こんにちは 保健師の宮本です。
睡眠不足が続くことが、健康に深刻な影響を与えますが、その中でも血圧への影響は注意が必要です。
血圧は体内の血液が血管の壁にかける圧力を指します。通常、血圧には日内変動があり、睡眠中はリラックスして心身が回復するため、血圧は自然に下がります。逆に、昼間の活動中は血圧が上昇します。このサイクルは健康的な生活リズムの一部として、体が適切に機能するために重要です。
睡眠不足が続くと、このリズムが乱れ、血圧の調整機能が働きにくくなります。具体的には、以下のような影響があります。
1. 交感神経の活性化
睡眠が足りないと、体が「危機的状況」と認識し、交感神経(いわゆる「戦うか逃げるか」の反応)が過剰に活発になります。これが血管を収縮させ、血圧を上昇させる原因となります。
2. ストレスホルモンの分泌
睡眠不足は、体内でストレスホルモン(コルチゾールやアドレナリンなど)の分泌を促進します。これらのホルモンは血管を収縮させ、血圧を上げる作用があります。
3. 体の回復力の低下
睡眠は体の修復と回復に欠かせない時間です。睡眠不足が続くと、血管の弾力性が低下し、長期的には高血圧や動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。睡眠は体の修復と回復に欠かせない時間です。
このように睡眠不足が慢性的に続くと、高血圧のリスクが高まります。高血圧は心臓病や脳卒中、腎臓疾患など、さまざまな深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。特に、成人においては、毎晩6時間未満の睡眠が続くと、高血圧のリスクが顕著に増加するという研究結果もあります。
健康的な血圧を保つためには、成人で7〜9時間の睡眠が推奨されています。この時間帯に深い睡眠をしっかりととることで、心身の回復が促され、血圧の正常なサイクルが保たれるのです寝る前にリラックスするための時間を設ける(例えば、軽いストレッチや読書)と、睡眠の質が向上します寝る前の数時間にカフェインやアルコールを摂取すると、睡眠の質が悪化することがあります。
十分な睡眠をとることは、健康な血圧を維持するためにも非常に重要です。睡眠不足を解消することで、体全体の健康を守ることができます。睡眠の質を改善し、規則正しい生活を心がけることが、長期的な健康への第一歩となります。
睡眠不足を感じ、生活や業務に支障がある場合は早めに医師に相談することをおすすめします。