カルシウムあれこれ
- 2015年06月16日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
梅雨と言うほど雨が続く訳でもなく、かと言って夏の日照りという訳でもなく。
なんだかはっきりしない天気が続いていますね。
服部産業医のブログにもありましたが、気温差が激しいと風邪をひきやすいだけでなく熱中症のリスクも上がります。
活動中の水分・塩分補給はもちろんのこと、しっかり寝てしっかり食べる「体作り」も心がけてくださいね!
さて、鉄・ビタミンCと栄養素の話題が続いていますので、ついでと言ってはなんですが今週はカルシウムを取り上げてみたいと思います。
商品名や宣伝文句などによく使われるので、誰でも知ってる栄養素の1つと言っても過言ではありませんよね。
でも、カルシウムにはどんな効果があって体内でどのように使用されているか、ご存知ですか?
端的に言うと、カルシウム=骨や歯などをつくる栄養素です。
体重の1~2%の重さで体内に存在していますので、体重60㎏の人の場合0.6㎏~1.2㎏はカルシウムという計算になります。
体内のカルシウムのうち99%は骨と歯に、残りの1%が血液などの体液や筋肉などの組織にあります。
この1%のカルシウムが出血を止めたり、神経の働きや筋肉運動など生命の維持や活動に重要な役割をしています。
では、骨と歯に使われる99%のカルシウムは、その一生を歯や骨の構成だけで終わらせるのでしょうか?
いえいえ、そんな勿体ないことはしません。
食べたカルシウムは小腸から吸収されて血中に入り、すぐ使う分だけ残して残りは骨に蓄えられます(骨の形成)。
一方、血中には常に同じだけのカルシウムが必要なので、血中のカルシウムが不足する時は骨が自らを壊してこれを補います(骨の破壊)。
骨は体を支えると同時に不足に備え、常に出し入れができるカルシウムの貯蔵庫なのです。
それではカルシウム小話をいくつかご紹介します。
「血管美容にカルシウム」
最近話題の「血管美容」は血管の若さを保ち、巡りを良くすることで美肌や代謝アップを狙うものです。
カルシウムが不足すると動脈を硬くして、高血圧や動脈硬化の原因にもなるという説も。
しっかり摂って、しなやかな血管をキープしましょう。
「肩凝りや筋肉痛に効果あり!」
カルシウムには筋肉の働きを高める作用もあり筋肉をスムーズにしなやかに動かすためには不可欠な、いわば筋肉の潤滑油的な存在です。
そのため、不足すると筋肉痛や肩こりなどの悪影響が出ることもあります。
「眠れないと感じる夜にカルシウムのチカラを!」
カルシウムには一般に、イライラを抑える働きがあるといわれます。
これは正確には脳の興奮を沈静化させ、精神を安定させる働きのことを指します。
それに加えて、夕食後の軽い空腹感を満たしてくれるので就寝前のホットミルクがお勧めです。
「骨粗しょう症予防にカルシウム」
カルシウムは背が伸びて骨が育つ成長期、赤ちゃんの発育する妊娠・授乳期には特に不足しないようにしたいものです。
また、長い間のカルシウム不足などから骨の破壊が形成を上回ると、高齢になって骨がもろく折れやすくなる病気(骨粗しょう症)になる恐れがあります。(※身長や骨粗しょう症とカルシウムには関連がないという研究結果も存在します)
骨粗しょう症予防には若いうちから丈夫な骨をつくっておくことが大切です。
そのためには、体をよく動かして栄養のバランスに配慮し、カルシウムをきちんと摂ることが基本!
一方、とり過ぎによる過剰症には、泌尿器系結石や他のミネラルの吸収抑制などがあります。
一般の食品からとり過ぎはおこりにくいと考えられますが、薬やサプリメントなどではその利用目的、方法、摂取量に十分に注意して適切なご利用を心がけてください。
~カルシウム含有量の多い食品~
牛乳、小魚、海草、大豆および大豆製品、緑黄色野菜など
(牛乳コップ1杯(200ml)には約230mgのカルシウムが含まれており、これは栄養素等表示基準値(日本人の1日に必要な量の平均的な値)700mgのおよそ1/3にあたります。)
大人になってもカルシウムを摂ることは大切なんですね!
そういう私は朝食・間食にフルーツグラノーラを食べているので、毎日コップ2~3杯分くらいは飲んでいるようです。
それではまた来週!