服部産業医事務所の活動

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【38】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2021年1月11日付
【38】飲食店を利用する際に注意したいこと

経営者・総務人事担当者のみなさま、新型コロナウイルス感染者の増加が抑えられない地域が出ています。飲食店を利用することはリスクが高いと言われていますが、どこに問題があるのかを確認しましょう。

1. 課題の背景:
新型コロナウイルスは飛沫によって感染しやすいことがわかっています。どのように感染を防止すればよいかもわかってきました。しかし、新規感染者がなかなか減少しません。そのような中、首都圏での緊急事態宣言が発出されました。東京では飲食をする場面が主な感染拡大の要因となり、職場や家庭、院内・施設内の感染に繋がっていると考えられています(参考資料1)。これ以上の感染拡大を抑えるために、感染拡大地域では特に人が集まる飲食の機会を見直す必要があります。

2.企業でできる対策
○ 飲食の場において感染が起こる背景を理解する
〇 感染拡大の状況を判断し、飲食の場を設けてよいかどうかを判断する

1) 飲食の場において感染が起こる背景を理解する
新型コロナウイルスは飛沫によって感染しやすいことがわかっています。マスクを着用することで飛沫を防ぐことができますが、マスクを外す飲食の場で会話することで感染リスクが高まります。たとえ短時間であっても、少人数であっても、とくに感染が拡大している地域では「安全な会食」を行うことは困難であることを認識しましょう。

図)会食に関わるクラスターのイメージ例(参考資料2)
※下記URLのp.22、図4①になります。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kongo_kento_12_2.pdf

図は、会食に伴うクラスターの事例です。複数の家族が集まって会食を行い、一部の家族で感染が拡大しております。マスクを着用せず、大きな声で長時間会話をしたり、密な状態になっていたことがわかっています(参考資料2)。飲食店においては、客と従業員の間での感染は少なく、感染者が同席することによって感染のリスクがより高くなります(参考資料3)。また、参加者が席を移動することにより感染がより多くの人に拡がった事例もあります。他に、家族の一人が会食に参加して感染し、家庭内での感染に広がった事例も報告されています。

2) 感染拡大の状況を判断し、飲食の場を設けてよいかどうかを判断する
下の図は新型コロナウイルスへの感染リスクの考え方を示しております(参考資料4)。同居の家族等、普段から一緒にいる人であれば外食してもそれほどリスクが高まることはないと考えられます。しかしながら、同居の家族以外との接点があると、その活動内容によって感染リスクは高まっていきます。

図)新型コロナウイルスへの感染リスクの考え方
※下記URL中に掲載されている図になります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/takayamayoshihiro/20201220-00213483/?fbclid=IwAR14RA0rwfGnpkOx-tGuopldAoPNznqfWBJwWF5tVo_d44coVKAqa8vyW74

感染拡大が落ち着くまでは、飲食店の利用も含め、普段生活を共にする人以外との接触を極力避けることが大切です。地域の感染拡大が落ち着いている場合でも、感染リスクの高い行動を慎むよう努めましょう。

①感染拡大地域では、
□同居の家族等以外との飲食の機会を避ける
②感染拡大が落ち着いても、
□大人数、長時間の飲食店利用は控える
□社員同士で昼食を一緒に取るときも、マスクを外した状態で会話しないように注意する
□飲食店を利用する際は着席し、席の移動はしない
□少しでも体調の変化を感じるときは会合への参加を取りやめる

3.関連情報リンク・参考情報:

1) 直近の感染状況の評価等(第20回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料4)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000715536.pdf

2) クラスターの分析に関するヒアリング調査等の結果と今後に向けた検討(新型コロナウイルス感染症対策分科会事務局)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kongo_kento_12_2.pdf

3) いわゆる「飲み会」における集団感染事例について(国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9941-covid19-26.html

4) 新型コロナウイルスへの感染リスクの考え方(高山義浩)
https://news.yahoo.co.jp/byline/takayamayoshihiro/20201220-00213483/?fbclid=IwAR14RA0rwfGnpkOx-tGuopldAoPNznqfWBJwWF5tVo_d44coVKAqa8vyW74

5) (12月時点)新型コロナウイルス感染症の″いまについての10の知識″(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000712224.pdf

文責:櫻木 園子(一般財団法人京都工場保健会)

動画を下記で配信しております。
〇第36回動画「社内研修、採用イベント時の感染対策」
https://www.youtube.com/watch?v=c9BRibrGnZw

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【37】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年12月28日付
【37】 2021年に実施する健康診断の準備

企業の経営者・担当者のみなさま、そろそろ2021年に実施する健康診断(健診)の準備を始める時期です。もしもの場合を含めた留意点を確認しましょう。

1. 課題の背景:
本情報配信の第7回「健康診断の延期にまつわる考え方」では、2020年4月時点の情報をもとに、厚生労働省から発信されていた情報、またさまざまな制約のもとで健診を行う場合の優先順位や会場での留意点について解説しました。
その後5月に、日本全国の健診実施施設が加入する8つの団体が合同マニュアル「健康診断実施時における新型コロナウイルス感染症対策について」を公表し、新たな形での健診が定着しつつあります。そこで今回は、合同マニュアルの内容を踏まえて、2021年に実施する健診を準備する際の留意点を解説します。

2. 企業でできる対策:
○ 施設健診の場合、各施設の対策を確認し、実施時期をできるだけ分散させる。
○ 巡回型健診の場合、会場における時間と空間の「密」を避ける。
○ 予定どおり実施できなくなった場合に何をするか決めておく。

2-1. 施設健診
<健診施設に確認しておきたい8つのポイント>
□ 受診者の体調確認をどのように行っているか?
□ 受診者間、受診者と職員の距離の確保をどのように行っているか?
□ 室内の換気をどのように行っているか?
□ 受診者の「密集」を避けるため、1日の予約者数、予約時間等をどのように調整しているか?
□ 受診者を含む複数の人の手が触れる場所の消毒を行っているか?
□ 健診施設職員の体調確認をどのように行っているか?
□ 健診施設職員に新型コロナウイルス感染症の陽性者が生じた場合、どのように対応するか?
□ 受診者に新型コロナウイルス感染症を疑う検査結果が判明した場合、どのように対応するか?
本稿では、各従業員が施設を訪問して健診を受ける形態を「施設健診」と呼びます。
施設健診の場合、会場における感染防止策は施設側に委ねられます。合同マニュアルは「基本姿勢」「健診施設の受診環境の確保」「健診施設職員が感染源とならないための配慮」「緊急時の対応」「健康診断項目ごとの留意事項」から構成され、事実上の全国標準ですが、個別具体的な対策は健診施設によって違いがあっても不思議ではありません。合同マニュアルの内容から主なポイントを8つ抜粋しましたので(上記)、実際に健診を委託する施設がどのような対策をとっているか、一度は尋ねてみることをお勧めします。担当者が医学・医療に関する専門家でなくても、企業側が感染拡大防止を意識していることは健診施設に伝わります。

2-2. 巡回型健診
□ できるだけ広くて換気のしやすい会場を確保し、定員を設定する。
□ 体調不良などで予定日に受けられなかった人への代替案を準備しておく。
本稿では、健診施設のスタッフがバス等で事業場を訪問して健診を実施する形態を「巡回型健診」と呼びます。
巡回型健診における留意点として真っ先に挙げられるのは会場の確保です。各検査ブースだけでなく検査待ちの場所を含めて人と人との距離を確保できるか、マスク着用や仕切りの設置でそこにいる人からの飛沫拡散を抑えられるか、外気を取り入れて換気できるかを検討し、レイアウトを決定します。また、一度に会場に入れる人数、それを上回った場合の待機場所も決めておきます。
発熱や咳などの体調不良がある従業員は、健診の受診以前に出勤そのものを控えてもらいたいところです。ただし、巡回型健診の日程はどうしても限られるため、もし従業員にとって健診が「外せない用事」と思われてしまうと、無理に出勤するきっかけになってしまうおそれが想定されます。例えば「巡回型健診を受けられなかった人は後日の施設健診を案内する」などの代替案を準備した上で、体調不良時には出勤しないよう再周知しましょう。

2-3. 予定どおり実施できなくなった場合への備え
□ 有害業務に従事する者の健康診断を優先する。
□ 入手できる情報をもとに、就業上の措置の確認・見直しを行う。
数か月前から健診の準備をしても、実施が近づいた時期にその地域で感染が急激に拡大してしまった場合など、予定どおり実施できない事態も起こりえます。
労働安全衛生法第66条の5では、事業者に対して、労働者の健診結果と実情を踏まえた就業上の措置を義務づけています。ここでいう「就業上の措置」とは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮のように個人を直接対象とするものだけでなく、作業環境測定の実施、施設の整備のように職場環境を対象とするものの両方が含まれます。すなわち、労働安全衛生法に基づく健診は、働く人の健康と安全を守るための適切な配慮を主な目的として義務づけられています。
もし健診を実施できる日数および人数が予定よりも減ってしまった場合は、2020年6月頃まで各種の健診が延期されていたときの考え方を準用して、一定の有害業務に従事する労働者を対象とする特殊健診(有機溶剤、特定化学物質など)やじん肺健診(じん肺法)を優先して実施します。
さらに、前回までの健診結果あるいは傷病休職などの事情により、就業制限等(例:残業や深夜勤務の制限、車両・クレーン運転作業の制限)の対象となっている従業員については、健診が予定どおり実施できなくても、入手できる範囲の情報から措置内容の確認・見直しをしておきましょう。

3. 関連情報リンク:
1) 厚生労働省 2020年5月26日掲載
健康診査実施機関における新型コロナウイルス感染症対策について(情報提供)
https://www.mhlw.go.jp/content/000634010.pdf
2) 日本総合健診医学会 新型コロナウイルス感染防止への対応について
https://jhep.jp/jhep/sisetu/covid_19.jsp
3) 日本人間ドック学会 新型コロナウイルス感染症への健診の対応について(情報提供)
https://www.ningen-dock.jp/covid19_dock

文責:田原 裕之(産業医科大学 産業精神保健学)

動画を下記で配信しております。
〇第35回動画「コロナ禍における飲酒対策」
https://www.youtube.com/watch?v=v0ALkBhjiew

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 【36】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年12月14日付
【36】 社内研修、採用イベント時の感染対策

経営者・総務人事担当者のみなさま、社内研修、採用イベント等を行う際、感染対策は十分検討されているでしょうか?

1.課題の背景:
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多人数が集まる社内研修、採用イベントは延期・中止されていましたが、最近は感染対策を講じながら実施されつつあります。しかし、感染対策が不十分だと、クラスター発生や多方面への感染拡大リスクがあります。感染対策について下記の項目を確認しましょう。

2.企業でできる対策:
〇 3密を回避できるよう開催方法を計画する。
〇 体調不良の参加者がいないことを確実にする。
〇 会話を最小限に、マスク着用、手洗い励行を参加者に実施させる。
〇 会場の換気・保湿と消毒を行う。

1)3密(密集、密接、密閉)を回避できるよう開催方法を計画する。
□ 現地に集合する人数を最小限に厳選する。
□ 参加者に県境を越える移動が発生する場合は、Web開催とする、県ごとの開催とするなど、参加者の移動が短くなるよう計画する。
□ できるだけWeb開催を検討する。集合研修とする場合は、参加者の席間隔を最低1mとり、近接した距離での会話や発声を伴う内容を避ける。
  □ 換気・保湿が十分に行える会場を確保する。

2)体調不良の参加者がいないことを確実にする。
□ 参加中および参加日以前14日以内には、感染流行地域への移動、3密を伴うような感染リスクの高い行動を取らないよう徹底させる。□ 以下の場合は、速やかに担当者へ連絡させ、参加を見合わせる(Web参加に切り替えられるとなおよい)。
①発熱・咳・咽頭痛・味覚障害などの症状がある場合
②濃厚接触者として外出自粛要請を受けている場合。
③同居家族や身近な知人に感染が疑われる方がいる場合
□ 開催中に体調がよくない場合(例:発熱・咳・咽頭痛・味覚障害などの症状がある場合)は、速やかに担当者へ連絡させ、参加を見合わせる(Web参加に切り替えられるとなおよい)。

3)参加中の会話を最小限に、マスク着用、手洗い励行を受講生に実施させる。
□ フェイスシールドやマウスシールドでは飛沫発生抑制は限定的であることから、マスク着用を原則とし(口元を見せる必要がある場合はWeb実施を検討する※)、会話は最小限とする。※Web実施も困難な場合にフェイスシールド等を考慮する。
  □ 場所を移動した際、休憩時間、特に食事前に手洗いを励行させる。消毒液の設置ができる場合は、こまめな手指消毒を励行させる。   
  □ 開催期間中の食事はできるだけ個別とすることがのぞましい。飲酒を伴う食事は自粛させ、一緒に食事をする場合は、座の配置は斜め向かいに、箸やコップの使い回わしを避ける。会話する時はなるべくマスク着用を心がけるよう注意する。

4)会場の換気・保湿と消毒を行う。
  □ 機械換気による常時換気。
  □ 機械換気が設置されていない場合は、室温が下がらない範囲で常時窓開け(窓を少し開け、室温は18℃以上を目安に)
□ 適度な保湿(湿度40%以上を目安に加湿器使用)
□ ペンなど物品の共用は避け、出入口、トイレなどのドアノブを界面活性剤入り洗剤またはアルコールで清拭する。

3.関連情報リンク:
(1)来年2月末までの催物の開催制限、イベント等における感染拡大防止ガイドライン遵守徹底に向けた取組強化等について(内閣官房) https://corona.go.jp/news/pdf/jimurenraku_20201112.pdf
(2)感染リスクが高まる「5つの場面」年末年始特設サイト
https://corona.go.jp/proposal/
(3)マスク等の効果について
https://youtu.be/jgsDZboag9s
(4)室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策(課題代表者;理化学研究所/神戸大学 坪倉 誠)2020年8月24日 記者勉強会 発表資料スライド
https://www.r-ccs.riken.jp/outreach/formedia/200824Tsubokura/
(5)寒冷な場面における新型コロナ感染防止等のポイント
https://corona.go.jp/proposal/pdf/cold_region_20201112.pdf

文責:守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

動画を下記で配信しております。
〇第34回動画「職場クラスターを防ごう①」
https://youtu.be/3su_98IGfGI

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【35】

企業向け新型コロナウイルス対策情報が届きましたので、転記します。 バックナンバーや動画は下記のサイトをご覧ください。 http://www.oh-supports.com/corona.html

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年12月3日
【35】コロナ禍における飲酒対策

経営者・総務人事担当者のみなさま、 コロナ禍で従業員の健康管理は十分に行えていますでしょうか? コロナ禍が長期化する中で、飲酒量が増加してしまう方も多く出ているようです。

1. 課題の背景:
コロナ禍では、孤独感や不安感をまぎらすために飲酒をする方や、 外出自粛によって運動不足など生活習慣が乱れることによる不眠症状に対して 飲酒量が増える方が出ています。 また、在宅勤務・外出自粛などにより家で過ごす時間が長くなることで、 飲酒量が増えている方もいます。 さらに、飲酒による寝坊や、二日酔いでお酒臭いことに上司や同僚が気付きにくいため、 従業員の飲酒量増加や、ひいてはアルコール依存症の発見が遅れるといった状況になります。 そこで、従業員の健康問題や労務問題が起きないように アルコール対策に関する注意喚起を行う必要があります。

2.企業でできる対策
○ 従業員に向けて「飲酒量増加」について注意喚起する
○ 従業員にセルフチェックを勧め、飲酒量の見直しを促す
○ 従業員の生活リズムや体調を確認する機会を設ける

1)従業員に向けて「飲酒量増加」について注意喚起する。
衛生委員会や朝礼などの機会に事業所のトップから注意喚起を行なってはいかがでしょうか。 メールやイントラネットなどを活用し、 在宅勤務者向けの在宅勤務者向けに啓発を図ることも大切です。 コロナ禍の飲酒問題のヒントは以下の通りです。
□就業時間にお酒が残らないようにする(仕事前8時間は飲まないようにする)
□仕事中は飲酒をしない
□いままで飲んでいない人は不安の解消や、不眠の解決のために飲酒しない
※啓発資料のリンクは本資料に掲載しています。

2)従業員にセルフチェックを勧め、飲酒量の見直しを促す
自分でも気づかないうちに、飲酒量が増えてしまっている場合があります。 そこで、従業員に対して、次のような飲酒のセルフチェックの実施を促してみましょう。 選択肢の数字を足して 10点以上で問題飲酒、 12点以上でアルコール依存症の可能性があるとされています。 10点以上の場合には、飲酒量や飲酒頻度を見直す必要があります。 見直す際には飲酒日記や、減酒アプリもおすすめです。

<飲酒のセルフチェック>
1.あなたはアルコール含有飲料をどのくらいの頻度でのみますか?
(0):飲まない.  (1):月に1回以下     (2):月に2-4回
(3):週に2-3回  (4):週に4回以上
2.飲酒するときには通常どのくらいの量を飲みますか?
(0):1合未満      (1):1合以上2合未満   (2):2合以上3未満
(3):3合以上4合未満  (4):4合以上
3.1度に3合以上飲酒することがどのくらいの頻度でありますか?
(0):ない      (1):1か月に1回未満   (2):1か月に1回
(3):週に1回  (4):ほとんど毎日
4.過去1年間で、飲み始めると止められなかったことが、 どのくらいの頻度でありましたか?
(0):ない      (1):1か月に1回未満   (2):1か月に1回
(3):週に1回  (4):ほとんど毎日

※アルコール換算表

3)従業員の生活リズムや体調を確認する機会を設ける
在宅勤務を導入している場合でも従業員の生活リズムが乱れていないか、 体調が悪化していないかを確認する機会を設けることが重要です。 従業員の飲酒量が多すぎることやアルコール依存症が疑われる場合には、 セルフチェックを勧めることと併せて、従業員の家族にも飲酒状況を確認する、 アルコール外来(減酒外来・節酒外来)を勧める、 産業医等に相談するといった対策もご検討ください。
□朝一番に定期的なオンラインミーティングを設定する(ビデオオンを推奨)
□顔色や、髪型・服装の乱れが起きていないか確認する
□定期的(月に1回以上)に対面でコミュニケーションを図る機会を設ける。

4.飲酒対策の啓発資料・
1)啓発資料
・お酒とうまく付き合うために
https://kurihama.hosp.go.jp/research/pdf/al_4_4_4.pdf
・正しいお酒との付き合い方
https://kurihama.hosp.go.jp/research/pdf/kaijo_1.pdf
・お酒による健康・社会問題
https://kurihama.hosp.go.jp/research/pdf/kaijo_2.pdf
・お酒と長く付き合うために そして健康のために
https://kurihama.hosp.go.jp/research/pdf/kaijo_3.pdf
2)飲酒日記
・久里浜医療センター
https://kurihama.hosp.go.jp/research/pdf/health_dairy.pdf

5.関連情報リンク・参考情報:
1)日本アルコール関連問題学会 コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う依存症のリスクに関する注意事項
https://www.j-arukanren.com/pdf/20200602_COVID-19.pdf
2)日本アルコール・アディクション医学会 新型コロナウイルス問題で心配されるアルコール依存症やゲーム障害等のアディクション
https://www.mhlw.go.jp/content/000627787.pdf
3)廣尚典 職場におけるアルコール問題の現状と課題について
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12205250-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kokoronokenkoushienshitsu/s_27.pdf
4)医療・地域・職域ですぐに使える減酒支援の手引き:ABCD プログラム
https://www.ncasa-japan.jp/pdf/document23.pdf
5)久里浜医療センター 各種教材・支援ツール
https://kurihama.hosp.go.jp/research/education/tool.html

文責:五十嵐 侑(東北大学大学院 医学系研究科 産業医学分野 大学院生)
監修:田中 完(日本製鉄株式会社 東日本製鉄所鹿島地区 産業医)

動画を下記で配信しております。
〇第33回動画「感染者に対する差別をなくすために」
https://www.youtube.com/watch?v=WKLsJTdC4qo

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【34】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年11月16日付
【34】職場クラスターを防ごう①

経営者・総務人事担当者のみなさま、職場の感染対策は万全でしょうか?大規模な職場クラスターの発生が相次いで報道されていることもあり、今回は「職場クラスターの防止」について述べたいと思います。

1. 課題の背景:
新型コロナウイルス感染症の伝播は、主にクラスターを介して拡大することが分かっており、クラスターの連鎖をおさえることが極めて重要です。新型コロナウイルス感染症対策分科会から出された「分科会から政府への提言(10月23日)」を見ると、8月以降、クラスターの総数は減少しているものの、各月で職場クラスターの全体に占める割合は高いことがわかります。また、前述のように、大規模な職場クラスターの発生も相次いでいることもあり、今冬に向けて職場でのクラスター対策は重要であると言えます。分科会から出された「クラスターの分析に関するヒアリング調査等の結果と今後に向けた検討(関連情報2)」の中では、クラスターが実際に発生した様々な場面の分析が行われていますが、その中でも今回は職場クラスターの一つであるコールセンターを題材に職場のクラスター対策について解説します。

2. 事業所でできる対策:
○ 職場クラスターが発生した背景を理解する
○ 職場クラスター事例を自社のクラスター対策に活用する

1)職場クラスターが発生した背景を理解する(関連情報2)

<クラスターのイメージ>
 コールセンターで起きたクラスターのイメージを示します。
『会議室サイズのコールセンターで、従業員が発熱後も業務を継続し、異なるフロアに移動するなどして、クラスターが発生した。従業員は食堂や休憩室を共用しており、身体的距離も換気も十分でない環境にあった。』

さて、このケースでは一体何が問題だったのでしょうか?
私どもの第5回配信内容「3密の解消!職場環境をチェックしましょう<コールセンター編>(関連情報3)」でも述べましたが、まずコールセンターの特性をまとめます。
<コールセンターの特性>
・一日中話し続ける業種であり、飛沫が飛びやすい
・電話・インカム・ヘッドセットなど、物品の共有が多い
・効率的な運用のため、一部屋に比較的大人数を集めて業務を行わせる必要がある
・設備面の制約があり、こまめな換気が難しいケースが少なくない

 以上のように、コールセンターにおいては、対策がとられていないと飛沫感染・接触感染・マイクロ飛沫感染(空気中に漂う微粒子を介した感染)を生じやすい条件が揃っていると言えます。しかしながら、職場をまたいだ大規模なクラスターの発生にはそれだけではない、一般の職場でも起こりうる条件が重なってしまうことも考えられます。
<一般の職場でも起こりうる条件>
・従業員が発熱後も業務を継続していた
・職場間の交流が多く、フロアを超えて感染が伝播していった
・食堂・休憩室・喫煙室などを介して、昼食休憩時に感染が拡大していった

2)職場クラスター事例を自社のクラスター対策に活用する(関連情報2)
では、このケースをどのように自社の対策に活用していったらよいのでしょうか?
まず、「従業員が発熱後も業務を継続していたこと」が問題の発端になっていることと思われます。これはどの企業においても強化が必要なことと言えますが、このような行動は従業員の認識の問題だけではない部分もあるのかもしれません。自分が穴をあけると他に迷惑をかけてしまう、有給休暇が残り少ないなど、従業員にも様々な事情があって、発熱後も無理をして出勤してしまうという行動につながっている可能性も否めません。コロナ禍においては特に、具合が悪い時には、会社に病気欠勤を申し出やすい雰囲気・制度を整備しておくことも重要でしょう。
次に、コールセンターの特性にあげた4つの項目ですが、対策がとられていないとフロア内で感染者を広げてしまうことになります。このため、①会話が発生する場面ではマスクを着用する、②電話・インカムなど口が触れるものの共有を避ける(または使用後の消毒を徹底する)、③身体的距離が確保できるようにフロアの人数を調整する、④特定建築物の換気量の基準を満たしているかをチェックする(満たしていない場合は換気量を調整する)といった対応が必要だったと思われます。なお、狭い会議室での密な会議、固定電話の共有など、一般の職場でも似たような事象が起こりうることかと思われます。実際に会議室クラスターの発生例も報告されておりますので、上記①~④に留意していく必要があります。
最後に、一般職場でも起こりうる条件ですが、これも対策がとられていないと、職場間の交流や共有設備(食堂・喫煙室等)を通じて事業場全体の感染拡大につながりかねません。特にマスクを外して会話する可能性のある食堂・喫煙室については、手指消毒の徹底、利用人数の制限、身体的距離の確保(パーテーション設置や座席配置の工夫など)、マスクを外した状況での会話を控えるなどの対策を講じておく必要があると言えます。
一つ一つの対策は当たり前の内容と思われるかもしれませんが、これらを怠ることで大規模な職場クラスターにつながってしまうことを念頭におき、今一度、日頃からの対策がきちんと行われているか点検を行いましょう。

3.関連情報リンク:
1)分科会から政府への提言(令和2年10月23日)(新型コロナウイルス感染症対策分科会)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline1.html

2)クラスターの分析に関するヒアリング調査等の結果と今後に向けた検討(新型コロナウイルス感染症対策分科会事務局)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kongo_kento_12_2.pdf

3)企業向け新型コロナウイルス対策情報第5回「3密の解消!職場環境をチェックしましょう<コールセンター編>」(産業医有志グループ)
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1021831

文責:今井 鉄平(OHサポート株式会社 代表・産業医)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

動画を下記で配信しております。
〇第32回動画「企業における濃厚接触者の調査における留意点」
https://www.youtube.com/watch?v=Iec8Kwpwxos

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【33】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年10月26日付
【33】感染者に対する差別をなくすために

経営者・総務人事担当者のみなさま、新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、身近なところでも感染する人がいるかもしれません。感染しても、回復すれば元通りに働けます。安心して働ける職場づくりが必要です。

1. 課題の背景:
新型コロナウイルスに限らず、感染症は人との接触によって起こります。感染症に対する不安から、患者さんに対する忌避、嫌悪を抱く人もいます。職場において、感染者というだけで心ないことを言われた、治癒後にも出勤を拒まれた、というような差別をされたという方がいらっしゃいます。どんなに気を付けていても感染してしまうことはあります。感染者が差別されることで、体調不良を感じても言い出しにくくなって、結果として集団感染を起こしてしまう可能性があります。感染拡大防止対策と、個人への攻撃が混同されないようにしましょう。

2.企業でできる対策
〇 正しい知識を持ち、感染者を排除する必要がないことを理解する
〇 日頃の感染拡大防止対策を徹底する
〇 感染することに強い不安を感じる従業員に配慮する
感染者に対して差別や偏見が起こるのは、見えないウイルスに対する不安・恐れがあり、ウイルスに関する人や物を遠ざけようとする気持ちや行動が行き過ぎてしまうことも一つの要因です。不安や恐れは自分の身を守るために必要な感情ですが、感情に振り回されないためには正しい知識、他者の気持ち・状況への想像力を持つことが大切です。感染拡大防止対策を徹底することで不安を低減します。同時に、不安を強く感じている人もないがしろにしないようにしましょう。

1)正しい知識を持ち、感染者を排除する必要がないことを理解する
新型コロナウイルスに感染し発症しても、回復すればウイルスの排出はなくなります。軽症であれば、発症から8日経過すればウイルスの排出は低下します。症状消失後72時間経過していればさらにウイルスの排出が減少していると考えられます。つまり、回復者は他人に感染させることはありません。
□感染者が職場に復帰するのは他人に感染させる恐れが無くなってからであることを従業員に周知する
□誰でもどんなに気を付けていたとしても感染する可能性があることを理解する

2)日頃の感染拡大防止対策を徹底する
万が一従業員が感染しても、他の従業員に感染が拡がらないような対策を徹底しておくことで、不安を低減できます。
□職場での感染は休憩室や食事で起こりやすいため、マスクを外す飲食時には会話を控えることを徹底する
□人と会話するとき、電話で話すときは必ずマスクを着用する
□咳や咽頭痛、発熱などの症状がある場合は休めるようにする
□症状が咳や咽頭通程度で軽く、どうしても休めない場合はマスクの着用、手洗いを徹底し、他の人と一緒に食事しないようにする
□アレルギーや知覚過敏などの理由でマスクを着用できない従業員がいる場合は、人との距離を保つことができるように工夫する(孤立しないように注意する)

3)感染することに強い不安を感じる従業員に配慮する
 感染に対する感じ方は人それぞれです。強い不安を感じる人もいることを理解し、お互いに受け入れあえる環境を作るようにします。
□感染リスクの感じ方には個人差があることを企業全体で共有し、自分と違う感じ方の人を揶揄したり、攻撃したりしないように徹底する
□他人を誹謗・中傷するなどの行為については断固とした処置を行うことを周知する

3.関連情報リンク・参考情報:
1)新型コロナウイルスによる不安やストレスなどの心の問題に対処するために(日本産業カウンセラー協会)
https://www.counselor.or.jp/covid19/covid19column10/tabid/516/Default.aspx

2)新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~(日本赤十字社)
http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200326_006124.html

文責:櫻木 園子(一般財団法人京都工場保健会)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

動画を下記で配信しております。
〇第31回動画「Withコロナ時代におけるインフルエンザ予防接種」
https://youtu.be/tXdle20TzwU

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【32】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年10月12日付
【32】 企業における濃厚接触者の調査における留意点

企業の経営者・担当者のみなさま、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図るにあたり、個人情報・プライバシーに関する情報の取り扱い、当事者の意向の尊重は大前提です。今一度留意点を確認しましょう。

1. 課題の背景:
本情報配信の第27回「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の活用」でも取り上げたように、医療機関で患者が新型コロナウイルス感染症と診断された場合、感染症法に基づき管轄の保健所に報告され、接触確認(contact tracing)の調査及び濃厚接触者への対応が行われます。接触確認は結核や麻疹などを対象に昔から行われている手法で、患者が企業の従業員であれば、勤務先の健康管理担当者はほぼ確実に調査への協力を求められます。
報道などでもよく聞く「濃厚接触者」は、患者と接触した時期と状況により決定します。現在の主な目安は「発病した日の2日前以降」に「1メートル以内かつ15分以上の接触」があった場合で、さらに接触場所の換気などの環境条件、マスクなどによる防護の状況を加味します。
そこで今回は、ふだん医療関係にあまりなじみのない方でも、業務外を含む行動履歴の聴取、調査結果に基づく検査や休業などの措置が適切に行われるよう、企業において濃厚接触者を調査する際の留意点についてまとめます。

2. 企業でできる対策:
○ 感染した従業員、濃厚接触者の調査対象となる従業員の
個人情報・プライバシーの保護について、あらかじめルール化しておく
○ 実際の調査は、保健所の方針に沿って行う

2-1. ルール化
□ 自社の健康情報等の取扱規程に準拠する
□ 生の情報を直接扱う担当者は必要最小限とし、できる限り守秘義務を持つ者とする
□ 社内で情報を伝える範囲は必ず本人に確認して同意を得ることとする
□ 同意を得ることが難しい場合は、保健所を交えて対応を相談することとする
実際の事例に突然遭遇した場合など、慌てて不適切な情報の取扱いをしてしまうおそれが大きくなります。あらかじめルール化しておきましょう。
「働き方改革」の一環として2019年4月に改正された労働安全衛生法第104条では、事業者に対し、労働者の心身の状態に関する情報の適切な取扱い、実質的には健康情報等の取扱規程の策定が義務づけられました。濃厚接触者の調査もこれに準拠する必要があります。
感染と診断された従業員、濃厚接触者の調査対象となった従業員について、氏名、所属、受診した医療機関などの固有名詞が含まれる「生の情報」を直接扱う担当者は必要最小限とします。保健師のように守秘義務のかかる有資格者がいればその人が、それ以外では守秘義務のかかる業務(例えば、健康診断の事務またはストレスチェックの実施事務従事者)の経験がある人が候補となります。人事権などの影響力を持つ方がどの情報にアクセスできるようにするかについても、事業者としての責任と当事者にとっての伝えやすさの両方を加味して設定します。ストレスチェックを実施している企業では、その実施体制が参考になります。
生の情報に限らず、社内で情報を伝える範囲は必ず本人に確認して同意を得ることとすること、同意を得ることが難しい場合は保健所を交えて対応を相談することとすることについても、ルールに盛り込んでおきましょう。

2-2. 実際の調査
□ 感染と診断された従業員から報告を受けたら、無理のない範囲で、
職場関係の接触者をリストアップしてもらい、調査対象者の候補とする。
□ 誰が感染したか、担当者から調査対象者に伝えることについて、本人に了解を求める。
□ 調査範囲・内容の最終決定、調査結果に基づく対応は、保健所の方針に沿って行う。
従業員の感染が判明した場合、症状の強さにもよりますが、勤務先は保健所から通知される前に直接報告を受けることも珍しくありません。その場合、本人の無理のない範囲で、職場関係の接触者をリストアップしてもらい、調査対象者の候補とします。
また、調査対象者には誰が感染したかを知らせる必要が生じますので、担当者から伝えることについて、感染者本人の了解を求めます。
その内容をもとに保健所と相談し、調査の対象者と内容を決定し、調査を開始します。調査結果についても保健所と相談し、特定された濃厚接触者への対応を行います。
なお、感染と診断された従業員、あるいは濃厚接触者の調査対象となった従業員とも、保健所から指定された範囲を超えた措置については、極めて慎重に考える必要があります。
例えば、新型コロナウイルスのPCR検査は、ウイルスにさらされた可能性のあるエピソードが、いつ、どのようにあったのかなどの情報を踏まえて、対象者・時期を決めたり、結果を解釈したりする必要があります。勤務先の上司が検査を受けるよう指示したとの事例も散見されますが、漠然と検査を受けさせて陰性だったとしても、感染していないことや治癒したことの証明になりません。また、保健所が指定する行政検査であれば自己負担は生じない一方、自由診療での検査には1回数万円の費用がかかることが多いです。
賃金支払いの観点では、保健所が対応した結果、入院などの措置により従業員が出勤できなかった場合、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当せず、休業手当を支払う必要はありません。他の私傷病で休んだときと同じ扱いとなります。それを超えて休ませた場合は、休業手当を支払う必要が生じます。

3. 関連情報リンク:
1) 和田耕治「産業医のための、企業が自主的に『濃厚接触者』を特定する際の注意点」
日本医事新報社 Web医事新報 No.5032 【識者の眼】
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15550
2) 日本渡航医学会、日本産業衛生学会
職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド 第3版 (2020年8月11日)
https://www.sanei.or.jp/images/contents/416/COVID-19guide0811koukai.pdf
3) 国立感染症研究所 新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領
(2020年5月29日暫定版)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html
4) 厚生労働省 事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/000497426.pdf
5) 厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)令和2年8月26日時点版
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html

文責:田原 裕之(産業医科大学 産業精神保健学)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

動画を下記で配信しております。
〇第30回動画「新型コロナウイルスに関する情報の取り扱い方」
https://youtu.be/bNnb4u_0i68

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【31】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年9月28日付
【31】 Withコロナ時代におけるインフルエンザ予防接種

経営者・総務人事担当者のみなさま、インフルエンザは例年12月~3月頃に流行します。2019-2020年シーズンはインフルエンザの流行が例年よりも下火でしたが、この冬も同様になるかはわかりません。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時流行に警戒が必要です。社員へインフルエンザの予防接種を勧奨していますか?

1.課題の背景:
新型コロナウイルスとインフルエンザは症状で区別することが困難です。ひとたび症状が出れば、実際はインフルエンザであっても「新型コロナウイルス疑い」として、対応せざるを得ず、10日程度の職場離脱を余儀なくされます。インフルエンザ感染リスクをできるだけ下げるため、インフルエンザの予防接種を推奨しましょう。

2.企業でできる対策:
〇 早めのインフルエンザの予防接種を推奨する(原則10月26日以降に接種)。
〇 予防接種時の感染リスクをできるだけ下げる。

1)早めのインフルエンザ予防接種を推奨する(原則10月26日以降に接種)
今シーズンは、新型コロナウイルスとの同時流行が懸念されており、通常よりも予防接種需要が増加し、ワクチンが品薄になる恐れがあります。早めの予防接種を推奨しましょう。

□ 社員に早めのインフルエンザの予防接種を推奨する。
□ 10月25日までは65歳以上の方、60-65歳で高度慢性疾患者が優先となっていることも合わせて周知する。
 □ 可能であれば、接種費用の補助などもできると良い。

<インフルエンザ予防接種の効果、接種時期、回数>
効果
インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。
接種時期
ワクチンを接種してから効果が出るまで2週間程度かかかります。その持続期間はおよそ5カ月間といわれています。流行のピークの来る1月の2週間前(12月中旬)までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。
接種回数
13歳以上の方は、1回接種が原則です。ワクチンは、そのシーズンに流行することが予測されるインフルエンザウイルスを用いて製造されていますので、毎シーズン接種が必要です。

2)予防接種時の感染リスクをできるだけ下げる。
予防接種を行う多くの医療機関では、接種を行う時間や場所に配慮し、換気や消毒を行うなどの感染防止対策に努めています。予防接種は、一般の受診患者と別の時間や場所で受けられる場合もあるので、できるだけ事前に予約するよう周知します。
医療機関でのインフルエンザ予防接種時に新型コロナウイルス感染するリスクを恐れ、接種控えも懸念されます。訪問型インフルエンザ予防接種を行っている医療機関もあるので、活用を検討しましょう。
□ 訪問型インフルエンザ予防接種の活用を検討する。
□ 予防接種を受ける時は、できるだけ事前に予約するよう周知する。□ 接種を受ける際は、マスク着用、できるだけ密を避ける行動を促す。
□ 医療機関の行う感染防止対策に協力するよう促す。

3.関連情報リンク:
(1)今冬のインフルエンザと COVID-19 に備えて(日本感染症学会) http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2008_teigen_influenza_covid19.pdf
(2)季節性インフルエンザワクチン 接種時期ご協力のお願い(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou18/index_00011.html
(3)インフルエンザQ&A(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

文責:守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

動画を下記で配信しております。
〇第29回動画「職場内外で避けたい感染リスクの高い行動」
https://youtu.be/bzIOxSdH3Io

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【30】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年9月14日付
【30】新型コロナウイルスに関する情報の取り扱い方

経営者・総務人事担当者のみなさま、新型コロナウイルスに関する情報収集は適切に行えていますでしょうか?日々刻々と情勢が変わっている中で、情報は非常に重要なものですが、逆に誤った情報を信じてしまったり、誤った対策を行うことは、企業にとってもリスクです。適切に情報を取得し、冷静に判断していきましょう。

1. 課題の背景:
コロナ禍では、情報(information)と感染拡大(pandemic)から成る造語のインフォデミック(infordemic)という言葉が作られるほど、さまざまな情報が氾濫しており、その中にはフェイクニュースやデマニュースであったり、根拠がはっきりしない情報も含まれており社会全体が混乱しています。また、企業の中で扱う従業員の感染に関する情報についても不当な差別につながらないように注意が必要になります。

2.企業でできる対策
○  公共性・公益性の高い情報を収集する
○  根拠があいまいな情報や対策は安易に社内で取り入れない、拡散しない
○  感染者や濃厚接触者などの個人情報の共有は最低限の範囲とし、不利益な取り扱いをしない

1)公共性・公益性の高い情報を収集する
新型コロナウイルスは、少しずつその特性が分かってきていますが、なお分からないことが多いと言えます。そのため、根拠があいまいな情報や信頼性の低い情報が多いことも事実です。そこで以下のような信頼性の高い情報を集めることが重要です。
□国(内閣府や厚生労働省)
□地方自治体
□国立感染症研究所感染症疫学センター
□日本渡航医学会・日本産業衛生学会などの専門家学術学会
本発信情報の関連情報にリンクを掲載しております。
また、産業医有志グループのバックナンバーもご参照ください。

2)根拠があいまいな情報や対策は安易に社内で取り入れない、拡散しない
信頼性の低い情報を取り入れたり、拡散してしまうことは社内の混乱を引き起こしかねません。目新しい対策に飛びつくのではなく、新しい生活様式やチェックリスト、業種別ガイドラインを中心に対策を考えることが重要です。
□信頼性が低い情報は取り入れない、拡散しない
□公共性・公益性の高い情報をもとに対策を行う
□対策事項やマニュアルを、契約している産業医などの専門家にレビューを依頼する

3)感染者や濃厚接触者などの個人情報の共有は最低限の範囲とし不利益な取り扱いをしない
 感染者に対して不当な差別が生じると、従業員同士で傷つけ合ったり、ときに感染した従業員を追い込んでしまうことがあります。また逆に、症状が出ていても隠して出社してしまう懸念もあります。そこで、社内で感染者や濃厚接触者が発生した際の情報の取り扱いについて定めておくことや、注意事項を啓発することが重要です。
□新型コロナウイルスに感染したとの報告を受け付ける部署(担当者)を決め、
全員に周知している。
□情報を取り扱う部署(担当者)の取り扱い範囲とプライバシー保護のルールを決め、
全員に周知する
□感染者や濃厚接触が職場で発生した場合の対応をルール化し、全員に周知する
□感染が判明しても、解雇その他の不利益な取扱いを受けないこと及び差別的な
取扱いを禁止することを全員に周知し、徹底を求めている。

4.関連情報リンク・参考情報:
1)厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

2)内閣府 新型コロナウイルス感染症関連
https://www.cao.go.jp/others/kichou/covid-19.html

3)国立感染症研究所 感染症疫学センター 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報ページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html

4)日本渡航医学会・日本産業衛生学会 職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド(8月11日改訂)
https://plaza.umin.ac.jp/jstah/pdf/corona03.pdf

5)職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト(厚生労働省)(8月7日改訂)
https://www.mhlw.go.jp/content/000657665.pdf

6)内閣府 業種ごとの感染拡大予防ガイドライン
https://corona.go.jp/prevention/pdf/guideline.pdf?20200806

7)厚生労働省 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を公表しました
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

8)産業医有志グループのバックナンバー(OHサポート株式会社HP)
http://www.oh-supports.com/corona.html

文責:五十嵐 侑(東北大学大学院 医学系研究科 産業医学分野 大学院生)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

動画を下記で配信しております。
〇第28回動画「職域における自費PCR検査の在り方」
https://www.youtube.com/watch?v=ljCIz43h1DY

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 【29】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年8月31日付
【29】職場内外で避けたい感染リスクの高い行動

経営者・総務人事担当者のみなさま、職場の感染対策は万全でしょうか?今回は職場内外で避けた方がよい「感染リスクが高い行動」について述べたいと思います。

1. 課題の背景:
「具合が悪い時は出勤を見合わせる」、「大人数での会食は控える」といったことは、職場の感染防止策の基本的かつ重要な取り組みの一つです。何を今さらと思われるかもしれませんが、各都道府県が発表している感染者の行動記録などを見ると、これらが必ずしも守られていない状況が散見されます。新型コロナウイルス感染拡大が続く中、職場の集団感染リスクの低減を図るためにも、今一度、経営者自身も含め、職場内外の感染リスクの高い行動に留意しましょう。

2. 事業所でできる対策:
○ 感染リスクの高い行動について経営者自身が理解する
○ 感染リスクの高い行動を慎むよう従業員の一人一人に周知徹底する

1)感染リスクの高い行動について経営者自身が理解する
「具合が悪いのに無理をして出勤してしまう」行動は、コロナ禍においては職場の集団感染につながりかねず、職場としては従業員に避けてもらいたいことの一つかと思います。しかしながら、都道府県が公表する感染者情報(参考資料1)の中でも、症状が出現した後に職場への出勤を続けていたケースが散見されており、なかなかすべての従業員に行動変容を求めるのは難しい部分があるのも事実です。発症の2日前から人に感染させる可能性があり、発症後に出勤を続けていた期間が長くなるほど、他の従業員や顧客などより多くの人が濃厚接触者となってしまう可能性があり、事業継続にも深刻な影響を及ぼす懸念があります。
また、5月下旬に緊急事態宣言が全面解除されてから、「対面で会議を行う」機会が増えている職場も多いことかと思います。やむを得ず対面で会議等を行う場合も、対人距離や参加人数など、3密を避けるための配慮がされていないと、集団感染のリスクを高めてしまいかねません。
職場外における従業員の行動にも注意が必要です。特に、「不特定多数が集まる立食パーティー」、「接待を伴う飲食店に行く」、「カラオケに行く」など、過去に集団感染の発生例がある場所に行くことについては、当面慎むことが重要です。このような場で従業員が感染し、無症状のまま職場にウイルスを持ち込んでしまい、集団感染につながってしまうということも考えられます。
経営者自身も感染リスクの高い行動に留意する必要があります。特に企業規模が小さいほど経営者の役割が大きく、経営者の代替機能を考えることが難しいと思われます。経営者同士の会食の機会など、この状況下で実施する必要性なども十分に検討し、どうしても必要な会食に参加する際も、対人距離の確保など十分に配慮された環境下で行うことが重要です。
産業医有志グループでは、過去に集団感染の発生例がある場所や「オフィスにおける新型コロナウイルス対策ガイドライン(参考資料2)」などを参考に、職場内外で感染リスクの高い行動を30ほど抽出し、その中から特にリスクが高いと考えられる8つの行動を抜き出しました。前述の行動もこの中に含まれております。経営者の皆さま自身も含め、職場で極力これらの行動を避けるようご留意ください。
<職場で避けたい8つのリスク行動>
□具合が悪いのに出勤する
□大人数で対面の会議を行う
□不特定多数が集まる立食パーティーを企画する
□接待を伴う飲食店にいく
□カラオケに行く
□口が触れるものの共用(電話・無線など)
□換気が悪く距離のとれない場での会食
□宿泊を伴う社員旅行を行う

2)感染リスクの高い行動を慎むよう従業員の一人一人に周知徹底する
 いくら経営者や人事総務担当者が感染リスクの高い行動のことを理解していても、肝心の従業員がそのことを認識してしないと、望ましくない行動を社内外でとってしまうかもしれません。従業員の一人一人が共通の認識を持つことも、職場の集団感染リスクを低減していくのに非常に大事な要素となります。
前述の8つのリスク行動がベースとなり、厚生労働科学研究費補助金「新型コロナウイルス感染症に対する疫学分析を踏まえたクラスター対策等の感染拡大防止策に関する統括研究」(分担研究者:和田耕治)の助成で、感染リスクの高い7つの場面としてポスターにまとめられました。資料はOHサポート株式会社・企業向け新型コロナ対策情報(参考資料3)にも掲載しております。ぜひこのポスターも活用しながら、従業員の一人一人に対して感染リスクが高い行動を慎むことにつき周知徹底していきましょう。
もちろん、従業員の認識の問題だけではない部分もあるのかもしれません。「具合が悪いのに出勤する」という行動を例にあげると、「自分が穴をあけると他に迷惑をかけてしまう」、「有給休暇が残り少ない」など、従業員にも様々な事情があって、具合が悪くても無理をして出勤してしまうという行動につながっている可能性も否めません。コロナ禍においては特に、具合が悪い時には、会社に病気欠勤を申し出やすい雰囲気・制度を整備しておくことも重要でしょう。

3.関連情報リンク:
1)新型コロナウイルス感染症患者の本県の発生状況について(栃木県)
http://www.pref.tochigi.lg.jp/e04/welfare/hoken-eisei/kansen/hp/documents/235reime.pdf

2)オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン(日本経済団体連合会)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline1.html
3)企業向け新型コロナ対策情報(OHサポート株式会社)
http://www.oh-supports.com/corona.html

文責:今井 鉄平(OHサポート株式会社 代表・産業医)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

動画を下記で配信しております。
〇第27回動画「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の活用」
https://youtu.be/M1y2p-VrMLg

お問い合わせフォーム
TEL:093-742-2204 受付時間:9:00~18:00
電話をかける