定期健康診断の有所見率
- 2012年11月20日
- 活動報告
今年の労働衛生のしおりによると、昨年の定期健康診断の有所見率の全国平均は52.7%で、年々増加しているようです。一方で担当している各事業場から監督署に提出される定期健康診断結果報告書を見ていますと、有所見率にかなりのばらつき(20%台~80%台)があることが分かります。しかしながら有所見率の高い事業場とそうでない事業場の間で従業員の健康状態にそれほど差があるとはとても思えません。従業員の年齢構成の違いもありますが、有所見率がばらつく最も大きな原因は各健診項目の有所見の範囲が事業場によりかなり異なっていることにあると考えています。すなわち各健診項目の有所見とする範囲は事業場の任意となっているということです。これでは事業場間で、あるいは全国平均と有所見率を比較することはあまり意味のないことになります。実際に弊害も出ており、有所見の範囲を広く取っている事業場では有所見率が異常に高くなり、監督署から率を下げるべく指導が入っていることを耳にします。こうした現状がありますので、定期健康診断の有所見率については他社や全国平均と一概に比較することはできないことを担当先ではお話しています。