ペットボトル症候群って知ってますか?
- 2015年11月17日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
今日は、先日面談中に出てきた「ペットボトル症候群」についてお話します。
夏の暑い日はもちろん、最近のような乾燥気味のときに生き物は水分を欲します。
そんな時、何を口にしていますか?お茶?コーヒー?ジュース?
清涼飲料水は□当たりがよく、ついつい飲みすぎてしまいがちではないでしょうか?
こんなときに気になるのが「ペットボトル症候群」です。
ペットボトル症候群ってなに?
ペットボトル症候群という名称は俗称で、正式には「ソフトドリンクケトーシス」と呼ばれています。
市販されている1.5ℓの清涼飲料水(ペットボトル)には、種類によってスティックシュガー10本以上に相当する糖が含まれています。
そのため、
糖を多く含む清涼飲料水(ソフトドリンク)を大量に飲むことで高血糖
⇒高血糖状態によって尿量が増える(脱水)
⇒余計に喉が渇く
⇒更に清涼飲料水を飲む
という行為を繰り返し、著しい高血糖に至る。これを俗に「ペットボトル症候群」と呼んでいます。
ちなみに清涼飲料水を水代わりのように1日に2~3リットル飲む生活をしていた高校生が意識障害で病院に運ばれたケースが1990年代に報告されたことで注目されるようになりました。
どんな人がなりやすい?
普段から肥満傾向で、「喉が渇く=高血糖」ということを知らない人の罹患率が高いようです。
全身の倦怠感や眠気、多尿、異常な喉の渇きといった自覚症状が現れて医療機関を受診し、はじめて糖尿病だとわかるケースもあります。
高血糖って実は怖いんです
高血糖による多尿により脱水をきたすと、更に輪をかけて高血糖になります。
血液の浸透圧が上昇することで身体の細胞の機能に異常が現れますが、特に脳はこの影響を受けやすいと言われています。
酷い場合には意識がなくなりますので、やはり早急な治療が必要となります。
のどが渇いたときは、水やお茶で水分補給を
糖尿病患者や高血糖を指摘された人は、水分の取り方についての注意が必要です。
健康志向の高い人が増えた影響で、現在は「カロリーオフ」や「カロリーゼロ」などと表記した商品が増えています。
こうした商品の多くは糖質の量を少なくしたり、体内で吸収しにくくエネルギーになりにくい甘味料を使っていますが、「エネルギーがない」ということではありません。
「カロリーオフ」は100ミリリットル当りのエネルギーが20kcal以下の場合に、「カロリーゼロ」は5kcal未満の場合に表示できるという取り決めの下記載されています。
また、糖質が少ない食品でも脂質が多いものであれば安心できません。
エネルギー(カロリー)が高い食品は、ただそれだけで血糖値を上げる能力を持っていますので要注意です。
生活習慣病とは名前の如く「生活習慣を原因とする病気」です。
好きな食べ物や飲み物のドクターストップがかからないように、何事も「ほどほどに」しましょう。
それではまた来週!