今更ながらに健康診断について語る⑦
- 2015年06月10日
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こんにちは、保健師の山本です。
「健康診断」シリーズ7回目かつ「健康診断あるある」3回目になります。
今回のあるあるは、「健康診断の前にタバコを吸うとどんな影響があるのか?」です。
1.タバコを吸った後、〇〇はどうなる?
血圧は、激しい運動をしたり、疲れやストレスがたまると上昇することは、ご存じだと思いますが、タバコとの関係はどうでしょう?
Q.タバコを吸うと、血圧は上がる?下がる??変わらない???
色々考えられますが、実際にタバコを吸ってみても、何の変化も感じていない方が大半ではないでしょうか。
答えですが、これは循環器病情報サービスのHPに記載されているグラフです。
このグラフの示している内容は、一服のタバコで収縮期血圧(最高血圧)が110から130へ、心拍数が60回前後から80回前後まで、上昇するということです。
ということで、『上がる』 が正解となります。
2.タバコで血圧が上がる理由とは?
では、喫煙によってなぜ血圧が上がるのでしょうか?
タバコには、4000種類以上の化学物質が含まれています。
その中でも、血圧に影響を与える物質がニコチンです。
たばこを吸うと、ニコチンが交感神経系を刺激するために、血圧が上がり、脈拍が増えます。
一般に、タバコ吸う事で1分間の脈拍は15~25増加し、最高血圧で3~12mmHg、最低血圧で5~10mmHg上昇させるとされています。
ということは、血圧測定直前にタバコを吸うと、最高血圧が130mmHgの人でも、140mmHg以上になり高血圧を指摘される可能性もあるということです。
実は、健康診断を受診する直前にタバコを吸われる方は多くいます。
医療機関の施設内はもちろん禁煙なので、数時間タバコを吸えないと思うと、「最後に1本」と思いがちですが、その1本が『高血圧』と判定される原因の可能性もあります。
ニコチンによる、血圧上昇作用は20分程度で正常に戻ると言われています。
健康診断を受診する30分以上前には、喫煙を控えるようにしましょう。
3.おまけ
1日に20本タバコを吸う人は、この血圧変動が20回繰り返されていることになります。※1本ずつ吸う間隔があいている場合
血管にそれだけの負荷がかかり続けると動脈硬化の原因にもなります。
また、喫煙による動脈硬化のメカニズムとしては、直接血管内皮への収縮作用等の障害のほか、 糖代謝障害、脂質代謝障害、凝固機能の亢進といったものが複合して動脈硬化を進行させることが分かっています。
タバコの値段も一昔前と比べると高くなっていますし、愛煙家の皆さんのお財布のため、健康のため、そして周りの人の健康のため、一番良いのは禁煙することだということも理解しておきましょう。