服部産業医事務所の活動

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信【21】

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年6月22日付

飲食業における感染対策

飲食業の経営者・総務人事担当者のみなさま、店舗での感染対策は万全でしょうか?
緊急事態宣言が解除され、飲食業も本格的に事業を再開し始めています。感染防止対策をしっかりと行っていることは顧客へのアピールにもなります。感染拡大を防ぐため、新しい生活様式に合わせたサービスの提供体制を整えましょう。

1.課題の背景:
飲食店では、食事中にはマスクができない、手で触れたものを口に運ぶ等、飛沫感染、接触感染リスクが高くなるため、感染対策が必要です。また、テイクアウト、デリバリーサービスを行う際には、食中毒についても注意が必要です。

2.企業でできる対策:
〇 「外食業の事業継続のためのガイドライン」等を参考に対策のチェックを行う。

「外食業の事業継続のためのガイドライン」、「東京都感染拡大防止チェックシート(レストラン、料理店編)」等を参考に対策の抜け漏れをチェックする。今回は主にレストラン、料理店を想定しポイントを記載します。

1)従業員の健康管理、教育
 □ 従業員には出勤前に検温を行わせ、発熱、かぜ症状がみられる場合は、勤務を見合わせ、必要に応じて医療機関に受診させる(受診の目安は関連情報の(4)を参照)。
 □ 店舗で行っている感染対策の意義について周知する。
 □ 従業員にマスク着用、手洗いの徹底を行わせる。フェイスシールドは、主に目粘膜からの感染を防止することが目的であることを理解し、必要な場合に使用する。
 □ 休憩時に対面で食事・会話をしないよう指導し、休憩室はできる限り換気を行う。

2)メニューの工夫
 □ 大皿メニューは個々に提供する形のメニューへ置き換える。 
 □ 入店人数を抑えるため、テイクアウト、デリバリーサービスも検討する。
 □ テイクアウト、デリバリーメニューは関連情報(5)を参考に食中毒に注意する。
 例)・調理済みの食品は、20℃~50℃の環境に置かれる時間が極力短くなるよう、10℃以下又は65℃以上での保存を行う
   ・速やかに喫食するよう口頭やシールの貼付等により情報提供する

3)店舗入り口での対策
 □ 利用者で熱がある者は入場をご遠慮いただくようお願い掲示を行う。
 □ 電話、オンラインでの日時指定予約等により混雑を回避する。または、整理券の配布や入場者数・滞在時間の制限等を行う。
 □ 行列整理や床の目印表示を行う。可能であれば、テイクアウト用の動線を分ける。
 □ 入手できればアルコール消毒液を入り口に設置する。
4)フロアでの対策
 □ テーブルは、できるだけ2m以上の間隔を空け横並びで座れるよう配置を工夫する。
 □ 扉や窓を開け、扇風機を外部に向けて使用するなど、30分に1回以上換気を行う。
 □ 窓が開けられないビル内の店舗等については、室内の二酸化炭素濃度の測定結果をビル管理会社に確認し、1,000ppmを超えている場合は換気設備の運用見直しを相談しましょう。過去の記事もご参照ください:関連情報(6)
 □ 調味料・冷水ポットなど複数の人が触れる物品を極力減らし、こまめに消毒する。
 □ テーブル、イス、メニューブック、タッチパネル等はお客様の入れ替わる都度、台所用洗剤(海面活性剤)で清拭する。5)レジやカウンターでの対策
 □ ビニールシート、アクリル板等の遮蔽物を設置する。
 □ キャッシュレス化等で接触機会を低減する。

6)行っている感染対策の明示
 □ 行っている感染対策(換気、対人間隔の確保等)のステッカーを店頭に掲示する。
 □ 東京都の「感染防止徹底宣言ステッカー」のように公的機関が認証しているものがあれば、条件を満たせるよう感染対策を充実させ、取得を目指す。

7)お客様にも感染防止対策にご協力いただきやすいよう工夫する:関連情報(7)参照
 □ 待ち位置や利用可能座な席を視覚的に分かるよう明示する。  
 □ 混雑を解消するため、混雑状況や空いている時間の表示を店頭やHP上で行う。
 □ 「大きな声での会話はご遠慮ください」と表示するよりも、「感染防止のため会話を控えていただきありがとうございます。」、「会話の代わりBGMをお楽しみください」など望ましい行動を促すような表示にする。

3.関連情報リンク:
(1)新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(改正)に基づく外食業の事業継続のためのガイドラインhttp://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/FSguidelineA4_20514_21.pdf
(2)東京都感染拡大防止チェックシート(レストラン、料理店編)https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/429/22.pdf
(3)感染防止徹底宣言ステッカー事業https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1008262/1008420/index.html
(4)新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安https://www.mhlw.go.jp/content/000628620.pdf
(5)飲食店における持ち帰り・宅配食品の衛生管理等について
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000628784.pdf
(6)企業向け新型コロナウイルス対策情報 第10回窓の開かないビルにおける換気改善
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1022070
(7)環境省新型コロナウイルス感染症対策における市民の自発的な行動変容を促す取組
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/COVID-19.pdf

文責:守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

第18回動画「清掃業における感染予防対策」を下記で配信しております。
https://www.youtube.com/watch?v=2o5m7jcffxs

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