服部産業医事務所の活動

肋骨の疲労骨折

自動車製造関係の現場の作業者で肋骨骨折の方の復職面談を行いました。まだ若い30歳代の男性で当然骨粗鬆症もなく、基礎疾患もありません。1週間の間に3日間ゴルフの打ちっぱなしに行き、1日スノーボードを行った後に少し違和感を感じていたそうですが、痛みが出た当日は現場で重い金型を手で押し込む作業をしたあと、くしゃみをして急激に痛くなったようです。これら一連の経過から肋骨の疲労骨折と考えられましたが、以前にも自動車製造関係の現場で肋骨の疲労骨折を経験したことがありましたので、今回2例目の経験となりました。自動車製造業の現場において肋骨の疲労骨折は上半身を使った繰り返し作業に起因して比較的よく発生しますので、注意が必要です。今回の方はまだ骨癒合が得られておらませんでしたので、軽作業にて復職可としました。

長時間労働に対する受け止め方

過重労働面談を行っていてよく思うのは、ラインあるいは現場の方はスタッフあるいは管理職に比べ長時間労働に対してストレスを感じている人の割合が低いということです。むしろ長時間労働を歓迎している方も多い気がします。考えられる理由の1つとして、ラインや現場の方は残業時間増が残業手当増という形でそのまま報酬の増加につながるということがありそうです。その裏付けとして残業がないと困るということを言われる方もいらっしゃるくらいですから。ストレス理論で「努力-報酬不均衡モデル」というのがありますが、同理論はまさにこのことを裏付けるものです。やはりがんばった人は報われないといけませんね。

年度末

いよいよ年度末の週に入りますが、例年この時期は契約先からの面談等の依頼は少なく、したがってわれわれにとっては束の間の閑散期に入ります。年度の変わり目は各企業において人事、経理関係の事務処理が忙しくなるのがその原因ではないかと思われます。ちなみに弊社も3月は決算ですので、この時期はいつもの月より経理処理を急ぐ必要があります。毎年顧問税理士からは売上にしろ経費にしろ3月と4月の区分をしっかりしておくよう言われていますので、とりあえず今週は3月の活動分の請求書を書く予定です。

屋外でのアーク溶接作業に関する法改正

4月1日より粉じん則およびじん肺法の改正に伴い、屋外で金属をアーク溶接する作業についても呼吸用保護具の使用対象になります。今まで保護具の着用義務は屋内作業に限定されていましたので、規制が少し強化されるということです。保護具の着用のほかに休憩設備の設置、じん肺健康診断の実施およびじん肺健康管理実施状況報告の提出も必要になります。従来も安全衛生意識の高い会社では屋外のアーク溶接作業においても保護具を着用して作業が行われていましたし、私も産業医としてそのように指導を行ってきましたが、そうでない会社はこれから現場に対して保護具の着用を指導しましょう。

軽視できない脂肪肝

先日肝硬変の方の就業について判定する機会がありました。血液検査結果は肝硬変パターンを示し、食道静脈瘤もある方でしたので、肝硬変であることは間違いないのですが、その原因はウイルスでもなくアルコールでもなく、また糖尿病等の基礎疾患も特になく、ただ1つBMIが40以上でしたので、高度の肥満が肝硬変に至った原因と考えられました。確かに診断書の病名にも脂肪肝が併記されていましたので、肥満に伴う脂肪肝から慢性肝炎、肝硬変へと移行したものと思われます。教科書にはこのような経過をたどる例があることを書いてありますが、今まで遭遇したことはありませんでしたので少し驚きました。人間ドックの腹部超音波検査で脂肪肝を指摘される方は非常に多いですから、要注意です。

工事が錯綜する苅田発電所

今日は苅田発電所の工事現場に伺いました。原発停止に伴う2号機再稼働に向けての工事は現在佳境に入っていますが、1号機もつい最近定期修理に入りましたので、現在は両方の工事が行われている状況であり、それぞれ6月下旬と7月に再稼働予定です。工事の同時進行は今まで苅田発電所においては経験したことがなく、原発停止に伴い逼迫した電力事情を物語っています。今日は現場に350人の作業員が入っているということでしたが、これからはもっと作業員の数は増えてくるそうです。このように工事が錯綜しているときには災害の発生リスクも高くなりますので、充分安全には気をつけて作業を行っていただきたいものです。今日は少し遠くからでしたが運よく2号機の発電機の中を見ることができました。発電機の新規取り換えはコアの工事になりますので、メーカーの方が来られて工事を行っていました。

スペースワールド駅

今日は飛び石連休の中日でしたが、私はいつもどおり仕事でした。少しハードなスケジュールのなか、途中でスペースワールド駅に降り立ちました。この駅の近くには受け持ちの事業場がいくつかあり、比較的よく利用する駅の1つになっています。さすがに列車内の乗客はいつもより少なめでしたが、スペースワールド駅ではいつもより多くの人が降りられました。ほとんどが近くのスペースワールドに遊びに行く方々だと思われました。駅を出て少し歩いて行きますと左手にジェットコースターの1つ「ヴィーナス」が見えてきます。今日は時間がありませんでしたので、それを尻目にそそくさと事業場まで歩いて行きましたが、例によって「ヴィーナス」から悲鳴が聞こえてきますと、無性にジェットコースターに乗りたくなってしまいました。昨年から娘と繰り返しスペースワールドに遊びに行くうち、いつの間にかジェットコースターに乗る快感を知ってしまい、今では年間フリーパスまで持っています。あまりにも遅咲きのジェットコースター乗りですが、私にとってはストレス解消の手段の1つになっています。ちなみに娘は昼から弟夫婦たちとスペースワールドに遊びに行ったようでした。さぞ楽しかったでしょう。

防災意識の高い東京の弟夫婦

連休を利用して東京から弟夫婦が我が家に遊びに来ています。東京では毎日のように地震が起こっているそうで、首都圏では4年以内に直下型地震が起こり、その際には2万人の犠牲者が出るというようなことが囁かれているようです。そのような状況ですから、弟たちは地震が起こった場合のお互いの行動について毎朝確認をしたうえで、自宅を出ているそうです。東京では地震を本当に切実な問題としてとらえていることがよくわかります。今日弟たちは早速両親の寝室を観察したうえで、タンスの上に置いてある物を下に降ろすこと、タンスが倒れてきても問題ない位置に布団を敷くこと、テレビや仏壇は揺れても倒れないように粘着テープで固定することなど、すぐにでも取り組める対策を私たちに指示してくれました。地震が多い地域に住んでいる人は防災に対する意識がわれわれと全然違うことを今回痛感した次第です。これと同じようなことは産業安全衛生についてもいえるのではないでしょうか。すなわち重篤な災害が起きる可能性の高い業種はそうでない業種に比べ、安全衛生管理に関する意識が概して高いといえます。

変わりゆくわが故郷博多

今日は福岡市内の建物解体現場2か所の職場巡視を行いました。七隈の現場から博多埠頭の現場に移動する途中、40年以上も前小学生の頃通学した長浜通りを通りました。昔はまだ空地があったりして、そこで友達と寄り道して遊びながら家に帰ったものでしたが、今は高層の建物が立ち並ぶ都会的な通りに変わっています。そしてなんと驚いたことに元祖長浜ラーメンの建物がなくなっていました。聞くところによると店が2つに分かれ、それぞれが別の場所に移転したとのことでした。さらにわが母校舞鶴小学校も校舎が解体され更地になっていました。これから小中一貫校として新しい校舎が建てられる予定です。自分たちの学んだ校舎がなくなってしまったことの寂しさを感じつつ、時の移り変わりを実感した日になりました。

高炉の休風

今日は八幡製鉄所の高炉の24時間休風(月1回の定期補修)の日でした。いろいろな工事が行われますが、今日は主に耐火物の吹付作業を巡視しました。安全帯、防じんマスク、COガスモニターを装着し、途中からエレベーターで炉口まで上がりました。遠くまで見渡すことができ、高所恐怖症の方はとても上ることのできないような高い所でした。今日は炉体内部の壁に耐火物の吹付を行うためふたが開けられていましたので、生まれて初めて炉体の内部を覗くことができました。炉体内部には鉄鉱石とコークスが交互に積み重ねられているのですが、1番上のコークスの層の表面からメラメラと青い炎があがっているのが確認できました。実際には危険なCOガスが発生しているのですが、なんとも言葉では言い表すことのできない神秘的なものを感じた次第です。

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