実は怖い病気?「白内障」
- 2016年03月08日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
3月に入り、日中は暖かく感じるようになってきました。
花粉症やPM2.5の季節と考えれば嫌な時期ともいえますが、過ごしやすい気候であることは確かです。
しっかり花粉症・PM2.5対策をして、新緑の季節を楽しみたいですね。
今週は、予告通り「白内障」についてのお話です。
白内障=加齢のイメージが強く、割と身近に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
たしかに白内障の多くが加齢によるものといわれています。
正しい知識を身につけて、「受診すべきなのか」の判断基準にして下さいね。
白内障の症状
白内障とは、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。
水晶体とは、目の中でカメラのレンズのようなはたらきをする組織で、外からの光を集めてピントを合わせます。
通常は透明な組織ですが白内障では白く濁ってしまうため、集めた光がうまく眼底に届かなくなることで以下のような症状が現れます。
白内障の代表的な症状
- 視界が全体的にかすむ
- 視力が低下する
- 光をまぶしく感じる
- 暗いときと明るいときで見え方が違うなど
白内障の種類と原因
水晶体は主にたんぱく質と水でできています。
たんぱく質は、加齢や長年にわたる紫外線曝露など様々な影響を受けて、だんだんと変化し白く濁ります。
その結果、水晶体全体が濁り、視力の低下を招くことになります。
白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるものであり、これを「加齢性白内障」と呼んでいます。
個人差がありますが、誰でも年をとるにつれて水晶体は濁ってきます。
加齢性白内障は一種の老化現象ですから、高年齢の人ほど多く発症します。
白内障の種類 | 原因 |
加齢性白内障 | 加齢 |
全身疾患に合併する白内障 | アトピー性皮膚炎、糖尿病 など |
先天性白内障 | 風疹 など |
外傷性白内障 | 目のけが など |
併発白内障 | ぶどう膜炎 など |
その他 | 放射線、薬剤(ステロイド剤) |
白内障の治療方法
白内障は、どんなに症状が進行しても手遅れということはありません。
ただし他の病気を併発する可能性もありますので、症状が気になったら眼科を受診しましょう。
白内障の治療は、病状の進行段階によって異なります。
1 )仕事や生活に支障が出ていない初期の場合
視力の低下や目のかすみが日常生活に支障がない初期の段階では、ピレノキシン製剤やグルタチオン製剤による点眼治療が基本です。
ただし、薬を使用しても水晶体が透明に戻るわけではなく、あくまで白内障の進行を抑えることが目的です。
2 )仕事や生活に支障が出てきた場合
白内障が進行して日常生活に支障がみられる場合には、外科的手術が行われます。
現在では「超音波乳化吸引術」が一般的です。
この手術では、濁った水晶体を超音波で粉砕して取り除き、その代わりに人工水晶体である眼内レンズを挿入します。
白内障の手術は、多くの患者さんが安心して受けることができる手術の1つです。
また、手術を受ければ視力の回復が見込める病気です。
ただし人工的な眼内レンズにピント調節機能はないため、手術後もメガネなどによる視力の矯正が必要な場合があります。
3 )白内障の手術
現在、白内障の手術は主に濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、眼内レンズを入れるという方法で行われています。
白内障が進行して核が固くなっている場合は、水晶体の核を丸ごと取り出すこともあります(水晶体嚢外摘出術)。
「歳のせい」だと放置していたら実は他の病気の症状だったり、治療することで良くなったり・・・
「おかしいな」と思ったら、まずは眼科で相談することをお勧めします!
【参考・引用】
参天製薬ホームページ http://www.santen.co.jp/ja/
日本眼科学会 http://www.nichigan.or.jp/index.jsp