服部産業医事務所の活動

今更ながらに健康診断について語る⓶

おはようございます、保健師の山本です。
今回は、健康診断についての続きとなる『健康診断が終わった後』についてお話ししたいと思います。

1.健康診断が返ってきたら
 健康診断で重要なのは、受けたあとです。
 結果が返ってきたら、下記のことを実践しましょう。
 ○ 検査の意味を知って結果を正しく受け止めよう
  まずは各項目の検査値が基準値の範囲内か確認しましょう。
  ※検査項目ごとに基準値(健康な状態の目安値)があります。
  一般的には結果票に記載されているのでチェックしてみましょう。
 ○病気の早期発見、予防
 自覚症状のない人が定期的に検査を受けることで自分の健康状態を知り、生活習慣病の予防や隠れた病気の早期発見に役立てましょう。
○ 異常があれば放置しないで再検査等を受けよう
  自覚症状がないうちに異常を見つけて対処してこそ、受ける意味があります。
  がん検診の場合だと、早めの受診で命拾いすることも。
 ○「要受診」「要再検査」「要精密検査」の判定が出ている場合は、必ず受診しましょう!
 健診結果を流し見した後すぐに捨てていませんか。
  毎年の結果を保存しておけば、過去のデータと現在のデータを比較することができます。
   検査結果は保存して経年変化をチェックしましょう。
  経年変化を見ることで、自分の体の変化や注意すべき病気に目を向けましょう。
 
2.保健指導は必要なの?
 健診結果が悪いと、総務課等から呼び出されて私や宮本保健師と対面しなければなりません。そう、あの呼び出しが『保健指導』です。
 保健指導についても、ここで解説しておきたいと思います。
 ○労働者の健康管理の三本柱の1つである『保健指導』
  労働安全衛生法で定められている労働者の健康管理の3本柱は、『定期健康診断の実施』、『就業判定』、そして『保健指導・受診勧奨の実施』です。
  現時点で就業上の制限が必要ない状態であっても、そのまま放置すると将来的に就業禁止などの措置が必要となる場合があります。
  『保健指導』は、健康状態の悪化を防ぎ、より健康な状態を保つためには、産業医(医師)・保健師・衛生管理者より、行われるものです。
 ○『保健指導』とは
  では、実際には保健指導とはどういったものでしょう。
  保健指導とは、生活習慣病予備群を生活習慣病に移行させないため、労働者の生活を基盤とし生活習慣における問題に自ら気づき、健康的な生活習慣を導き出し健康を維持できるよう支援することです。
  また、生活習慣の乱れは、メンタル不調の原因にもなります。
  近年では、過労死や精神障害などの労災認定件数も急増しており、『心身の健康管理』としての保健指導の重要性も指摘されています。
 ○もっと具体的に『保健指導』
  では、私たち保健師はどんなお話をしているのか、内容についても触れてみましょう
  ◆個人の生活習慣や考えを考慮した指導
  ・健康診断結果から労働者の身体状況を理解し、生活習慣の改善の必要性を労働者に認識してもらい、改善のための行動につなげやすくします。
  ・生活習慣改善のための目標を労働者の考えを尊重して設定し、達成できるにはどうしたらいいか一緒に考えます。
  ◆健診結果の判定からだけではなく、それぞれの数値を総合した指導
  ・健康診断結果の判定だけにとらわれず、それぞれの数値を総合的に見て、労働者の健康状態を保つにはどうすれば良いかを考えます。
  ◆病気の発症を予防する視点から健康状態を保つ支援
  ・労働者の考えを尊重しながら生活習慣の改善を支援することで、病気の発症を予防する・遅らせることができ、労働者の健康状態を良好に保つことができます。

限られた時間内ではありますが、上記のような考えのもと私たち保健師は保健指導をしています。
耳が痛い時もあるでしょうが、そこは我慢してどうしたらよりよい生活が送れるか一緒に考えていきましょう。

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