服部産業医事務所の活動

夏場の筋肉痛やつり、こむらがえりは熱中症を疑いましょう

熱中症のなかでも筋肉の痛みやつり、こむらがえり、けいれんを伴うものは、熱けいれんと言われるものであり、塩分を取らず、水分のみを補給することによって起こりやすいタイプになります。夏場に現場で作業をしていて筋肉痛やつりなどが起こった場合は、使い過ぎによる単なる筋肉痛と思わず、熱中症を疑うことが必要になります。熱けいれんは単なる筋肉痛とは異なり、水分、塩分補給、点滴などの処置を行わないと症状は治まりません。私が遭遇した今年の熱中症第一号はまさにこのタイプで、槽内でタイペックスを着て作業した後、休憩中に筋肉のけいれんが起こったものでした。

世は早くも熱中症シフト

先週は半ばに肌寒い日があったのですが、逆に週末は汗ばむ陽気になり、気温は上がり下がりしながらも上昇トレンドにあります。すでに各社の安全衛生委員会では熱中症警戒の注意喚起が行われており、うちの事務所にも今月中旬からは熱中症講話の依頼が入っています。もう今の時代、5月の早い時期から熱中症警戒を行わなければならないようになりました。ちなみに今年はラニーニャ現象により夏は暑くなることが予想されているようであり、先が思いやられます。

保護マスクの保管庫

保護マスクを定常的に使用する現場においては、保管庫を設置して、マスクを一括保管しているところも多く見られます。紫外線殺菌灯付きの保管庫も多いですが、職場巡視で拝見すると殺菌灯が切れて点灯しなかったり、使用されていないケースも多く見かけますので、注意が必要です。もうひとつ保護マスクは接顔面を下にして、同部分に紫外線があたるよう置いておく必要がありますので、併せて確認いただきたいと思います。選任が義務付けられた保護具着用管理責任者にはこうしたこともしっかり指導していただく必要があります。

デジタル温湿度計

オフィスの巡視時に室内の温湿度の確認を行っていますが、冬のこの時期は湿度が20%台前半だったりして、かなり乾燥している状況にあります。先日の巡視でのこと、他の温湿度計が湿度20%台後半を示しているなか、一つの温湿度計が65%でした。古いデジタル温湿度計でしたが、後日点検に出したところ、やはり壊れていたようでした。これまでもデジタル温湿度計の数値が疑わしいケースは結構ありましたが、そうした場合には直ちに点検修理や交換を行っていただく必要がありそうです。

熱中症と蓄積疲労

ようやく熱中症の発生も見られなくなってきましたが、今年の発生例を振り返ると、作業開始後間もなくして熱中症になるケースが結構ありました。通常は1日の中で最も気温の高い14時から16時の時間帯に発生することが多いのですが、今年の夏は特に暑かったので、体力の消耗も激しく、毎日少しずつ疲労が蓄積し、作業を開始して間もない時間帯でも熱中症にかかったのではないかと推測されます。過重労働による健康障害と同様に、熱中症についても蓄積疲労が発生リスクになるのではないかと考えられます。

熱中症予防も仕事のうち

いつまでも暑い日が続いていまして、職場巡視では現場で働く方々に頭の下がる思いがします。今年の夏はこれまでで最も平均気温が高いと言われていますが、各安全衛生委員会であがってくる熱中症発生事例件数は例年どおりで、ことさら多い印象はありません。日頃から各現場で熱中症予防を推し進めている賜物であり、現場で働く方々にとっては熱中症にならないよう作業、健康管理を行うことも仕事のうちと言えます。さすがプロですね。

熱中症にかかるべくしてかかった事例

体調不良であるにもかかわらず、始業前の体調チェックでそれを申告せず、そのまま現場に出て、しかも家に早く帰って休みたいがために、休憩も取らず、水分、塩分も補給することなく作業を続けていた作業者が昼前になって、比較的重症の熱中症を発症して救急車で運ばれるという事例がありました。体調不良を申告せずに現場に出て、しかも休憩も取らずに作業を続けることの恐ろしさを改めて思い知らされた事例でした。熱中症にかかるべくしてかかったわけであり、ある意味自業自得と言えます。

暑さのレベルの違い

子供のころから夏休みの時期が暑かったことに変わりないのですが、当時の夏休みの暑い時期の最高気温は30度前後で、今から考えると随分涼しかったように思います。家にエアコンはなかったですが、窓を開けていればどうにか過ごせていました。今は最高気温35度は当たり前で、昔と今では暑さのレベルが違います。仕事以外で外に出るのは避けたいところですが、先週は感染症に罹り、外に出たくても家で寝ていなければいけない状況でした。やはり仕事をせずに1日が過ぎていく毎日は、とても物足りない日々になりました。まあそう思えるのはまだ仕事を続けるだけのエネルギーはあるということなのでしょうね。来月の各事業所での衛生委員会では、熱中症の発生事例が多数報告されそうです。

今のうちに熱中症への備えを

これから気温がぐんぐん上がり、現場では熱中症のリスクが高まってきますが、今のうちにクーラー、冷蔵庫、ウォーターサーバーなど熱中症対策に必要な設備機器について点検を行っておく必要があります。冷えが悪い、冷たくならないなどの現象が見られた場合は、今のうちに修理、交換を進めておかないと、夏本番になり暑いまま仕事や休憩をしなければならなくなりますので、注意が必要です。職場巡視を行ってきた印象としては、工場の現場で頻用されるスポットクーラーから生暖かい風しか出てこないケースが結構ありましたので、スポットクーラーについては特に入念に点検をお願いいたします。

ますます早くなってきた熱中症対策

熱中症対策を5月下旬から検討することはすでに当たり前になっていましたが、今年は気温の上がるのが早かったせいでしょうか、すでに今月から対策を検討している事業所が複数出てきました。気候の温暖化に伴い熱中症対策が年々早くなってきていたのを感じていましたが、桜の花がまだ残っている時期にまで早まってきたとは少し驚きです。

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