗ヒスタミン剤(アレルギーの薬に多い)高脂血症治療剤・血圧降下剤・抗精神薬と一緒に飲んではいけません。
コーヒーや紅茶などで薬を飲んでいませんか?
これから薬を飲む際は、少し注意していただけたらと思います。

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