服部産業医事務所の活動

ますます早くなってきた熱中症対策

熱中症対策を5月下旬から検討することはすでに当たり前になっていましたが、今年は気温の上がるのが早かったせいでしょうか、すでに今月から対策を検討している事業所が複数出てきました。気候の温暖化に伴い熱中症対策が年々早くなってきていたのを感じていましたが、桜の花がまだ残っている時期にまで早まってきたとは少し驚きです。

安全帯はお守りではない

高所作業では墜落制止用器具、いわゆる安全帯の着用が必須なのはいうまでもないですが、着用していれば大丈夫だと考えるのは禁物です。といいますのも安全帯は、そのロープを構造物にかけていればこそ、いざという時に我々の命を守ってくれるわけであり、安全帯を身に着けていれば大丈夫だと思い込むのは非常に危険なことです。実際に安全帯を着用していたにもかかわらず、ロープを外した一瞬のすきに墜落するといった痛ましい事故はしばしば耳にします。その他の保護具もしかり、安全帯や保護具は正しく使ってこそ我々の命を守ってくれるものです。お守りのように身につけていれば安心、大丈夫だという考え方は捨て去る必要があります。

変わりゆく産業医職場巡視のポイント

産業医職場巡視も最近はコロナ対策が行われているかどうかを重点に見ることも多くなり、現場を見るポイントがかなり変わってきたことを感じます。特に人がいるオフィスやその食堂、工場の操作室、控室、休憩室などは三密になりやすいだけに、特に入念に見ています。産業医巡視も世につれ時につれですね。

社長視察後の職場巡視

週初めに工場の産業医職場巡視を行ったのですが、いつもと比べ現場は整然としており、いわゆる4S ばっちりな状態でした。担当者によく聞いてみると、先週末に社長が東京から工場を視察に来られ、それに備え皆で現場の片付けを行ったということでした。さすがに社長が来られるとなると、現場も一所懸命4S に励むようです。我々産業医が巡視する際も同じく4S を頑張ってもらえたら良いのですが、改めて社長の威光を感じた職場巡視でした。

熱中症対策のつもりが

現場では色々な熱中症対策グッズが使われており、ドライアイスベストもその1つですが、体にくっつけ過ぎて着用したばかりに、低温火傷を起こした事例がありました。どうも壁に寄りかかっていたことが悪かったようですが、首に巻いて使用するようなものもあり、十分に注意が必要です。

新たな熱中症対策 プレクーリング

新たな熱中症対策としてプレクーリングという考え方が提唱されています。作業に出る前にあらかじめ深部体温を下げておき、作業に入って後の体温上昇を防ぎ、熱中症の発生を防止するというものです。アイススラリーという流動性の高い氷を作業前に飲用するだけでよく、すでに飲料メーカーから商品として出されています。これからの季節、試してみる価値は十分にありそうです。

 

若い世代の熱中症が多い

製鉄所で過去10年間に発生した熱中症に関するデータを拝見したのですが、年齢層としては20~30歳代がそのほとんどを占めていました。体力があるはずの若い世代が多いというのは少し意外でしたが、現場の暑熱環境に体が慣れていないことや暑熱環境に耐えるだけの作業スキルが身についていないこと、日頃の不摂生などがその理由かもしれません。やはり製鉄所のような過酷な環境で長年働く方々は熱中症予防についてもベテランが躍如しているということになりますね。

第二の梅雨明けの感じです

今年はお盆前から大雨や天候不順が続いていましたが、ようやく夏の日差しが戻り、それにつれて再び気温が急激に上昇してきました。第二の梅雨明けとも言える状況ですので、各現場では熱中症の発生に十分注意していただきたいと思います。しばらくすると至る所から熱中症発生のお知らせが届く予感がします。

今のうちにスポットクーラーの点検を

スポットクーラーは熱中症対策として工場などの現場で頻用されていますが、吹き出し口に手をかざしてみますと冷たい風が出ていないことが結構あり、暑さ対策の盲点になり得ます。エアコンやウオーターサーバーはもちろんですが、スポットクーラーも夏本番を迎える前に入念に点検整備を行っておく必要があります。

保護マスク保管庫の殺菌灯が点いていない

工場の現場などでは作業者が使用する防じん、防毒の保護マスクを保管庫で一括保管しているところが多いですが、特に保護マスクの使用頻度が多いところでは、紫外線の殺菌灯が備わっているタイプのマスク保管庫が置かれています。しかしながら職場巡視の際にその保管庫を拝見しますと、殺菌灯を点けていなかったり、壊れて点かなかったりすることを結構多く見受けます。マスクの保管庫には多くの作業者の保護マスクが一括で保管されており、特に現在のようなコロナ禍においては常時清潔に保つ必要性があります。保護マスク保管庫の殺菌灯の点灯状態については、日常業務のなかでしっかり確認しておくようお願いいたします。

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