服部産業医事務所の活動

仕事熱心であるばかりに熱中症に

夏場は熱中症にならないためにいつもより多く休憩時間を取ることが鉄則になっていますが、仕事熱心であるばかりに、休憩を取らないといけないと分かっているにも関わらず、休憩を取らずに仕事をしてしまい、熱中症になってしまう、こういうケースが散見されます。こうしたことに備えるためにも、夏場はいつもより少し余裕を持った作業計画を立てることが望まれます。

通勤での熱中症

朝40分間、自転車を必死にこいで、それも合羽を着て会社に行き、着いた後は頭痛と足がつって仕事につけない状態に。これは通勤時に熱中症になった初めて遭遇した事例でした。もしかしたらこれは通勤災害になるかもしれません。話変わりまして、弊社今年のお盆期間は8月9日から17日までお休みを取らせていただきますので、よろしくお願いいたします。

温度の低い冷えた場所で休憩を

休憩は取っていたけれど、熱中症になったという事例。休憩する場所の温度が結構高かったようです。それでは体温も下がらず、疲労も取れないので、熱中症になるのも頷けます。休憩するのであれば、冷房の効いた場所で休憩すべきである。あたりまえのことではありますが、改めて実感させられました。

帳面消しでない入念な体調チェックを

始業前の体調チェックを受け、現場に出て間もなくして、それも大した作業もしてないのに、体調が悪化して詰め所に戻ってきて、ぐったりしている。結局病院に行って熱中症ということで点滴を受けて帰ったという事例。これは元々現場に出る前から体調が悪く、現場に出るのはひかえるべきだったと考えられます。結局始業前の体調チェックがおざなりに行われ、機能していなかったということになります。本人が体調が悪いのを正直に申告していないことも問題ですが、回りが顔色や表情、話しぶりまで観察して、帳面消しでない入念な体調チェックを行うことが特に夏場には望まれます。ちなみに同事例は体調不良で朝食も食べていなかったようでした。

WBGTの補正

梅雨明けしましたが、まだいつもの年の梅雨明けに比べると涼しく感じます。この時期蚊に刺されることが多くなりましたが、本当に暑くなると蚊も暑さでへばってあまり見かけなくなり、刺されなくなってしまいますので、まだ蚊に刺されるうちは涼しいと考えられます。先日作業服の上にタイペックを着て職場巡視を行いましたが、作業場の温度はそれほど高くなかったにも関わらず、汗が噴き出てきました。やはり保護衣を着用した場合、WBGT値は加算、補正して見積もるべきであることを実感しました。現場で働く方々には頭の下がる思いがしました。

冬場は腰痛が増える?

安全衛生委員会のなかで、業務、作業中に起こる腰痛発生が特にこの寒い時期多く報告されている印象です。寒いと体の柔軟性が悪くなりますので、膝をくずさず物を持ち上げたりするなど、作業姿勢に問題のあるケースがよく見られます。やはり寒い時期ほど作業前の柔軟体操をしっかり行い、体をほぐしたうえで作業に臨む必要がありそうです。もちろん作業場の加温も必要ですが。

産業医職場巡視の頻度やいかに

産業医は法的に月に1回事業場の職場巡視を行うことが義務付けられていますが、規定された条件を満たせば2か月に1回の職場巡視でも足りることになっています。製造業や建設業、小売業など現場系の事業場では有害環境・有害作業が多く存在し、毎回作業環境や行われている工程、作業も異なっていますので、毎月職場巡視を行う意義は充分にあり、実際に毎月の巡視を基本としている事業場がほとんどです。これがオフィス職場になりますと危険、有害作業はほどんどありませんので、2か月に1回の職場巡視でも事足りている印象はあります。もちろんオフィスでもレイアウト、その他の変更が生じた際にはしっかり巡視を行う必要はあります。嘱託産業医の場合は職場巡視の他に各面談や健康相談も同日に行わなければならないことが多いですので、特に現場系の事業場の産業医活動は難易度も高く忙しいのが現状です。

 

夏場の筋肉痛やつり、こむらがえりは熱中症を疑いましょう

熱中症のなかでも筋肉の痛みやつり、こむらがえり、けいれんを伴うものは、熱けいれんと言われるものであり、塩分を取らず、水分のみを補給することによって起こりやすいタイプになります。夏場に現場で作業をしていて筋肉痛やつりなどが起こった場合は、使い過ぎによる単なる筋肉痛と思わず、熱中症を疑うことが必要になります。熱けいれんは単なる筋肉痛とは異なり、水分、塩分補給、点滴などの処置を行わないと症状は治まりません。私が遭遇した今年の熱中症第一号はまさにこのタイプで、槽内でタイペックスを着て作業した後、休憩中に筋肉のけいれんが起こったものでした。

世は早くも熱中症シフト

先週は半ばに肌寒い日があったのですが、逆に週末は汗ばむ陽気になり、気温は上がり下がりしながらも上昇トレンドにあります。すでに各社の安全衛生委員会では熱中症警戒の注意喚起が行われており、うちの事務所にも今月中旬からは熱中症講話の依頼が入っています。もう今の時代、5月の早い時期から熱中症警戒を行わなければならないようになりました。ちなみに今年はラニーニャ現象により夏は暑くなることが予想されているようであり、先が思いやられます。

保護マスクの保管庫

保護マスクを定常的に使用する現場においては、保管庫を設置して、マスクを一括保管しているところも多く見られます。紫外線殺菌灯付きの保管庫も多いですが、職場巡視で拝見すると殺菌灯が切れて点灯しなかったり、使用されていないケースも多く見かけますので、注意が必要です。もうひとつ保護マスクは接顔面を下にして、同部分に紫外線があたるよう置いておく必要がありますので、併せて確認いただきたいと思います。選任が義務付けられた保護具着用管理責任者にはこうしたこともしっかり指導していただく必要があります。

産業医に関するご契約・ご相談は、メールまたはお電話にてお気軽に新規契約をご検討の方下さい。服部産業医SOSコールTEL:093-742-2204 受付時間 9:00~18:00 ≫新規契約をご検討の方フォームはこちら メールは、日・祝日を除き、24時間以内にご返信致します。
お問い合わせフォーム
TEL:093-742-2204 受付時間:9:00~18:00
電話をかける