服部産業医事務所の活動

インフルエンザHAワクチン

こんにちは、保健師の倉です。

今日はインフルエンザHAワクチンについてのお話しです。
少し難しいお話しになりますが、ご興味のある方は、お付き合いください。
症状等については、次回お話しします。

2か月前のブログでも、ワクチンについて少し触れましたが、
病院でも、10月よりインフルエンザHAワクチンの接種が始まりました。

ワクチンに「HA」という文字がありますが、
「HA」は、ウイルスの表面に存在するタンパク質「ヘムアグルチニン」の略です。

インフルエンザHAワクチンは、
ウイルス株を有精卵内へ注射し、卵ごと培養、
卵の中のウイルス培養液を取り出し、遠心機で濃縮・精製。
エーテル剤などの脂溶性薬剤を一旦加えて、
HA(ヘムアグルチニン)を含む、免疫に関する成分を取り出し、
さらにホルマリンで不活化(体内で増殖しないように)した液体です。

ワクチン接種前の問診票に、卵アレルギーの項目があるのは、
ワクチンを作る過程で、卵が使用されるからですね。

2016/2017シーズンの
インフルエンザHAワクチン製造株は以下の通りでした。
A型株
 A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
 A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)
B型株
 B/プーケット/3073/2013(山形系統)
 B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)

インフルエンザウイルスは
まず、内部のタンパク質の形によって、A型・B型・C型に分けられます。

さらに、ウイルスの表面から、
先ほど出てきたHAやNAというタンパク質が突き出ていて、
A型はこのHAとNAの形によって、さらに細かく分けられます。
HAとNAは、それぞれ形によって、番号がふられており、
A型株のH1N1型は、HAの1番とNAの1番の組み合わせ、
H3N2型は、HAの3番とNAの2番の組み合わせ、という意味です。

「A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09」の
・Aはウイルスの型
・カリフォルニアは検体からウイルスを取り出した場所
・7はウイルス株の整理番号
・2009は検体からウイルスを取り出した年
・X-179Aは製造株
・H1N1はさらに詳しいウイルスの型 を表しています。

まとめると、
「2009年にカリフォルニアの工場で取り出した、
整理番号7番のインフルエンザA型株を元株として増殖した、
製造番号X-179A番の株から、
HA1番とNA1番の組み合わせのタンパク質で作られたワクチンです。」という意味になるそうです。
「pdm09」は2009年にパンデミック(世界的大流行)になったウイルスですよ、という補足です。

インフルエンザの社内広報等に小ネタとしていかがでしょうか?

ワクチンの説明が長くなりましたので、続きは、来週に・・。

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