健診結果、見てますか?「期外収縮」
- 2015年06月30日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
本格的な夏到来か?!と思うようなカンカン照りと大雨が繰り返すような変な天気ですね。
寝ている間に蹴飛ばした掛布団を求めて、明け方目を覚ましてはいませんか?
この時期は暑いと思って油断していると、朝晩の気温差で風邪を引きやすいと言われています。
「季節の変わり目」に注意してくださいね!
さて、今日はたまに質問される「心電図」から「期外収縮」についてお話します。
Q1. 期外収縮って何?
心臓には、自分自身を動かすためのスイッチ(ペースメーカー)が存在します。
このスイッチのおかげで心臓が全身に向けて血液を循環しているのですが、何らかの原因によってスイッチの入り方に異常が出ることがあります。
規則正しくリズムを刻んでいた脈が一瞬途切れる・・・このように脈が飛ぶ不整脈のことを「期外収縮」といい、最も一般的に見られる不整脈の1つです。
(本来の脈と脈の間にもう1度脈が触れる「間入性期外収縮」というものもあります。)
Q2. 期外収縮は自分で気づける?
ほとんどの期外収縮には自覚症状はありません。
これは、運動後や飲酒中くらいでしか心臓の「ドキドキ」を感じることがないことからもご納得いただけると思います。
(中には「ドキッとする」「胸が一瞬重くなる」「胸の辺りがモヤモヤする」「ドーンと大砲が響くような感じ」などと表現される方もいらっしゃいます。*)
*間入性期外収縮を除く一般的な期外収縮では、期外収縮の後に正常よりもやや長い休止期がやってきます。
この休止期の間心臓には余分な血液が流れ込むため、期外収縮の次の心拍は力強く収縮することになります。
これが「動悸」として表現される、様々な自覚症状の一因です。
Q3. 期外収縮の原因は?
期外収縮は
① 心臓に異常のない人に様々な要因が加わって一時的に起きるもの
②何らかの心臓の病気(心筋症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天的な心疾患など)があり、その症状として起こる
の2パターンに分けられます。
① のケースは自律神経の異常によって起こることが多いようですが、アルコールやコーヒーなど興奮作用のある食品の過剰摂取、睡眠不足、疲労、ストレス、喫煙、加齢などの生活習慣が誘因となることも少なくありません。
また、①の原因と呼ばれるもの(上記)が②の症状をより強大にするという影響も!
【補足】
お薬の中にも不整脈を引き起こす作用(催不整脈作用)を持つものもあります。
現在服薬中で脈の乱れが気になる方は主治医に相談してみましょう。
Q4. 何だか脈が飛んでいる気もするけど Q3の①に当てはまる気がするし、放置して良いですよね?
Q3の①のように「期外収縮」は治療の必要のない場合がほとんどであると言われています。
特に「上室性期外収縮」は心機能に異常のない人でもよく見られる所見です。
しかし、これも「ほとんど」という表現が重要。
中には「早急に治療を開始しなければならないケース」もあります。
また、脈がふれなくなる不整脈は「期外収縮」だけではありません。
洞房ブロックや房室ブロックという不整脈でも、脈と脈の間隔が長くなることで「脈が飛ぶ」現象が起きます。(2~3秒程度)
洞房ブロックや房室ブロックでは、4秒以上脈の間隔が開くことでめまいや失神発作のリスクが急激に高まります。
治療が必要かどうかは
1) 自覚症状の程度
2) 不整脈の重症度や原因となる疾患の程度
で判断されているようです。
健診結果の心電図所見に「要精密検査」「要受診」と書かれていた方、このブログを読んで少しでも「もしかして」と思った方は専門知識を持った循環器科医を訪ねてみてください。
それではまた来週!