めまいのアレコレ
- 2016年10月12日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
朝晩の冷え込みで、いよいよ秋の到来ですね。
個人的には、今くらいの気温が最も過ごしやすいと感じます。
さて、今日から数回に分けて「めまい」についてお話します。
貧血や過労を連想する「めまい」ですが、他にも様々な病気の症状として現れることがあります。
「ただの寝不足だから、ちょっと寝たら大丈夫!」ではいかないこともあるんです。
そこで、知っておくと安心なめまいの知識をご紹介します。
めまいの原因
「めまい」とは、見ている物が回る、あるいは自分自身が回っているような感じのする発作のことを言います。
経験者は「急に天井が回った」「窓や天井が流れて見えた」などと語りますが、この「回転性のめまい」の発作を起こしている人には、ある特有の現象が起きています。
それは眼振(がんしん)と言って、「目の玉」が実際に左右に小刻みに揺れる現象です。
つまり、発作の時には実際に目が回っている訳です。
そしてこの眼振から、どこの部分に病気があるかが分かります。
このことから、この目の動きは大切な症状と言えます。
なお、このような回転性のめまいを起こしている時には、身体がふらついてまともに立てないことが多いです。
私は学生時代集会中に貧血でめまい・卒倒してしまうタイプでしたが、さすがにテスト中椅子から転げ落ちたのは衝撃でした。
いかにめまい発作中に体を支えるのが難しいのかが分かります。
平衡感覚の経路に障害が起こるとめまいが起こる
体のバランス(平衡感覚に関する情報)は、主に耳の奥の前庭(ぜんてい)と言う部分にある三半規管が検出し、そこから脳に伝わります。
しかし、脳が必要とする体のバランス判断材料は三半規管だけではありません。
脳はこの三半規管からの信号以外にも、例えば目からの視覚情報、手足、首などの筋肉や関節からの位置に関する情報などを併せて判断しています。
ところが、そのうちのどこかに不具合が起こり、運動や姿勢に関する情報のアンバランス(不一致)があると、脳は一瞬「自分の体の運動や姿勢の状態がどうなっているのか」分からなくなってしまいます。
この際に、いわゆる「めまい」を自覚することになります。
つまり、めまいとは自分の体の位置や運動を誤って感じた際に起こる症状なのです。
めまいのタイプ
めまいには大きく分けて2つのタイプあります。
回転性めまい:目の前や自分自身がぐるぐる回っているように感じる
浮動性めまい:フラフラして真っ直ぐ歩けない、雲の上を歩いているように感じる
またこの中にも、平衡感覚を司る三半規管や前庭の病気で起こる「耳が原因」のタイプと、体のバランスを制御する「脳が原因」のタイプの2つがあります。
そのため、病気が耳にあるのか、脳にあるのかを十分に検査して調べる必要があります。
一般には「耳からのめまい」は回転性であることが多く、「脳からのめまい」は浮動性であることが多いと言われます。
しかし脳の病気でも、それが急激に起こった場合、それに伴って起こるめまいは回転性であることもしばしばです。
すなわち「回転性のめまい」は前庭(耳)を含め、前庭から脳に到るまでの神経の経路のどこかに急激な異常が起った場合に起こると考えられます。
つまり「回転性のめまい」は、耳の病気のみならず脳の病気でも起こる可能性があるのです。
あらゆる「めまい」の中でも心配なめまいとは?
もちろん脳が原因で起こる「めまい」です。
めまいと同時に「手足に力が入らない」「手足がしびれる」「ろれつが回らない」「頭痛がする」「意識を失う」などの症状がある時は、脳卒中からくるめまい、中でも脳梗塞を疑う必要があります。
次回以降はめまいを症状とする病気についてお話します。
お楽しみに~!
【参考・引用】
脳神経外科 山本クリニック http://www.yamamotoclinic.jp/