服部産業医事務所の活動

今更ながらに健康診断について語る⑥

こんにちは、保健師の山本です。
「健康診断」シリーズ6回目かつ「健康診断あるある」2回目になります。
今回のあるあるは、「採血時に青あざ(内出血)はどうしてできるのか?」です。

1.採血の後に多いトラブル「青あざ」
血液は健康状態をチェックするための貴重な情報源。
身体のどこかに異常があった際、血液の成分にもその異常が見られるようになります。
たとえば、生活習慣病も早期発見できますし、肝機能や腎機能の状態チェック、さらには、「腫瘍マーカー」といってガンの診断も可能です。

そのため、採血による血液検査を定期的に受けることは大切ですが、普段、採血に慣れていない方だと、ナースとの間で予期せぬトラブルが起きることが。

例えば、採血後にナースからの「よく押さえてくださいね」という指示を無視して、採血部位をしっかり押さえなかったために、内出血による「青アザ」ができてしまったり、はたまた、押さえずに「揉んで」しまったことで、これまた内出血による「青あざ」ができてしまったり…現場で働いていると、「青アザ」のトラブルは本当に多いです。

内出血による青アザは時間が経てば治るのですが、いざ青アザができると、「採血に失敗したんじゃないか!?」と怒鳴り込んでこられる方もおられます。
いえいえ、失敗したではなく、先程のようにナースの指示を無視したり、その他色々な理由で青アザができているんですが、いざ青アザができてしまうと、不安になられるようです。
特に女性の方などは、腕にアザができてしまうと大変ですよね。
また、外回りの営業の方で腕を見せるケースがある場合、腕が内出血していると、取引先の相手がびっくりしてしまいます。

ですのでそんな採血後のトラブルを未然に防ぐために、採血に関する正しい知識を身につけていきましょう。

2.青あざを作る1番の原因
注射や採血がもとで内出血が発生する理由は、ナースの注射や採血の「上手・下手」だけが原因でありません。
一番の理由は、採血部位をしっかり押さえないことによる「止血不足」です!

採血をすると、採血後にナースから「しっかり押さえておいてくださいね」という指示が出されると思いますが、あれは採血部位を押さえることで、血管を圧迫して止血しているんです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この止血方法を「圧迫止血」と呼びます。

採血というのは血管の中に注射針を刺すわけですから、あの指示を無視して採血部位を放置していると、血管に穴が空いている状態になり、内出血が起こるのです。
そのため、採血部位を圧迫してその穴を塞ぐ必要があるのです。

また、たまに勘違いされる方がいらっしゃるのですが、採血部位を揉むことは絶対にやめましょう。
採血部位を揉んでしまうと、注射針の穴が自然にふさがろうとしているのに余計に開いてしまうのです。
その結果、内出血がひどくなることも・・・。

3.青あざ豆知識
内出血時に、広範囲に大きな青アザができたり、内出血した部位自体が移動することがあります。
なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか?
実は「重力」が関係しています。
内出血した血液は、重力の関係で「下」に落ちやすく、それにより元々採血した部位の下方に青アザが広がることがあるのです。

その他、採血時に青あざができる理由には次のようなものがあります。
1.採血中に対象者が動いてしまった
2.対象者が高齢者の方だったり、血管が細かった場合
3.対象者の血管が深いため、血管を探しにくかった場合
4.脳梗塞や、頭痛などで、血液をさらさらにする薬を飲んでいて、止血が難しい場合
ちなみに、私は2と3が原因で何回も採血されたり、青あざを作ることが良くあります。
そのため、採血する場所を指定して、そこで行ってもらいます。

是非今回の採血の知識を覚えておいていただき、現場のナースと良いコミュニケーションをとってくださいね。

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