約8割の人がかかってる!?歯周病
- 2016年07月01日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
早いもので夏も間近になってきました。
梅雨時期はジメジメしていることもあり、体力を奪われやすい季節です。
しっかり休養をとって本格的な夏に備えてくださいね!
さて、今日は「実は約8割の方が抱えている!?」と噂の歯周病についての話題です。
特に中年期以降は、加齢により歯ぐきが痩せ、免疫力が低下するなど歯周病にかかりやすくなる要因が加わるため注意が必要です。
まずは歯周病にかかってしまうメカニズムから入っていきましょう。
どうして症状が起こるの?
歯周病とは、歯と歯ぐきの間に繁殖する細菌に感染し、歯の周りに炎症が起こる病気です。
炎症が歯ぐきに限定されているときは歯肉炎、それ以上に進行すると歯周炎(歯槽膿漏)と呼ばれます。
はじめはほぼ自覚症状がないまま進行し、歯周炎になると歯が抜け落ちたりするばかりでなく、全身に影響が及ぶことがあります。
歯と歯ぐきのしくみ=歯ぐきは歯を守る大切な組織
歯は、歯冠と呼ばれる外からみえる部分と、歯ぐき(歯肉)の内部に隠れる歯根部で構成されています。
歯冠の表面はエナメル質という固い組織に守られています。
歯根部は象牙質やセメント質からなり、内部は歯髄と呼ばれ、神経や血管が入り組み象牙質に栄養を供給する役目を担っています。
歯の周りを取り囲む粘膜が歯ぐきです。
歯ぐきの中には歯槽骨と呼ばれる骨があり歯を支えています。
さらに歯と歯ぐきの境目には、歯根膜という膜がありクッションの役割を果たしています。
健康な歯ぐきは、歯との間にすき間がほとんどなく、内部に細菌が入り込むのを防いでいます。
歯周病を引き起こす原因=最近の集まり「歯垢」
歯が十分に磨けていないと、歯垢(プラーク)という細菌の集まりが歯と歯ぐきの間の溝にたまります。
歯周病はこの細菌が繁殖することで起こります。
歯ぐきが赤くブヨブヨとした感じになったり、出血しやすくなるのは、細菌による毒素によって炎症を起こしているからです。
歯垢を放っておくとやがて石灰化し歯石へと変化します。
歯石は歯みがきなどでは取り除けないため、歯科医でとってもらわなければなりません。
歯垢や歯石をためていると歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)が深くなり、さらに歯垢がたまりやすくなって、歯周病を進行させる要因になります。
歯肉炎から歯周炎へと移行すると膿が出て口臭の原因になる、歯槽骨が溶け支えられなくなった歯が抜け落ちてしまうなどの症状が進みます。
ストレスや喫煙などの生活習慣や、糖尿病などの病気によって免疫機能が落ちていると、病気は進行しやすくなります。
少し複雑ですが、「きちんと歯磨きできていないと口臭が気になったり、歯が抜けますよ!」というお話でした。
次週は歯周病に影響を受けるといわれている「病気」について掘り下げます。
お楽しみに~!
【引用】第一三共ヘルスケア http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/