健診結果、見てますか?「LDL/HDLコレステロール」
- 2015年04月21日
- 健康管理(宮本)
保健師の宮本です。
もうすぐゴールデンウィークですが、皆さん予定はお決まりでしょうか?
かくいう私は、毎度のことながら実家に戻って家族でゆっくり過ごそうかと考えています。
さて、今週は先週の中性脂肪(TG)に引き続き血中脂質の項目からお話します。
今日のテーマは「悪玉/善玉コレステロール」という呼び名でおなじみの、LDL/HDLコレステロールです。
【LDLコレステロールの基準値(成人)】
基準値(男性) 70~139 (mg/dL)
基準値(女性) 70~139 (mg/dL)
【HDLコレステロールの基準値(成人)】
基準値(男性) 30~86 (mg/dL)
基準値(女性) 40~99(mg/dL)
Q.1 LDL/HDLコレステロールって何?どう違うの?
HDLコレステロールとLDLコレステロールでは体内における役割が異なります。
LDLコレステロールは、体の各組織に細胞膜の原料となる脂質の一種「コレステロール」を配ります。
組織では細胞内にコレステロールを取り込み、細胞膜・ホルモンをつくるのに使用します。
一方HDLコレステロールは、全身の組織で過剰になったコレステロールを回収する働きがあります。
いわばLDLコレステロールが配り過ぎたコレステロールの回収係と言えます。
ちなみに、先週お話した「中性脂肪(TG)」はHDLコレステロールの増加を阻害するといわれています。
Q.2 LDL/HDLコレステロール値異常は病気なの?
Q.1で解説したように、LDLコレステロールは体内の組織(血管含む)にコレステロールを運搬する働き、HDLコレステロールには過剰に配り過ぎたコレステロールを回収する働きがあります。
このバランスが重要で、LDLコレステロールがHDLコレステロールを大きく上回りコレステロールの回収が間に合わなくなったとき、これまで大人しかったコレステロールが「悪さ」をし始めます。
(これが、LDLコレステロールが「悪玉コレステロール」と呼ばれる所以です)
この「悪さ」の代表格が、動脈硬化です。
LDLコレステロールが高い場合、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤、抹消動脈硬化症などの疾患リスクが高まる事が明らかとなっています。
●高LDLコレステロール・低HDLコレステロールの異常により疑われる病気●
以下に示した病気はあくまでも一例です。
異常値であったからといって、すぐに病気というわけではありません。
また、他の要因と連動して初めて病気として診断されるケースもありますのでご注意ください。
・狭心症
・心筋梗塞
・脳梗塞
・大動脈瘤
・抹消動脈硬化症
Q.3 LDL/HDLコレステロールを正常値に戻すにはどうしたら良いの?
まずは上記の病気を引き起こす原因となりうる、LDLコレステロールが増え過ぎないようにする必要があります。
その上で、コレステロール回収係HDLコレステロールも増やしておくと安心です。
具体的には、
① コレステロールの多い食品(卵や魚介類など)や甘いもの、お酒などを控える
・卵は1日1個まで
・マヨネーズや油などは「コレステロールカット」「植物油」表記のあるものを選ぶ
・チョコレートやケーキ、インスタントラーメンは週1回までに減らす など
② 食物繊維の多い食品、タンパク質の多い食品を積極的に食べ、コレステロールを溜めこまない
・食物繊維の多い食品:野菜や海草、豆類、きのこ類、こんにゃく など
・タンパク質の多い食品:魚類(ぶり、いわし、さば、さんまなど)大豆・豆腐・豆乳、肉の赤身 など
LDLコレステロールを減らすといわれている食品があるので、いくつかご紹介します。
・レシチン・大豆イソフラボン:豆腐の場合、1日半丁が理想
・植物性油:オリーブオイルなど
※逆に、マーガリンやショートニング、ファストフードや総菜などの揚げ油はコレステロールを上昇させます。
・ヨーグルト
・りんご
・オメガ3脂肪酸(DHA・EPA):イワシなどの青魚に多く含まれます
LDLコレステロールが生活習慣や体重の増減によって影響を受けるのは有名ですが、HDLコレステロールの量も同様に、喫煙や肥満、運動不足などを原因として下がることがあります。
体内環境の改善は減量や美肌など、後々見た目にも反映されます。
まずは「血液ドロドロ状態」から抜け出してみませんか?
それではまた来週!