服部産業医事務所の活動

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【13】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年5月15日を転記します。
サイトはこちらです。
http://www.oh-supports.com/corona.html
第10回動画「窓の開かないビルにおける換気改善」を下記で配信しております。
https://www.youtube.com/watch?v=BZ9Wj09v_j0

今回、13回目の配信内容になります。

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年5月15日
【13】建築業における感染予防対策
経営者・総務人事担当者のみなさま、
建設現場における感染予防対策は万全でしょうか?
制約の多い現場でも必要な対策を見直しましょう。

1. 課題の背景:
建設現場は一般に屋外作業ですが、
3つの密が重なる場面も発生します。
現場事務所や更衣室、喫煙所、狭い空間での作業など。
また、騒音の中での作業では
大声で指示や確認をすることもあります。
大声を出すとその分飛沫が飛びやすく、
感染リスクを高めることになります。
さらに、新型コロナウイルスは、
無症状であっても呼吸量が増える活動時に
感染事例が報告されています。
現場作業中は作業負荷が高くなりがちであり、
この点でも感染リスクを高める可能性があります。
一定の工期の中で複数の事業者が混在し、
日々人員が入れ替わりながら
仕事が進められることもリスクの一つで、
感染者が入構してしまうことで
複数の事業者への感染拡大に
つながってしまうことが懸念されます。

2. 企業でできる対策:
○ 密閉空間となる場所を洗い出し、人との距離を保つようにする
○ 対策に要する費用については、受発注者間で設計変更の協議を行う
○ 接触感染を防止するための対策を行う
○ 発熱などの体調不良者が出た場合の対策を行う

1)密閉空間となる場所を洗い出し、人との距離を保つようにする
現場事務所、喫煙所、休憩室はもちろんのこと、
ピットや建設中の建物内の空間など、
換気が不十分になる可能性のある場所を確認します。
また、大声で話をすることは飛沫感染のリスクを高めることになります。
□休憩室、更衣室、喫煙所に一度に集まらないように時間を分け、
窓を開けるなど換気を行う
□現場事務所での打ち合わせでも人が密集しないようにする
□建築途中の狭い空間で作業を行う場合も
換気ができるように送風機などを使用する
□作業は1人で行う、または、複数名で行う場合は
持ち場を分担するなど、できるだけお互いに距離を取って行う
□朝礼や点呼でも距離を開け、必要に応じて拡声器などを利用する
□屋外で弁当を食べるときや休憩するとき(喫煙も含む)も
対面を避け、最低1m以上離れる
□距離を取ることが難しい場合には各人がマスクを必ず着用する
□大声で話さなくても済むよう、インカムを利用する
□作業員以外の入構(例:住宅工事における発注者の現場見学)がある際も、
入構者にマスク着用や手指消毒を求めるとともに、
対応者も最低1m以上の距離をとるようにする

2)感染拡大防止対策のため、
必要に応じて受発注者間で設計変更の協議を行う
受注者が、追加で費用を要する感染拡大防止対策を実施する場合には、
受発注者間で設計変更の協議を行い、
請負代金額または業務委託料の変更や工期または履行期間の
延長を行いましょう。
国土交通省の通知では、以下のものが例示されています。
□労働者宿舎における密集を避けるための、近隣宿泊施設の宿泊費・交通費
□現場事務所や労働者宿舎等の拡張費用・借地料
□現場従事者のマスク、インカム、
シールドヘルメット等の購入・リース費用
□現場に配布する消毒液、赤外線体温計等の購入・リース費用
□遠隔臨場やテレビ会議等のための機材・通信費

3) 接触感染を防止するための対策を行う
現場によっては手洗い場が限られるなど、
こまめな手洗いが難しいことも想定されます。
 □工具などの共用を避ける、脚立なども含め
共用のものを扱った後は手を洗う
 □手洗い場でタオルなどを共用しない
 □手袋を着用し、顔を触らないように注意する。
手袋を脱いだ後は手を洗う
 □社有車や建設機械を共有する場合は、
ハンドル、チェンジレバー、ドアノブ、端末のボタンなど
手で触れる頻度の多いところを
アルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる拭き取り消毒を行う

4) 発熱などの体調不良者が出た場合の対策を行う
規模の大きな現場では、
作業員が入れ替わりながら働くことになるので、
体調不良者が入構することのないように
下請け事業者も含め作業員全員と事前に充分に確認しておきましょう。
発熱者の職場復帰については
本シリーズの「第3回 発熱者の職場復帰時期の目安」を
参考にしてください。
 □出勤前に体温測定をして、
発熱などの風邪症状がある場合は出勤を控えるようにする
 □点呼の際に体調を確認する
 □現場で体温を測ることができるよう、体温計を備える
 □体調不良から回復した作業員の職場復帰の手順を定めておく
 □現場作業員はもちろんのこと、
作業員以外の入構者(例:発注者)があった場合も、
日時、氏名、連絡先などを控えておき、
万が一感染者が出た場合には連絡を取れるようにしておく

3.関連情報リンク:
1) 工事及び業務における
新型コロナウイルス感染症の
感染拡大防止対策の徹底について
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001343236.pdf

2) 企業向け新型コロナウイルス対策情報
第3回 発熱者の職場復帰時期の目安
http://www.oh-supports.com/img/corona/pdf/003.pdf?0428

文責:櫻木 園子(一般財団法人京都工場保健会 産業保健推進部)
※本文章は、
産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で
作成しました。
厚生労働省新型コロナウイルス対策本部
クラスター対策班・和田耕治先生
(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。
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