服部産業医事務所の活動

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【20】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年6月15日付
【20】在宅勤務者のメンタルヘルス対策②(不調のセルフチェック)

経営者・総務人事担当者のみなさま、従業員のメンタルヘルス対策は万全でしょうか?第8回の「在宅勤務者のメンタルヘルス対策」では、在宅勤務におけるコミュニケーションや生じやすい課題、相談窓口についてご紹介しました。今回はさらに、セルフケアについてご紹介します。
1. 課題の背景:
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中で、在宅勤務を導入している企業も少なくないものと思われます。直接顔を合わせる機会や声掛けの頻度が減る中、従業員の体調を確認することも限界があります。そういった中で、従業員のメンタルヘルス不調の問題について懸念している経営者や人事担当者も多いかと思います。気づかないうちに、メンタルヘルス不調が発生・悪化して、休職にいたってしまうことは、企業にとっても大きな損失です。

2.企業でできる対策
〇 従業員にセルフチェックを勧め、自身の心の状態の気づきを促す
〇 メンタルヘルス相談窓口や専門家につなぐ

1)従業員にセルフチェックを勧め、自身の心の状態の気づきを促す
①うつ状態のセルフチェック
ストレスが続くと自分でも気づかないうちに、うつ状態になっている場合があります。抑うつや悲嘆、絶望、倦怠感、不眠等、不調が生じていないか、定期的に振り返ることが大切です。従業員に対して、次のようなセルフチェックの実施を促してみましょう。
<セルフチェック>
□ 毎日の生活に充実感がない
□ これまでは楽しんでやれていたことが、楽しめなくなった
□ 以前は楽にできていたことが、今ではおっくうに感じられる
□ 自分が役に立つ人間だと思えない
□ わけもなく疲れたような感じがする
上にあげた状態のうち2項目以上が2週間以上ほとんど毎日続いていて、そのことで毎日の生活に支障が出たりしている場合にはうつ病の可能性があるとされています。

②5分でできる職場のストレスセルフチェック
従業員自身のストレスへの気づきの機会として、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」も実施を促してみましょう。これは従業員数50人以上の事業場ではストレスチェックとして実施されている質問票で、オンライン上に無料で公開されています。誰でも短時間で繰り返し行うことが可能です。セルフチェック後は本人のストレス度やその特徴、セルフケアのヒントなども表示されます。
https://kokoro.mhlw.go.jp/check/

2)メンタルヘルス外部相談窓口や専門家につなぐ
セルフチェック(①)で不調を自覚した場合や職場のストレスチェック(②)で高ストレスと判定された場合には、産業医などの専門家やメンタルヘルス相談窓口に相談することを併せて従業員にアナウンスしましょう。相談窓口の詳細は第8回の「在宅勤務者のメンタルヘルス対策」をご参照ください。

3.留意事項
健康情報は重要な個人情報になりますので、部下の不調情報の取り扱いには注意が必要です・。精神科への受診勧奨の際には、個別に対応する、情報の共有は必要最小限にするなどの配慮をお願いいたします。このため、産業医・保健師等との契約がある企業では、これら専門職の活用もご検討ください。

4.関連情報リンク・参考情報:
1)災害時における地域精神保健医療活動の具体的展開 ストレス災害時こころの情報支援センター
https://saigai-kokoro.ncnp.go.jp/document/medical_personnel05_3.html

2)産業医有志グループ企業向け新型コロナウイルス対策情報 第8回在宅勤務者のメンタルヘルス対策
http://www.oh-supports.com/img/corona/pdf/008.pdf

3)産業保健総合支援センター
https://www.johas.go.jp/shisetsu/tabid/578/Default.aspx

4)全国精神福祉センター長会(各地域の相談センター)
http://www.zmhwc.jp/centerlist.html

5)日本産業カウンセラー協会 働く人の悩みホットライン
https://www.counselor.or.jp/consultation/tabid/298/Default.aspx

6)いのちの電話 みんなのインターネット相談
https://www.inochinodenwa-net.jp/

7)地域窓口(地域産業保健センター)こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/health-center/

文責:五十嵐 侑(東北大学大学院 医学系研究科 産業医学分野 大学院生)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

第17回動画「タクシーにおける感染拡大防止」を下記で配信しております。
https://youtu.be/7eEBcLwolfI

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