服部産業医事務所の活動

まずは熱中症を疑うこと

熱中症は頭痛、めまい、だるさ、吐き気、倦怠感、手足のしびれなどの症状で発症することが多いですが、こうした症状は熱中症でなくても我々が日常普通に自覚する症状であり、ややもすると熱中症であることに気付かないまま放置され、重症化することもあります。したがって暑熱環境で仕事をしていて、こうした症状が認められる場合には、まずは熱中症を疑い、適切な処置を迅速に講ずることが必要と思われます。まずは熱中症を疑うこと。

熱中症対策〜尿の色チェック

こんにちは、保健師の宮本です。

尿の色は、体内の水分状態を簡単にチェックできる指標のひとつとして、熱中症対策に役立ちます。
■ 尿チェックのポイント
起床時の尿は濃くなりやすいため、日中の尿で判断しましょう。
一度の排尿だけで判断せず、継続的に観察しましょう。
■ 尿の色以外の脱水サインにも注意
•口が渇く、皮膚の張りがなくなる(皮膚をつまんでも戻りが遅い)、体がだるい、めまい、汗が止まる(重症化のサイン)
■ こまめな水分補給のコツ
喉が渇く前に飲む、1回にたくさん飲むより少量ずつ頻繁に、必要に応じて経口補水液の摂取

熱中症の予備軍 『隠れ脱⽔症』の⾒つけ⽅(厚労省)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001088385.pdf

熱中症対策が法的に義務化されました

この6月より熱中症対策が法的に義務づけられましたが、これまでも熱中症発生リスクの高い事業所では普通に行われてきた内容であり、特に慌てることはないと思います。熱中症対策の意識が高くなかった零細企業においては、これを機にしっかり対策に取り組んでいただきたいものです。

これからの季節に要注意!「食中毒」から身を守るために

こんにちは。保健師の宮本です。

梅雨から夏にかけては、気温や湿度が高くなり、細菌が増えやすくなる時期です。この時期に特に注意したいのが「食中毒」です。

食中毒の原因は主に以下の3つです。

  1. 細菌(例:サルモネラ、腸管出血性大腸菌など)
  2. ウイルス(例:ノロウイルス)
  3. 自然毒・化学物質・アレルゲン(例:フグ毒、アレルギー物質の誤摂取)

特に細菌性の食中毒は、気温が上がる時期に急増します。

予防の3原則「つけない・ふやさない・やっつける」が大切です

1. つけない(清潔)

・手洗いは調理前、食事前、トイレ後にしっかりと

・調理器具(包丁、まな板)は生肉・野菜・魚で使い分け

・買った食品はすぐ冷蔵庫へ

2. ふやさない(迅速な冷却)

・作った料理は早めに食べる

・お弁当は十分に冷ましてから詰める

・冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下をキープ

3. やっつける(加熱)

・加熱は中心温度75℃以上、1分以上が目安

・特に鶏肉や卵はしっかり火を通す

・電子レンジの加熱ムラにも注意!

★外食・テイクアウトでも注意★

・信頼できるお店を選ぶ

・持ち帰り後はすぐ食べる or 冷蔵保存

・長時間の持ち運びは避ける

 もし体調に異変を感じたら‥「下痢・嘔吐・発熱」が続く場合は、無理をせず医療機関を受診してください。

暑さが本格的になってくるようです。体調に気をつけてお過ごしください。

 

コーヒー

こんにちは、保健師の宮本です。
最近、休日はカフェ巡りをしています。
日々のいろいろなタイミングで「ホッ」と一息つけるコーヒー。リラックスしたいときや集中したいときに欠かせない方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなコーヒーの効用と、健康的な飲み方のポイントをご紹介します。

コーヒーの主な効用
・眠気覚まし・集中力アップ
コーヒーに含まれるカフェインには、脳を適度に刺激して集中力や注意力を高める働きがあります。午前中や午後の眠くなりやすい時間帯に飲むと、仕事のパフォーマンス向上に役立つことがあります。

・リラックス効果
コーヒーの香りにはリラックス効果があるとされ、ストレス軽減にもつながることがわかっています。デスクで軽く香りを楽しむだけでも気分転換になります。

・抗酸化作用
コーヒーにはポリフェノールが含まれており、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用が期待できます。日常的に適量を飲むことで、生活習慣病予防にもつながると言われています。

でも飲みすぎには要注意!

カフェインの過剰摂取は、不眠や胃の不調、動悸の原因になることもあります。以下のポイントに気をつけながら、上手に取り入れてみましょう。

健康的なコーヒーの飲み方ポイント
•1日2〜3杯が目安(カフェイン摂取量は400mg以内を推奨)
•夕方以降は控えめに(睡眠の質に影響する可能性あり)
•ブラックやミルク入りがベター(砂糖やシロップの摂りすぎに注意)
•胃の弱い方は食後に飲むのが◎

最近、炭酸コーヒーというものがあると知りました。ちょっと興味が…

みなさんのおすすめのカフェはありますか?

職場における熱中症対策の強化について(令和7年6月1日施行)

こんにちは、保健師の宮本です。

熱中症の重篤化を防止するため、労働安全衛生規則が改正されます。令和7年6月1日から施行です。
この改正により、以下の措置が事業者に義務付けられます。

1 熱中症を生ずるおそれのある作業(※)を行う際に、
 ①「熱中症の自覚症状がある作業者」
 ②「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」
がその旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること
2 熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、
 ①作業からの離脱
 ②身体の冷却
 ③必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせること
 ④事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等
など、熱中症の症状の悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を事業場ごとにあらかじめ定め、関係作業者に対して周知すること

※ WBGT(湿球黒球温度)28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるもの

職場での手順作成や、連絡体制について今一度ご確認をお願いします。また熱中症を発症させない対策づくりをしましょう。

パンフレット https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf

 

ゴールデンウィークは暑さ対策のスタート

こんにちは、保健師の宮本です。

もうすぐゴールデンウィークですね。
旅行やレジャー、ゆっくり休養するなど色々な過ごし方をされると思います。

この連休は、「熱中症予防のスタートライン」ともいえるタイミングです。
今年の夏も暑くなることが予想されているため、今から“暑さに慣れる”準備=暑熱順化をしておくことがとても大切です。

◆ 暑熱順化って何?なぜ必要?
暑熱順化とは、体を少しずつ暑さに慣れさせて、熱中症に強い体をつくること。
特に現場作業や屋外での仕事の方にとっては、夏を安全に乗り切るための“体づくり”です。

ゴールデンウィーク中の過ごし方次第で、夏バテしにくい体をつくることができます。

◆ ゴールデンウィークのおすすめの過ごし方
1. 軽い運動で汗をかく習慣を始める
 → 朝や夕方の涼しい時間帯にウォーキングやストレッチを。30分の軽い運動でも、体は暑さに慣れやすくなります。

2. 湯船につかる
 → シャワーだけで済ませがちですが、湯船に10分程度つかることでじんわり汗が出て、暑熱順化に効果的です。

3. 外出時は暑さ対策を意識
 → 帽子・日傘・日陰での休憩を心がけましょう。急に暑い日もあるので、「まだ春だから大丈夫」は油断大敵!

4. 水分&塩分補給のクセをつける
 → 屋外レジャーや作業をする方は特に、水分だけでなく塩分の補給もお忘れなく。スポーツドリンクや塩タブレットを活用しましょう。(持病のある方は、摂り方や量などを主治医に確認しておいてください) 

◆ 体調がすぐれないときは、無理をしない
「だるい」「頭が重い」「食欲がない」などの症状が出たら、それは暑さ疲れのサインかもしれません。早めに休んで、体をクールダウンさせましょう。

今年の夏も、暑さと上手につきあっていく必要があります。その準備を、連休の中で少しずつ始めてみましょう。
安全に、元気に夏を迎えられるよう今からの対策を‼︎

今年のゴールデンウィークの休業について

今年のゴールデンウイーク、弊社は4月29日(火)から5月6日(火)までの8連休とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

百日咳

こんにちは、保健師の宮本です。
最近、百日咳の患者数が全国的に増加しています。福岡県でも増加しており、全国でも第5位となっています。

百日咳は、細菌による呼吸器感染症です。
はじめは風邪のような症状ですが、次第に「コンコン」と連続する咳が強まり、長引くのが特徴です。大人でもかかり、特に咳が長く続く場合(2週間以上)は注意が必要です。

症状は
初期は軽い咳・鼻水・微熱など(風邪と似ています)
進行すると咳が激しくなり、特に夜間や運動後に悪化咳の発作が数週間~数か月続くこともあります。

感染経路は
 咳やくしゃみによる飛沫感染。職場や家庭など、人との距離が近い場所で広がりやすいです。
感染を防ぐためには、咳やくしゃみが出るときはマスクの着用、こまめな手洗い・うがい。
咳が長引くときは、早めに受診(特に2週間以上続く咳は要注意)小さなお子さんや高齢者と接する方は、特に注意をしましょう。

百日咳にかかった場合の出勤について、決まりはありません。 学校保健安全法においては、第二種の感染症に規定されています。 登校基準としては、 特有の咳が消失するまで又は五日間の適正な抗生物質による治療が終了するまで、出席停止とされていますので、もし罹患者が出た場合はこれに準ずるとよいでしょう。

百日咳は早期発見・治療で重症化を防げます。体調に違和感があれば、無理せず受診、休暇取得をしましょう。

転倒労災の悩ましさ

労災の発生件数で現在転倒がトップになっていますが、高齢労働者増加に伴い、転倒災害はこれからも増えていく可能性があります。最近は段差や凹凸のない平らな場所で転んで骨折する事例もよく見かけるようになりました。対策としては本人に気を付けてもらう以外にないと思われますが、それでも業務中に起こればそれは立派な労災になりますので、事業者としては何とも悩ましい問題です。個々の労働者の身体能力の維持、向上が望まれます。

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